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“天然のいけす”と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

まっさきに

『富山湾』

と回答した方には、白エビ1年分を贈呈します!

ではなぜ富山湾が「天然の生簀(いけす)」と呼ばれているのか。

理由は、富山湾特有の地形と気候にあります。


高低差4,000m以上


富山湾は立山連峰をはじめとする標高3000メートル級の北アルプスから水深1000メートルを超える海底に一気に連なる地形構造で、岸近くから急に深くなっています。

世界でも類をみない高低差4,000m以上のダイナミックな地形なのです!

対馬海流と日本海固有水

富山湾の表層には、暖流である対馬海流の一部が能登半島に沿って入ってきます。このため、暖流系の魚が海流に乗って富山湾にやって来ます。

また200〜300メートルの厚みで流れる対馬海流の下には日本海固有水(海洋深層水)が存在し、低温ながら栄養が豊富で、冷水系の魚が多く棲んでいます。

画像:https://www.nihonkaigaku.org/kids/door/preserve.html

つまり富山湾は暖流系と冷水系の両方の魚が棲息する湾であり、日本海に分布する約800種の魚のうち約500種が富山湾に棲息しているとも言われています。

7大河川の存在


また富山湾に多彩な魚種が棲息する理由には、7大河川の存在もあります。

北アルプスの山の雪が雪解け水となり、森の栄養分が河川を通って富山湾に流れ出しています。

海岸近くの湾の表層には、河川から流れ出た水の影響で、塩分濃度が低くなった沿岸表層水が分布しています。

画像:https://dyfc-academy.com/geomorphology/3/

つまり富山湾の海水は3層構造となっています。

① 表層は塩分濃度の低い「沿岸表層水」
② 水深200~300Mまでが「対馬暖流系水」
③ 水深300以深には低温の「日本海固有水」

そして富山湾には、森の豊富な栄養分を含んだ淡水が海底から湧き出している「海底湧水」の存在も明らかになっています。

まとめ


富山湾は湾に迫る山々と湾の水深が高低差4000メートルという世界的にも類を見ないダイナミックな地形であり、3層構造の海水や海底湧水などの要素も加わり、多様な生物を育む、実に豊潤な海を形作っています!


この奇跡ともいえる環境こそが、富山の寒ブリやホタルイカ、シロエビといった高級食材を作り出しているのです。

私の愛してやまないホタルイカ掬い・ホタパについて解説した記事です▼

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