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2017/12/25 座・カンレキーズ 京都・磔磔

2017/12/25 座・カンレキーズ 京都・磔磔

最近好きなロックミュージシャンのライブに出かけると、あの世とこの世のつなぎ目にいるのかな~と思うことがよくある。

座・カンレキーズの磔磔のライブに出かけた時もそう思った。

12月23日に60歳、還暦になったばかりのDr.kyOnの呼びかけで、還暦を迎えたミュージシャンでバンドを結成した、その名も 座・カンレキーズ。

メンバーは うじきつよし(Vocal,Guitar)、Dr.kyOn(Keyboard,Guitar,Vocal)、. 石川二三夫(Blues Harp,Vocal)、美久月千晴(Bass)、岡地曙裕(Drums)という、子供ばんどにボ・ガンボス、、、知ってる人にはわかる、なんとも贅沢な顔ぶれ。

当日の磔磔の座敷には、普段はなかなか集合できない、この日だから集まれたようなお姉さま方が勢ぞろい。。

この日のライブはたっぷりのカヴァー曲を中心とした選曲。

先輩方が演奏する ロックやブルースのカヴァーの演奏っぷりには、ほんとに笑っちゃうくらいに楽しいし、自然に笑顔になるし お酒も進みます。

Stay with Me♪(Faces)なんかは、ほんとにかゆいところに手が届くような、それそれそこそこ!ていう絶妙のタイミングでギターのイントロが入って来たり、ピアノの音が入ってきたりするし、ほんと、しびれる。

その演奏には、先輩方の、ロックミュージックやブルースミュージックへの大いなる愛を感じてしまい、笑顔にならざるおえないというか、その場が楽しくないわけがないでしょうということです。

ブルースハープを吹く石川不三夫さんが歌うブルースナンバーを聴きながら、そういや何十年も前は、磔磔に来たら奥の座敷に座って、お酒飲んで、たくさんのブルースナンバーのカバーを聴いて、いろんな音楽を教えてもらっていたなあ、と、思い出す、楽しい時期だった。

もちろんそこには石川不三夫さんがハープ吹いてた時もあった。

そう、シュガー・ブルーの来日ライブのあの時の熱気も思い出してた。

欧米のロック、ブルースのカヴァー以外にも、日本のロックナンバーのカヴァーも。

RCサクセションの「スローバラード」のピアノのイントロを聴いて、あ、これ、カバーじゃなくて本物って思ったのは、近年この「スローバラード」をライブで聴くとき、ピアノのイントロはDr.kyOnが弾いてからかな、そうだ 今の私の「スローバラード」はこのピアノが本物の音だな。

うじきさんのヴォーカルは、とても丁寧に、心を込めて、愛情たっぷりに歌ってくれるから、その後ろに聞こえてくる、見えてくる、清志郎の姿と声、私の中でシンクロする。

わ、これ本物、と、改めて。

あっちの世界とこっちの世界の出入り口を作ってくれる演奏と歌、この日は磔磔という場の力もあったかもしれない。

何よりも驚いたのはBo GUMBOS の「夢の中」をうじきさんが歌ってくれたこと。

聴きなれた、Dr.kyOnが弾いてるイントロから歌に入っていったけれど(まさにこれは本物)、最初は私は何が起こってるのか分からないくらいに驚いてしまった。

うじきさんは、先ほどの「スローバラード」を歌う時と同じように、いや京都・磔磔ということもあったからか、それ以上に、ほんとに丁寧に、心をこめて、歌ってくれてた。

この曲のカヴァーは、ボ・ガンボスのベーシスト永井君ヴァージョンはもちろんのこと、YO-king そしてハナレグミ(永積タカシ)のそれぞれのバージョンを聞いてきたけれど、どれも素敵だったのだけれど。

うじきさんの歌う「夢の中」はある意味、初々しいほどで、どこか不器用で素直で、こんなまっすぐなカヴァーは、聴いたことがなかった。

うまく歌おうではなくて、ちゃんと歌おうとしていたように思う。

簡単な言葉で申し訳ないけれど、感動した。

どんとはちゃんとどっかで生きてるよ。

カンレキーズのライブで、還暦のお祝いしに来て、こんなに涙腺が緩くなってしまい、泣いちゃうなどとは、思いもよらなかった。

しかも、この曲の後の記憶はあやふやすぎて、文字に起こせない。

とにかく、うじきさんというスターがいる、最後は「サマータイムブルース」に決まってるやろ、といわんがばかりの「サマータイムブルース」は演奏された。

ステージの上でみんなが、あの、ふりをしたのが(フリというのか、なんというのか)もう懐かしいやらうれしいやら。

あの日の磔磔には私の足元に私のタイムトンネルがつながってたような気がする。

高校1年で初めてライブハウスに出かけた、それは、子供ばんど @ 京都のサーカス&サーカス。その後、ボ・ガンボスに出会って、それまでの人生から少し軸がずれた。

還暦を迎えたステージの上のミュージシャン、人生の先輩たちは、本当に楽しげに、大事に演奏してくれてた。

磔磔の歴史、京都でブルースやロックが演奏されてきた歴史、自分がここで聴いてきた、みんながここで聞いてきたロックやブルースの音楽の歴史、様々な物語が、私らの足元にしっかりある。

だから、あっちの世界とこっちの世界は その物語が途絶えない限り、途絶えさせない限り、ちゃんと繋がってる。

座・カンレキーズのみなさん、そして座敷でワイワイやったお姉さまの皆様、磔磔のみんな、会えてうれしかったです、ありがとう。

また明日から、がんばります。


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