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6. 海外留学生と正規学生の違いってなんだろう

前回の投稿から早2ヶ月も過ぎてしました。時が経つのは早いもので、3月末には怒涛の勢いで期末ペーパーを無理やり終わらせたと思えば、2週間後には新しい学期が始まり、新しい出会いや新しい授業ルーティンに適応しながら、祝日だらけの5月が過ぎ去り、もう6月になります。

小さい頃漫画で、のび太がドラえもんに、「6月は祝日が1日もないから嫌いだ」と言うシーンをなんとなく覚えていて、日本では五月病だとか言うこともありますが、僕にとっては雨季で祝日もない6月がのび太と同じくとても嫌いです。

Stammtisch

さて、今回はドイツにいる日本人留学生と正規学生について。
現在ドイツでDegreeを取得するために正規学生として大学院に通っている自分。大学には日本からの留学生もいて、毎週1回Stammtisch(スタムティッシュ)という、日本語を学んでいる現地の学生たちと、ドイツ語を学んでいる日本人の学生たちがバーでくっちゃべるという集まりがあり、たまに顔を出す。

ここに集まる人の多くは、Japanologyという日本学に特化した学部で学ぶドイツ人達と、そこに交換留学で来る日本人という構図だが、たまに自分みたいに、どちらにも属さないハミ出し者がいる。

留学生の子たちには、生活のサポートをしてくれるドイツ人とのバディプログラムがあったり、同じ学生寮に住んでいたりと、既にコミュニティやグループが出来上がっていて、その輪に入っていくというのは、最初は少し勇気が必要だった。

特に去年の冬は、ドイツに来たばかりで、2年前の留学時代の日々を思い出しながら、またあの時のような仲間とめぐり会えたらいいなとか、内心ウキウキしながら行ったが、全く馴染めなくて、自分はもう留学生じゃないんだという事実を痛感しながら帰った覚えがある。

その後も冬は何回か参加したが、やはり留学生は授業も少なく、遊ぶ時間が沢山あって、ドイツ人とバーで話す内容も決まって「どこの国、どこの街に旅行したんだ」あるいは「今度どこそこに行くんだよ」といったテーマがほとんど。

とても「マスターの予習復習がすごく大変なんだ、愚痴らせてくれ」なんてこぼせるわけもない。ただただ、自分の留学時代を振り返って、当時を一緒に過ごした仲間との時間を、ひたすら懐かしく感じるとともに、居場所のないアウェー感を思い知らされるわけだ。

かつてのように輝かしく楽しかった留学生活、もちろん大学院生活はそんなに甘くない。分かってはいても、どこかあの時の楽しさをまた期待してドイツに来ていたところもあった。現実を見たというところだろうか。

それでも4月からまた、新しい留学生も増え、心機一転通っている。新しく来た人達は、みんな立場も関係なく、色んなことを聞いてくれて、日本での就活とか、卒論とか、今のマスターのプログラムであったり、仕事のことであったり、先輩ってわけではないが、話せることは沢山あるので、相手にとっても、良い時間になったらいいなあとつくづく思う。
ドイツ人の学生たちとも、紙とペンを取り出して、漢字を書きながら遊んだり、サッカーの話をしたり。

そんな中に1人、自分と同じように、正規学生として長い間ドイツにいる女の子がいる。学部は違うけど、年齢が一緒で、地元も近くて、やっぱりどこか話が合う。
自分以外にも、そんな人がいたんだ。自分もまだ少し馴染めてない感じは否めないが、毎回行く度にその子がいると、少し安心するのはここだけの話にしておこう。

2年前、留学生だった時

今思い返せば、当時はオミクロン株の流行で最初の半年こそ苦労したが、それでも1€=約130円の時代。さらには大学から頂いた100万円の奨学金、挙句には現地で2学期目に始めたラーメン屋でのバイトで、スペイン、イタリア、クロアチア、デンマーク、スイス、ドイツ国内と、ひたすら旅行しまくって、財布は開きっぱなしだった。

最初は7€で1000円だからそれを超えないように、と節制していたが、気づいたら10€になり、15€払っても普通だ、20€超えてもたまにはいいやろ、30€いってもまあええやん、こんな具合に日本円で考えることもなくなる。ユーロもドルも、日本円より桁が2つ少ないので、つい少なく見えてしまう。危険だ。

これだけ見ると、まるで留学生は後先考えずひたすら遊べるのか、と思える。
もちろんそういうわけではなくて、授業も受けるし、それこそ語学の勉強も沢山する。ただ正規生や在留の人に比べると、圧倒的に自由時間が多くて、クリエイティブな活動が出来る。

自分がいた頃の留学生グループには、それこそスカッシュのクラブに参加して交友を広めたり、ヨガやピラティスにハマったりしてフィットネスに没頭していた人たちや、毎週末必ず旅行に行ってて、ほとんど顔を見せないといったような旅行強者もいた。会う度に、2-3ヶ国行った話を聞かせてくれる、どこにそんなお金があるのか。ただ、キャンパスの中よりも必然的に出会いも増えるし、自分の目で見て、肌で感じるヨーロッパ旅行というのは、それだけでも人生にとってプラスな経験になる。

大学院生としての今

今の自分はというと、マスターの授業時間は週15時間ほどで、決して多くない。それでも文化人類学の分野なので、予習で読んでくる論文の量がハンパじゃなくて、週末で10時間くらいがあっという間に消えてしまう。

加えてドイツ語はB2.1のレベルをとっていて、週4時間。3月からは、ドイツのとある企業でWorking Studentというポジションで週15-20時間ほど、電気産業の翻訳やマーケティングのお仕事をさせてもらっている。さらに、趣味の筋トレは2日に1回のペース、週に大体10時間以上、ジムで暮らしている。

こう数字化して見てみると、まぁジムは自由時間という風に捉えてみても、拘束時間が長くて、忙しくて、とても充実してるけど、どこかむず痒くなる時もある。

なので、今の留学生の子達の話を聞いていると、まさに2年前の自分を見ているようで、ほんとに羨ましくて、でもどこか嬉しい気持ちになる。

交換留学というのは自分にとって、それだけ一生もので、かけがえのない時間だったんだと再認識できるし、そんな経験が出来たこと、当時のみんなに感謝の気持ちが溢れてくる。

先月24歳になった自分、留学生の子たちと2-3歳しか変わらないけど、定期的にStammtischで話すことで、彼らから活力に溢れたエネルギーを、もらいに行こう。

ここで1曲


今夜のリクエストは、そんな当時を共に過ごした留学時代の友達、そして今ドイツで勉強している日本人の学生のみなさんへ、
Phillip Phillipsで "Gone, Gone, Gone" です。

是非、聴いてみてね

もちろんここでは流せないけど。
この曲は、映画 [The Amazing Spider-man 2]の作中で、主人公のピーターが彼女グウェンと別れて、しばらく塞ぎ込むところがある。その中でも父親の遺した鞄を頼りに、自身のルーツ、スパイダーの力の秘密を探っていく場面で流れる曲。

当時、自分が留学してから3ヶ月ほどたったクリスマスの時期、初めての海外生活も慣れて、ドイツ人の友達も沢山できて、楽しい時期だったけど、クリスマスと新年の休暇で、ルームメイトも含め、親しかった友達がみんな家族に会いに実家に帰省してしまった時期があった。

そして誰もいなくなった…、なんてことはなくて、街に残ったみんなでクリスマスパーティみたいなこともした。それでも、やっぱりどこか虚しいというか、寂しい気持ちというのがあって、そんな時に観たこの映画と、この曲が、とても自分の心情にマッチしていて、何度もリピートして、聴いていたのを覚えている。

みなさんも是非この曲を聴きながら、昔の頃に思いを馳せてみたり、明日への活力にしてもらって、また、今まさに美しい時間を過ごしているみなさんも、'I'll love you long after you're gone' という文章の意味をよく噛み砕いて、今を楽しんで、精一杯生きてほしい、そう思います。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。
それでは、また次回

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