映画『プリンス パープル・レイン』
プリンスのプリンスによるプリンスのための自伝的青春映画!(ポロリもあるよ)
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プリンス演じるキッドは、地元じゃ負け知らずのバンド「ザ・レヴォリューション」でフロントマンを務めていた。
常日頃から彼はその圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了していたが、近頃はやや落ち目である。ぴえん。
そんなある日、アポロニアという美しい娘が「スタアになりたいの」と、キッドの元を訪ねてくる。
彼はアポロニアを後部座席に乗せ、バイクを湖へ走らせた。
「有名になりたいなら、まずはミネトンカの湖で身体を清めるんだぜ」
純粋なアポロニアは直ちに服を脱ぎ捨てて、勢いよく湖に飛び込んだ。
「ちなみにここはミネトンカじゃあないんだぜ」
「ヒドイ!騙したのね!」
ビショ濡れかつ半裸の美女を置き去りにして、華麗に走り去るキッド。
かと思ったら戻ってきて
「乗りな。ただしシートは濡らすんじゃあないぜ」
「もぉ」
キッドの頬にキスをするアポロニア。
どうかしてる。
何はともあれ交際を始めた2人。
しかしなかなか自分を売り出してくれないキッドに業を煮やしたアポロニアは、こともあろうにレヴォリューションのライバルである「ザ・タイム」のリーダー、モーリスにプロデュースを依頼する。
ある晩、イチャつきながら歩いていた彼らをバイクで急襲したキッドは、勢いそのままモーリスを豪快に跳ね飛ばした。
マジでどうかしてる。
再び彼女を後部座席に乗せバイクを走らせたキッドだったが、時すでに遅し。アポロニアのキッドへの想いは、もう完全に冷めていた。
ところでキッドは両親と同居していて(マジかよ)、傷心のまま家路に着いた彼を待っていたのは、ピストル自殺を図った父親の無惨な姿であった。
何はともあれ今宵もステージに立つキッド(メンタル強すぎだろ)。
ここで彼は遂に伝家の宝刀を抜く。
泣く子も黙る鬼アンセム、“パープル・レイン”だぁっ!
狂おしいほど官能的で、泣きたくなるほどノスタルジックになりたい。
後にキッド、いやプリンスの名刺代わりになるこの壮大なラヴバラードは、観客はもちろんのこと、キッドの傍若無人っぷりに愛想をつかしていたアポロニア、バンドメンバーをはじめ、彼を解雇しようとしていたライヴハウスのオーナーに、ひき逃げされたモーリスの心までも、一瞬にして鷲掴みにしてしまう。
さすが殿下!
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ。
そこにシビれる!あこがれるゥ!
そういえば、自分で確実に頭を撃ち抜いたはずのキッドの父親も、どうやら一命をとりとめたようだ。
どうかして...(自重)
何はともあれ、めでたしめでたし。
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言うてる場合かっ。
なお上記は大袈裟でもデフォルメでもない。
つまり正真正銘の名作にして迷作である。
ただ映画はさておき、本作を通じてプリンスの演奏スキル、楽曲クオリティの高さには改めて心を打たれた次第。
そして音楽以上に彼のパーソナリティに興味を持ちましたね。
良くも悪くも、絶対にどうかしてるもんな。
色んな意味で惜しい人を亡くしました。