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間接法の教え方:英語力編

英語で教えるってどんな感じ?

今回は間接法で教える際に気になる「英語力」について書いてみたいと思います。
「英語で日本語を教える」って結構ハードル高そう。。。私にはちょっと無理。。。おそらく多くの人がそう思ってしまうかもしれません。
私の場合は「なんとかなるだろう」とあまり考えず、勢いで始めてしまいましたが、結論としては「英語は完璧である必要はない」「慣れてくるので大丈夫!」と背中を押したいところです。

どの程度の英語力があれば大丈夫?

もちろん英語力は高いに越したことはないですが、現実的に考えると
「相手の言うことが8割程度理解できること」と
「中学から高校から英語レベルの会話力」
があればなんとかなると思います。

あれ?スピーキング力の方が低くても大丈夫なの?と思われそうですが、
こと日本語教師に関してはそれほど高度なスピーキング力はなくても
問題ないと思います。

あくまで教えるのは「日本語」ですから、ネイティブ並みに話せる必要はありません。
いかにシンプルな英語でポイントを絞って話すかが一番大事です。

実は私もリスニングは割と得意なのですが、それに比べてスピーキングは苦手意識があります。
体調がよくない時は上手く英語が出てこない日もあります。
それでも、優しい生徒さんたちに助けられて日々レッスンができています。また、生徒さんと英語で話すことによって自分の語彙力、英語力強化にもつながっています(一石二鳥かも)
毎日英語を話しているので、レッスンを当初よりも確実に自分の英語力が上がったように思います。

どのように英語を使う?

では、実際にどのようにレッスンを行っているのかちょっとだけご紹介します。
私はレッスン内のウォームアップと指示出し、文法説明、フィードバックは英語でしています。
それ以外の練習のところは日本語でやっています。

このwarm-upと指示出し、文法説明、フィードバックの中でどれが一番難しいでしょうか?
おそらく文法説明だという人が多いと思います。
「英語で文法の説明するの難しくない?」そんな声が聞こえてきそうですが、おそらく思っているよりは難しくないと思います。

なぜなら、げんきには英語での文法説明が載っているし、私の場合、文法項目の説明は予習で予め読んでおいてねとお願いしてあります。
テキストの文法項目の説明部分を見せながら、分かりやすい例文の提示と、注意事項をプラスし、あとは機械練習に入ります。
文法の説明にはあまり時間をかけません。

指示出しに関しては決まり文句があるので、ある程度同じフレーズを使います。げんきの練習問題にも指示が英語で書かれているので、それを読むだけです(そもそも生徒さんの方が読むのが早いわけだし、あまり重要ではないですね)

時々、「これとこれはどう違うの?」と細かいニュアンスを聞かれることがありますが、混同しやすい文型は先に説明するか、違いが分かりやすい例文(これ大事!)を用意しておくことで、混乱は防げると思います。

そして、例えばゼロ初級から始めた場合は、始めのうちはほぼ英語でのレッスンになりますが、課が進むにつれて理解できる単語やフレーズが増えてくるので、習ったあとには日本語で言うように変えていきます。

例えば、げんきの場合、第1課で「~は~です」「何ですか」
第2課で「これ、それ、あれ」が出てくるので、その後は「これは何ですか」と聞くことができます。単語の意味を聞いたり、問題をやってもらう時などに使えます。こうやって自然に日本語の割合を増やしていきます。
このように、既習表現をどうやってレッスン内で使っていくか、いつも考えています。(地味ながらここに醍醐味を感じます)

それから、日本語の文章の意味がつかみにくい時はよく生徒さんから「これってこういう意味?」と英語で聞かれることがあります。実はこれがとても役に立っていて、英語だとこう言うんだなとニュアンス的なものがつかめることが多々あります。

ちょっと話は逸れますが、アメリカの生徒さんは話し好きで思ったことを率直に口に出す人が多く、頭の中で考えていることをそのまま話してくれたりします。これは私にとって彼らの思考回路、つまり英語から日本語に変換する際の考え方をそのまま実況中継してくれているので、いつも「そんな風に考えるんだな~」と思いながら聞いています(笑)

今回は英語を使ったレッスンってどんな感じ?という話をしてみました。
少しイメージが湧いたでしょうか。思っていたより難しくなさそう!と思ってもらえたらうれしいです。

次回は直接法のメリット・デメリットについて話したいと思います。



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