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2024年度 11月8日 第4回レジデントデイ
岐阜大学総合診療科の勉強会の報告です。
岐阜大学総合診療科では当科の総合診療科・家庭医療研修プログラムの専攻医や、岐阜県内総合診療の専攻医を対象に、2か月に1度合同のレジデントデイとして専攻医の仕事をフリーにして平日午後に勉強会をおこなっています。今回はその報告になります。
場所は関中央病院のなんでも相談室を使いました。
症例検討会+レクチャー
はじめは、困難事例を通した症例検討+指導医からのレクチャーを行いました。
以前は指導医からレクチャーとして1つのテーマで講義をすることもしていましたが、最近は症例を通して、参加者でディスカッションを行いながら課題や解決策を考え、その中で関係する総合診療にまつわるフレームワークやTipsを指導医がレクチャーを行うパターンをとっています。その形の方が専攻医が疑問に思ったことを指導できるので時間効率が高いと感じています。
症例は、終末期の患者さんの退院調整にまつわることでした。症例に対して、どういった情報が必要か、今後の対応をどうするか、診察中の自分との向き合い方などを専攻医が意見を出し合いました。そのうえで指導医側からは、自宅退院のための情報収集、カンファレンスのファシリテーションの重要性、コンフリクトマネジメント、アンガーマネジメント、本症例で使用可能な公的扶助などのレクチャーを行いました。
5mD/DBU
続いて今回からの新企画の5 minutes Differential Diagnosis Brush Up(5mD/DBU)。診断のトレーニングの一環で、簡易的な症例提示から鑑別疾患を考えてもらう練習です。
流れは
①数行程度の簡易的な症例提示→鑑別疾患と、取るべき病歴や身体所見について専攻医とディスカッション
②症例にさらなる病歴、身体所見が追加→再度鑑別疾患について専攻医とディスカッション
③症例によってはさらなる情報提示→ディスカッション
です。
5mD/DBUではすごく基本的なところですが、鑑別疾患を考えながら、身体所見や病歴をとるような思考パターンを身に着けること、鑑別疾患の精度を高めることが目的です。簡易的な病歴を聞いた時点で、鑑別疾患の何が上位になるのか、見逃してはいけない鑑別疾患が何なのかを、複数の医師でディスカッションをすることでブラッシュアップしようという企画です。
特に1年目の専攻医の先生の中には、初回の診察⇔鑑別疾患⇔情報収集、身体所見⇔検査と鑑別疾患をもとに行き来しながら検査や身体所見をとるという流れに不慣れな先生もおり、思考パターンを身に着けるのにはよい企画かもしれないと感じました。
総合診療科会議
次の企画は、科の会議。医師として働く以上は何らかの組織に所属して働くことがほとんどです。総合診療医としては、組織の力をどうやって高めて医療を提供するか、つまり組織マネジメントの視点を持っていることが求められます。
その練習のためにも、「岐阜大学 総合診療科」という組織をよりよくしていくためには、何が必要かを、専攻医、指導医とともに考える会議を行っています。会議の詳しい進め方や内容は門外不出なのですが、専攻医には会議を通して組織マネジメントを学んでもらい、それをいずれは自施設でも発揮できるように、ここで練習をしました。
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このように岐阜大学総合診療科では、岐阜県のプライマリケアを担う未来の医師たちを育てていくために、総合診療科・家庭医療の専門研修プログラムを通して専門医の育成を行っています。
岐阜県内の総合診療医を育てて、岐阜県の医療のかたちを変えていくことが私たちの目標です。
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