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生きる

完全に枯れたと思っていたフィカスが生きていた。

まめに世話をしていたつもりだが、こちらの気持ちとは裏腹に葉が黄色く変色し落ち始め、ついに茎だけが残るような姿になってしまった。
何が悪かったのか?水遣りか?日当たりか?栄養か?
返事のない問いかけを心の中で繰り返す。

単身赴任ライフを他の植物たちと共に彩っていてくれていたし、成長が仕事のモチベーションでもあったのでショックだった。

小さな虫が湧き出したのでベランダの室外機の上に置く。すぐ捨てるにはしのびなかったので、虫の姿がなくなったのを確認して部屋の中に戻した。

二、三日経った頃、他の植物たちへの水遣りをしていたところ、茎だけだった先端に濃い緑の小さな葉っぱが2枚開いていたのが目に入る。
メガネを外してもう一度見る。

思わず声が出た。

完全に枯れたと思っていたフィカスが生きていた。

諦めるのはまだ早いと言われているようだ。
別に何も諦めたつもりはないが、分かった諦めない。何でも言うこと聞く。
きっと喉が渇いているはずだから、たっぷりと水をあげた。葉水も。
夏バテしてもらっても困るので早速栄養剤のドーピングだ。

この猛暑みんな生きて乗り切ろうぜ。

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