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フィンランド紀行②-2 海とひとつになるひととき

(前回はこちら)

day2-2(日)晴れ
15時ごろ、Lapinlahden Lähdeに戻ってきた一行。
併設されているサウナ小屋に行こうとすると、バンドの演奏が聞こえてくる。一角にちっちゃいステージが組まれていてミニライブ的なものが行われていた。出くわしたときは、リヴァーブの効いたアンビエントな曲を3ピースでやっていて、心のなかで盛り上がる。サウナの終わりもあったので、泣く泣く退散して向かう。
訪れたLähteen Saunaは1880年代に一帯が病院として運営されているときからスタッフと患者が利用していたサウナである。今も一般利用されており、ヘルシンキ最古の公衆サウナである(公式HP情報)。日によっては男女混合で入ることができる。
別の建物のカフェで料金を払うゆるい会計システムだった。ひとり12ユーロ(2100円)くらい。

7~8人ぐらい座れる小さなサウナ。温度はそれほど高くなく、湿度が高いので長く入っていられる。外のからっとした空気と相性がよい。さらには、現地民によるロウリュ(サウナストーンに水をかける行為)を体感することができ、これもまた心のなかで盛り上がる。
水風呂はないけど、外の空気は涼しげでベンチに腰掛けるだけでよい。なんなら歩いてすぐ海があるので飛び込むこともできる。そうとう深くて死の危険を感じたので、はしごにつかまって浸かる程度しか入れなかった。現地民はかぷかぷ泳いでいた。体感12℃くらい。海とひとつになるひととき。

あんまり温度差がないので疲労感もなかった。ほどよくリフレッシュして、一旦ホテルに戻る。

今晩の宿は「Hotel Indigo Helsinki - Boulevard」。ヒエタラハティマーケットの近く、つまりはヘルシンキ中心部にある。ひとり75ユーロ(13,000円)ぐらい。かなりスタイリッシュな部屋だったけど、湯舟はなかった。

昨晩のリベンジでサウナにいく。Kotiharjun Sauna。フィンランド公衆サウナの代表的なところで日本のサウナ好きでも有名である。道路で外気浴をしながら談笑している半裸のおっちゃんたちの光景でおなじみ。
日本の情報だと1928年にオープンした最古の公衆サウナと記述されているが、公式ページを比較する感じ、前述したLähteen Saunaの方が前からあったようだ。(公衆サウナの定義が異なるかもしれない。)最も古い公衆サウナのひとつという認識でいることにする。
サウナ室は座面が5段くらいあって、ベストポジションを見つけるのに苦労したけど、そんときは下段でじっくりがよかった。
サウナの近くにはジャズバーみたいなところがあって、野外で演奏していた。ブルージャイアントのワンシーンみたいに、ウッドベースのひとがソロを弾き、サックスのひとが静かに頷いていた。
おっちゃんたちはこんな環境で佇んでいたのか〜と、これまでの印象に音が重なっていく。

2軒も通って塩分が足りないとのことで、ハンバーガーを夕食とする。フィンランドのハンバーガーチェーン「Hesburger」に入った。日本でいうところのマックである。もちろんフィンランドにもマックはある。セットで12ユーロ(2000円)くらい。日本と比較できる環境だと、物価の高さから目をそむけることができない。しかし食べたい。
ソースがスパイシーでサウナ後に効いた。そしてポテトにつけるケチャップが酸味がやんわりなのと、マスタードが日本より辛くない。調味料におしとやかさがある。という感じですこしでも独自のおいしさに気づこうとした。そして近くのスーパーで調味料を確認して、日本に帰る前に買っていこうと決心した一行であった。


たくましきヘスバーガー城


(続く)


(付図2)day2マップ


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