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フィンランド紀行①-2 落ちても明るい

(前回はこちら)

day1-2(土)晴れ
古着屋で現地民になった一行。
20分ほどバスに乗ってMunkkiniemi方面に向かい、バス停から15分ぐらい歩く。このあたりは住宅街で人通りもおだやかである。俗に言う郊外である。

目的地は建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトのスタジオと自邸だった。どちらも事前にHPでガイドツアーを予約することでお邪魔することができる。参加した回は日本人らしき人がわりといた。どちらもおおよそ1時間枠で30分解説、30分フリータイムという感じだった。スタジオと自邸は近く開催時間もずれているのでツアーのはしごができる。

おとなになってフィンランドの建物や道具が好きになるなかで、彼とその妻(アイノ・アアルト)の名を度々聞くようになり、フィンランドに行くならゆかりの地に訪れたいと思っていた。彼の故郷ユヴァスキュラには大きなミュージアムがあったけど旅程の都合で見送り、今回はヘルシンキからいける距離のここを選んだ。
アアルトの建築には日本の精神性を取り込んでいて、しっくりくるところがあった。また、窓や植物の配置がうまくて、時間によって光と影の位置がかわることで雰囲気が変わった。そしてどの時間もうつくしい。外と中の境界をつくる窓への関心がさらに高まった。



ツアーが終わったら、来た道を戻って中央駅へ戻る。アアルトさンちの近所には小さな図書館があって、完全にわれらの近所の図書館と同じような雰囲気だった。

中央駅に戻ったら荷物を回収して、本日の宿に向かう。
電車に乗る途中で地下道をさまよい、スーパー「Tokmanni」に寄ったりする。ここは日用品も充実していて、ちっちゃいイオンみたいなところだった。鹿児島でいうところのタイヨーとだいぶ近いものがある。
ペットボトルの500mlのジュースが2ユーロ(340円)くらいでそうとう吟味する。でもちょっと冒険したくて、見たことない炭酸のやつを買う。すっきりしたファンタでおいしかった。

(後記)フィンランドの老舗飲料メーカーHartwall社を代表する炭酸飲料JAFFA(ヤッファ)だった。以後どこのスーパーでも見ることになる。



喉を潤し、また移動。地下に降りたけど、結局地上に出て、路面電車に乗る。まだアプリの交通機関が、メトロか路面電車かの判別ができない。
(のちにマークが若干違うことに気づく。)
最寄りの電停で降りて、地図アプリの指示で路地を歩いていくと工事中の砂利坂をしばらく登ることとなり、そうとう疲労した。
(のちに平ための大通りからでも行けることがわかる。)
そうして19時くらいにホテル「Citybox Helsinki」に到着。
夏至直前のフィンランドは、まだまだ明るかった。昼と空の景色が変わってなくてミッドサマー。気温は少し落ちていた。

無人チェックインのホテルで、一階の端末でポチポチする。英語のやり取りがない分楽かと思ったら、予約番号が必要ですこしあたふたする。控えを確認して入力すると、無事カードキーが出てきた。
冷蔵庫や湯舟もなかったものの、最低限の設備(ベッド、シャワー、ドライヤー、Wi-Fi)があり、なにより2024年に完成したばかりで綺麗だったので、充分だった。1階に簡易キッチンもあるので、スーパーで買いだせばよい。ふたりで朝食なし一泊100ユーロ(18,000円)くらいで近辺の相場としても安いほうだった。

部屋に荷物を預けて、今晩しか行くタイミングがなさそうなサウナに行こうと思った・・・が久しぶりのベッドに重力を委ねると、しばらく動くことができなくなった。横たわることがこんなに心地いいとは。30時間ぶりの横臥。30分休んで20時くらいに出ようかと妻と話して、ベッドごろごろする。

(時が進む)

気づいたら23時だった。お互い寝落ちしてしまった。しまった。
しかし日は落ちきっていないようだった。明るい夜。さすがにサウナに行くのは断念して、近くの24時間スーパー(Sマーケット)で明日の朝食を買いにいった。横の入り口から入ろうと思ったら扉が開かなくて、近くにいた現地のおじちゃんとにっこり笑みだけ交わす。正面から入って徘徊しつつ、買い物する。明日もいっぱい動くだろうから戻ってまた寝た。


6月中旬23時のヘルシンキ

(続く)




(付図1)day1のマップ


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