見出し画像

お家 

むかしむかし ある山奥に2匹のリスが暮らしていました。

(ねえスイカちゃん。 そのどんぐりはちょっと重
たそうだから、僕がもっていくよ。

(ううん 大丈夫 私がしっかりもっていくから ウリくんは そのまま落ち葉をあつめて、暖かいお部屋づくりをしておいてちょーだい。)

すっかり肌寒くなった森の中、 
もうすぐ来る 厳しい寒さの冬支度に追われていました。

スイカ (よいしょよいしょよいしょ。) 
スイカちゃんが、どんぐりを運んでいると 
木の幹にいっぴきのカブトムシが震えているのをみつけました。

スイカ(どうしたの?カブトムシさん。大丈夫?)

すると。震えながらカブトムシは言いました。
カブト(うん。全然大丈夫じゃないけど 大丈夫だよ。僕たちはもともと、君たちみたいに冬を越すことはできないんだ。)

スイカ(ええ もちろん知ってるわ、でもとても寒そうだから、
よかったらすぐちかくに 私たちのお家があるの。
ウリくんがあたたかくしてるはずだから、そこに連れてってあげるわ。)

そういうと、スイカちゃんは持っていたどんぐりを地面に置いて
震えたカブトムシを持ち上げてちかくのお家に運び始めました。

〜〜〜〜ほわわわ〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜〜〜〜

一方その頃、

ウリくんは、せっせと落ち葉をカゴに集めていました。

すると、さっき拾った落ち葉の下の茶色い地面に
モソモソと動くちいさな生き物を見つけました。

ウリ(ん? なんだ?)

近寄ってよく見ると なにかの幼虫でした。
ウリ(これは多分 カブトムシの幼虫じゃないかな。)

ウリ(あ、ちょっと震えているぞ。
僕が落ち葉を集めてしまったからきっと寒くなってしまったんだな。)

ウリくんはカゴに溜めていた落ち葉を
その幼虫の上にバサバサっと掛けてやりました。

カブトムシの幼虫は落ち葉でみえなくなりました。

ウリ(うわ〜 こんなに動いたのになんて寒いんだ。
それにすっかり暗くなってきた。はやくお家にかえらないと!)

うりくんは空になってしまったカゴをもってお家に向かいました。

ウリ(あっ なんだあれ!)

お家の木の根あたりに大きな黒い影を発見したウリくんはそこに息をしていないカブトムシをみつけました。

その木の上の方にある穴のお家に入ると

ウリ(あれ・ スイカちゃん どこにいるの? ねえどこ?)

暗くなってもう帰っていてもいいはずのスイカちゃんが居ません。
ウリくんは心配で、森の中にスイカちゃんを探しに
探索にでかけました。、

スイカ(うええ〜〜ん うぇ〜〜〜ん  ヒックヒック)

小川のほとりで、スイカちゃんが泣いているのを見つけました

ウリ(どうしたの?スイカちゃん、もう暗いし危ないしとっても寒いし
お家に帰ろうよ! それになんで泣いてるの?)

スイカ(ヒックヒック、カブトムシさんが寒そうにして元気がなかったから、暖かいお家に運んであげようとしたけど、重たくて途中で落っことしてしまったの。・・・・うぇ〜〜ん そしたら 死んじゃったの。うぇ〜〜〜〜ん)

ウリ(・・・・・   え!? そうなの?・・・・・・・・・)
ウリ(でも、スイカちゃん。 きっとカブトムシは冬をもともと越せなし・・・だから、スイカちゃんのせいじゃないよ。
 ・・・・ほら泣かないで。涙を拭いて お家に帰ろうよ。)

手を繋いでウリくんとスイカちゃんはとても寒くて暗い森を
歩いて行きました。

スイカ(そういえば、ウリくん葉っぱが、さっきはなかったわ。
今日はとても寒いから、たくさん持ってきてくれた?)

ウリ(いや。。それが・・・・・・・

言葉に詰まってしまったウリくん。

てくてくと歩いてお家の木の根っこに カブトムシが死んでしまっているのを見ると、またスイカちゃんは泣き出してしまいました。

スイカ(ぅえ〜〜〜ん。私が落としたばっかりに ごめんね カブトムシさん)

ウリ(さあ もう お家に戻ろう!)
泣いているスイカちゃんの手をひいて、ウリくんは
お家に入りました。

お家の中はとてもつめたく寒くなっていました。それに お腹も空いてきました。

スイカ(ゔ〜〜さぶい〜 なんで、落ち葉を拾ってきてくれなかったの?)
スイカちゃんが泣きながらちょっと怒っていいました。

ウリ(それは・・・・ 幼虫がいたんだ・・・その・・・・
カブトムシの幼虫がいて とても寒そうだったから
拾って集めた落ち葉ををかぶせてあげたんだ・・・そしたら すっかり暗くなってしまって・・・・ごめんねスイカちゃん)

ウリ(ねーーお腹が空いたよ。スイカちゃん どんぐりはいつものところにしまってるんだよね?)

スイカ(うん。ヒック あのカブトムシさんの下の土の中よ。)
スイカちゃんはまだちょっと涙声でした。

ウリ(わかった。 とってくるよ。)

ウリ (う〜〜寒い〜〜〜)
ウリくんは木の根っこに横たわったカブトムシを
どけました。

ウリ(よっこらせ。 ああ、こりゃとても重たいよ。スイカちゃんが
木の上のお家まで運ぼうとして落としてしまったのも無理ないよ。さあ、ごはんにしよう。)

とその時!!!!!!

バサバサバサ!!!とものすごい音がしました。

すると ウリくんのすぐ目の前に 大きなフクロウが 飛びかかってきたのです。
どしゃーーーーん 間一髪 フクロウの突進を よけたウリくん

ウリ(ぶばーーーーー〜〜〜〜〜!!! びっくりしたウリくんは、木の裏側に隠れて、隙を見て おもいっきり 木を登って お家に飛び込みました!!!!)

スイカ(どうしたの!!!ウリくん!! ものすごい音がしたけど。

ウリ(ばーばーばーーーぶっくどうが、ぶっくどうがいだだんだ。ばあばばば あぶだがっだ!)

スイカ(なに?ウリくん!!何を言ってるの?)

スイカ(あ!!! ねえウリくん、ほっぺたがが腫れてるわ!!!!!怪我したの???)

ウリ (ゔ〜〜〜 う〜〜 ばっ!!!  )

ぽとっ  ウリくんの口の中から大きなどんぐりの実がおっこちました。

スイカ(わっ!)

スイカちゃんはびっくり。

突然のフクロウに襲われたウリくんの驚いた口の中に たまたまどんぐりが
飛び込んできたようです。

ウリ(フクロウにおそわれたんだ!!! 危なかったよ!!必死にのぼってきたよ!!!
スイカ(よく フクロウから逃げれたね!!! )
スイカちゃんは震えながら言いました。

その日二匹は とても寒いなかくっついて、夜をすごしました。

次の朝、 お家の木のしたにいたカブトムシがいなくなっていることで、2匹は知りました。

昨日たまたま フクロウから逃げれたのは、フクロウの狙いは 横たわったカブトムシだったこと。

それと、どんぐりはお口に入れて運んだほうが 運びやすいことを。

おしまい。

※ ウリくんとスイカちゃんの声 分けて お話してあげてね🎵

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?