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2. プラハの地下で生きるジャズバー【チェコ旅1】

こんにちは、旅先でも期末ペーパーに追われる大学院生GBです。

3月初旬に3泊4日、チェコの首都プラハに友達と旅行に行った記録です。


チェコ・プラハと言えば芸術の街、音楽で言えばスメタナやドヴォルザーク、文才フランツ・カフカの出身地で、オペラやバレエなどのクラシック音楽の都と呼ばれることで有名な街🇨🇿

がしかし、この日男3人が夜に向かったのは、地下でひそかに行われるJazz Musicのライブだった。

1つ目に向かったのはAghaRTA Jazz Club
この臨場感がいいスタジオ

学部時代に1度北ドイツのハンブルクでバックパック旅をした際に訪れた以来のJazz Barでしたが、友人の1人が音楽が好きなのもあり、入ってみた。
この日は来るのが遅くて終わりの2曲しか聴けなかったけど、やっぱり生の演奏はいい。

最初は大きいと思った音量も慣れてくると良い具合に耳に響く、30人ほどのオーディエンスに3人の演奏、ゆっくり歩き回るバーテンダー、外から切り離された地下で生み出される独特な空間が何とも心地よい…。

すっかりジャズの気分に染まって、明日も行こうぜ!と再び最後の夜も参戦、しかしこの日は既に開場から席が埋まってしまっていて、なくなく別のジャズバーへ。

最後の夜に向かったのはJazz Club UNGELT

ここも予約席多かったけど、優しい店主の計らいで何とか中に入れることに。
3曲目らへんで、恐らく修学旅行中?の高校生の若い衆が先生たちと共に来場し、いつしか会場はパンパン。今回は70-80人くらい会場にいたんじゃないだろうか。

ちなみに入場料は学生割引で200CZK(コルナ)、日本円で約1,270円(8€)一般は300CZK、ドイツのジャズバーは入場が12-15€ほどするので超お得。プラスでビールやティーなどそれぞれのドリンクをオーダーして着席🍺

今回のセッションは7曲(+アンコール1曲)、21:00スタートから途中15分くらいの休憩があって、23:20ごろに終了。ボーカル兼ピアノの人が各所で曲紹介をしてくれて、ジョークも入れつつ掴みは毎回バッチリ。いつもチェコ語で話した後に英語で説明してくれて、観客側とのコミュニケーションもしっかり取ってくれた。

A cold cup, I got my mojo working, I got what I wished for, What are you など、エレキ、ピアノ、ドラムの3人組の演奏が続く。

中でも特に印象に残っているのは、ボーカルの彼本人が、奥さんのために作詞作曲したオリジナル曲、"This world is not kind to kind ones" というもので、直訳すれば「この世界は親切な人に親切じゃない」という意味で、奥さんはレストランのウエイターとして働く日々で、お店が忙しい時には懸命に客を捌き、残業しても笑顔で最後まで接客する。そんな彼女に、お客は「ありがとう」「お疲れ様」「頑張ってるね」の一言もかけない。ただ無常に、お金を払ってでていく。そんな親切な妻に、この世の中はなんて冷たいんだ、そんな嘆きの想いを込めて書いたそうだ。

妻を想い、その苦労を労い、詩に書いて、音楽にする、そしてみんなの前で披露し演奏する、なんて素晴らしい創作活動なんだろう。これがプラハ、これがジャズ、良い、とても良い。

5曲目には多分ドラマーの娘さん?らしき女性がゲストで舞台へ。妖艶な衣装とルックスとは裏腹に繰り出されたハスキーな低音ボイスは、一瞬会場の時が止まった様に感じ、そして心地よいハイトーンと、高校生の青年たちを含めた会場の盛り上がりはピークに。もちろん、我ら男衆のテンションもぶち上がりのアゲアゲ。

踊り出すお2人

ボーカルの人が、「誰かと手を繋いだり、ハグをしたり、ダンスをするならこの曲ですよ」なんて言うもんだから、踊り出す学生2人にみんな拍手喝采。

ジャズやカントリーミュージックと言えば、おじさんの音楽というようなイメージがどこかであるかもしれないけれど、このUngeltに集まったお客さんは60-70代の老夫婦から10代の若い世代、そして音楽が好きで、演奏中は各々リズムを取りながら、終わると拍手やアンコールで一体となって会場を盛り上げる。

最初の会場が満席じゃなかったら、他のジャズバーを見つけていたら、部屋でビールを飲んで遅れていたら、きっと出会えなかったであろうこの夜のジャズライブ。
あの時、あの場所で集まった、そこに居た人達の記憶の中で、ずっと生き続ける、そんな最高のセッションだったのかな、なんて思ったり。

期待値は高くなかったのに、終わってみれば最高のジャズナイト、旅の締め括りにはこれ以上ないライブになったのは間違いない。

ライブの残り香…良い。

横を退場していくボーカルの人に、"Arigato!" 声をかけると、"What to reply when people say Arigato to me?" と聞かれ、「どういたしまして」が良いよと。帰り道で、「こちらこそ」のほうが簡単で覚えやすいかな?なんて3人で議論しながら歩いたのもまた一興。ドイツに帰ってもまたジャズバーに訪れたくなった。新しい趣味が増えそう🇩🇪

長々と読んで頂きありがとうございます。
それではまた〜

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