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5. 片道11時間?!ドイツ東西をローカル路線で珍道中🇩🇪

どうも、友達の一声でエンドレスな電車旅を敢行する大学院生GBです。

今回は弾丸ドイツのローカル電車旅、東のニュルンベルクから、西のデュッセルドルフ、デュースブルクまで、ノンストップ。

事の発端はとある金曜日の昼間。
先週までニュルンベルクを訪れていた日本からの友達が、再び僕らのかつての留学先の街である、北西ドイツのデュースブルクまで移動した。
午前中で在宅ワークを終えた自分は、期末ペーパーでも書こうかとしていたところ、どこかやる気が出ず、友達にそっちはどうだ、と電話をかけた。

俺「暇やわ、そっちはどうなん、元気?」
友「おん、だけど天気悪いわ。あ、〇〇が今日の夜WGでパーティするって。みんな集めるわ、来れる?」
俺「ええなあ、でも鈍行で8-9時間はキツい。」
友「え、どうせ暇やん?電車で期末ペーパー書きーや」
俺「いや、キチィわ」
友「まあそっか。」
俺「…」
心の俺(病み上がりやしさすがにな…。でも楽しそうやな、行かんかっても結局週末だらけて期末ペーパーもやらなそう。歳取ったらこうやって足取り重くなっていくんか…。いや、まだ23歳やぞお前、月末締切の期末ペーパー2つ?どっちも終わってない?……知るか、こういう時に弾丸行くのが学生ちゃうんか、そうやって生きてるんちゃうんか俺は!もしかしてこいつ、俺を試してる?ここで行動することで俺はまだ、自分は若い、心は永遠の18歳やと証明することができる!!)

俺「行くわ、待ってて」
友「ファッ?」

即断。

ちなみに、WGというのはトイレのWCではなく、ドイツでは一般的なWohngemeinschaftの略で、簡単に言うとシェアハウスのようなもの。各々のプライベートな部屋はあるけど、キッチンとお風呂場、トイレや共用ルームを共有しながら暮らす感じ。

日本では一人部屋が一般的だけど、ドイツでは学生のみならず、WGで暮らす人は多い。
ちなみに自分も、WGで3人のルームメイトがいる。みんな三十路を越えていて、仕事をしたりマスター生だったりするので、他の若いワイワイ系のWGと比べると、かなり落ち着いていると思う。

フランクフルトの駅

2024年3月現在で、ドイツには49€チケットという、1度買えば1ヶ月ローカル線(ICE, ECなどの特急を除く)が全国乗り放題のチケットがある。
バイエルン州の学生は、このチケットを毎月29€でお得に買うことができて、特急に乗らない限りは追加料金を払うこともない、超便利だ。

もちろん、誰が9時間も座れる保証のないローカル線を乗り継ぎたいのかわからないが、俺は乗ってしまった。

予定通りいけば、23時までには着く。そう友達には伝えた。乗り換えは5回、所要時間はアプリでは7時間40分とある。これはあくまで全て順調に行けば、の話。
ドイツの鉄道Deutsche Bahn(DB)は遅刻常習犯ということで世界的にも有名だ。
単純に乗り継ぎの成功率を50%だと仮定すると、時間どおりに着く確率はわずか32分の1、約3.1%。
果たして、無事に到着するのか…!

車窓越しに見えるライン川

Nürnberg(ニュルンベルク)を発ち、Bamberg(バンベルク)で乗り換え、Frankfurt(フランクフルト)近くのHanau(ハナオ)で乗り換え、Koblenz(コブレンツ)、そしてお馴染みのKöln(ケルン)、Düsseldorf(デュッセルドルフ)を経て目的地のDuisburg(デュースブルク)へ。

最終的に、行き道に要した時間はなんと11時間。

Hanauで乗り換えた際に電車がキャンセルされ、1時間ほど立ち往生、ここまではまだ耐えた。ひどかったのはコブレンツ、ケルン間で電車が途中停車して以降、目的地まで全部の電車で遅延したこと。

コブレンツはRheinland-Pfalz(ラインラント・ファルツ)州で、ケルン以降はNordrhein-Westfalen(ノルトライン・ヴェストファーレン)州(俗にNRW)、このNRWの電車がほんとにひどいこと。
学部留学時も、NRW内での移動で遅延はもはや毎回のこと。でも今回マスターでバイエルン州に住んでいると、遅延はあれど頻度はそんなに高くない。久しぶりのNRW、早速歓迎してくれるやん。

ケルン近くでしばらく停車した際は、車掌さんが「タバコ吸いたい人たちはドアから外に出てね、また出発する時に声かけるよ」なんて、相変わらず気楽だなドイツの電車は。

ドイツ鉄道は、ドイツに留学する学生全員が通る登竜門とでも言おうか。
日本の都市圏では、乗り違えたり遅延しても10-20分で復帰できることが大半だ。
ドイツでは、1度間違いがあれば30-60分、2時間も無駄にすることは稀じゃない。時間どおりに乗っても、長い間停車したり、何もない駅で降ろされたりすることもある。

それでも慣れてくれば、予定通りに行かないことに腹を立てなくなる、予定変更に寛大になれる、そして時間にルーズになる!
これがドイツ留学でみんなが取得する特殊能力だ。

22:36を予定した到着時間は最終的に夜中の1:21。みんながいるバーに着いたのは1:45。
家を出てからドアtoドアで11時間も掛かった。10人集まった友達もみんな帰ってしまった。
それでも3人ほど、自分を待ってくれていた。
なんと心温まる、3時間遅れても待っていてくれた彼らは、一生をかけて大切にしたい友達。

翌日、土曜日はデュッセルドルフを練り歩いて、そして一時期、バイトをさせてもらっていた日本食ラーメン屋さんへ。後から知ったけど、この日はどうやら歌手のAdoさんがデュッセルでライブに来てたらしい。どおりで街にすごい数の観光客がいたし、電車も遅延したわけだ。

駅の工事はずっと続く

やっと着いた目的地のデュースブルク駅は改修工事中、2年前僕らが留学していた時に始まった。おそらく自分が30歳を超えても終わらないだろう。

街もどこか臭うし、たばこの吸殻もその辺にめっちゃ落ちてるし、ホームレスもうろちょろしてるし、絶対バイエルンのほうが街は綺麗やけど、それでもここは懐かしい。
みんなとの思い出が詰まった場所。頭で何も考えずに、自然と出てくる言葉で何時間でも話せる、そんな友達がたくさんいる場所。

日本食ラーメン屋さんのベジ餃子

久しぶりに顔を合わせることができて、カフェや学生寮、夜の道を歩きながらひたすら当時のこと、これからのことを語り明かした時間。

突発的に思い立った旅、自分はまだ動ける、まだ若い、そんなことを証明するためだけに出発した旅。外から見たらなんてバカらしい、それでも、大切な友達にまた会えた、自分が思っていたと同じくらい、あるいはそれ以上に、みんなも思ってくれていた、待ってくれていた。

交換留学は1年だけだったけど、そこで出来た友達との交流はずっと続いていく。

そう、俺の交換留学はまだまだ終わらない。


みんな、ありがとう。

車窓からライン川

コブレンツ周辺、ライン川沿いを走る電車、この付近を走って見える景色がドイツ電車旅の醍醐味。天気のいい日はさらに景色もいい。

ハイデルベルク付近のライン川
帰り道。

早く帰りたい時は、上の電車を選んでしまいがち、それでも行き道から学んだ。乗り換えが多いと、上手く行かないリスクの方が多い。少し時間がかかっても、大きい駅を通る、乗り換えが少ないルートを選ぶべし。
今現在19:30、ここまで予定通り、果たして遅延なく帰れるのか…。

またお楽しみに。
それではまた、

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