社員の満足、顧客の満足、株主の満足
よく知られている法則として、以下のようなものがあることはご存じでしょうか。
① 従業員満足度の高い企業の顧客満足度は高い
② 自社純推奨者(NPS≒顧客満足度)の多い企業の株価は高い
③ 新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍
これを図式化しますと、以下のようになります。
従業員満足度が向上すれば、 社員のモチベーションも上がり、良い製品や顧客サービスが提供可能となる。
その結果、 顧客満足度が向上し(自社推奨者も増加し)、既存客リピート増加により 営業・マーケティグコストが低下すると、 売上が増加し、かつ利益率もアップする。
その結果、企業価値向上が向上し、 株価アップすることで、株主満足度も向上する。
株主満足度が高い財務体質は、金融機関から見ても企業の魅力度が高まり、増資だけでなく借入での資金調達もし易くなる。
成長のための資金調達が容易になれば、成長を加速することができ、会社業績も更に向上する。
そうなると、社員にとっては、成長している企業で働くやりがいや、自分たちのサービスが広く社会に受け入れられている達成感を味わえるだけでなく、報酬面やオフィス環境も更に良くなり、従業員満足度が向上するという「満足の好循環サイクル」となる。
無論、1~6の間をつなぐ、戦略や組織マネージメントも重要になりますが、社員、顧客、株主の満足を上げる行為は、社会への貢献や企業の存在意義にもつながり、それはすなわち経営理念にもつながる話となります。
言い換えれば、経営理念は、顧客、社員、株主、社会に対する満足や幸福に何らか関連することを謳うものであるので、これらの満足を追求することは企業活動の基軸となるはずです。
では、何を起点に考えるかと言えば、いろいろな考え方があるかと思いますが、私は先ずは従業員満足度を上げることが重要だと考えています。
この会社と重要な取引すべきかどうかを見極める際に、実際に会社訪問をして雰囲気を確かめてみたいと思う経営者の方も多いかと思います。その時に、社員の顔がどんよりしていたり、会っても誰も挨拶しない、オフィスも雑然としていたら、その会社と重要な取引をしたいと思うでしょうか。ある有名な経営者の方は、訪問先のトイレを必ずチェックすると言います。トイレが汚い会社は、社員の士気も低く、何らかの問題を抱えていることが多いという経験則があるからだそうです。
従業員の満足度が高ければ、社員の定着率も高く、生産性や創造性も高く、顧客や取引先とも生き生きと接していれば、自ずと業績は付いてくるはずです。
では、実際のどのようにすれば従業員満足度が上がるかについては、次回事例も交えながらお話ししたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。