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【台湾視察記②】デジタルバンクから、どこへ?
行元@Taipeiです。
台湾・タイ・日本3か国で活動を続けているトヨタ財団国際助成プログラムの一環で、コーディネーターのHila プロジェクト参加学生2人ヤス、みずきでフィールドワークに来ています。
アナログを代表する私からは、3日目(6/7)の台湾を代表するデジタルバンク2行視察の様子とタイトルに込めた想いをお届けします。
1日目と2日目の活動の様子(ヤス)
🌱3か国プログラムでの視察の目的:
・クロスボーダーで、学び合い挑戦する仲間たちと、ASIA全体でのImpactを睨み、それぞれの持ち場で個人が小さな1歩からActionすること
・国外からの視点を通じ、クリティカルに日本のエコシステムや現状を眺めた上で、社会へのインパクトを基軸にした学生×企業人でしかできない循環を描ききること
・実現に向け、自分のLOCALで一緒にプロセスし歩むことができる環境づくり/人材育成のしくみ化を試行錯誤し続けること
■台新銀行(Taishin Bank)訪問
1992年創業、約30年で業界TOP3の(月次10万回の取引回数/500万人の顧客)規模を誇る台新銀行のデジタルバンキングに特化した施設に訪問しました。
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①新たなテクノロジーを体感するスペース、②未来の店舗やデジタルライフスタイルを体感できるスペースに分かれ、前者は、開発段階のものもあり撮影などの制約もあり関係者のみが入れるスペースとなっています。NECをはじめとする多くの企業からの協賛、商業施設・食・交通インフラなど未来の消費やくらしを巡るエコシステムを睨み構築された体制で協働開発が進んでいました。
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Face IDを体感、顔認証の決済(3D payment)、ライフスタイルを取り巻くすべての消費行動や取引記録まで詳細に分析・記録した個人情報をすべてを一元化し蓄積するデータベース化等を体験しました。このパートは撮影禁止だったので残念ですが、不正取引・トラブル発生時のカスタマーサポート対応体制は十分だといいます。
台新銀行のイメージカラーのVividな赤は、女性をターゲットにしているという強いメッセージだそう。SPAやショッピングでの利用シーンを想定、ポイントではもはやインセンティブにならずキャッシュバックが主流となっているそうです。若者へも広くreach outしているそうです。この犬のキャラクターの名前はリチャード。かわいい顔してやり手です。
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次に、パブリックに開かれている未来のライフスタイルを体感するエリアに。ここではATMのこれからやVR、未来の支店を体感できます。
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現状店舗数は101。3800台のATMの機能は次々とグレードアップされもはやこれから支店の役割を果たしていくことを見据えているといいます。また、ATMには不要な小銭を入れると即Appにチャージされる機能が!日本の銀行で、両替にお金がかかるシステムは台湾では理解されないとのことでした。
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そして女性が座るこのスペースでは、VRヘッドセットを装着すると、旅のプランのシュミレーション、家具、日用品にいたるまで手に取ることができ、支払いは顔認証決済でワンタッチで購入する様子がデモンストレーションされました。感想は後ほど述べますが、支店もバーチャルに訪問可能です。この家のような空間は自宅から支店につなぐことができる体験をしてもらうための設えなのです。
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Coreyが率いるDOMIは台新銀行と5年目のコラボレーションを継続し、これまで100万人(従業員の家族含む)が植林のprogramに参加して学びと地域へのインパクトを深めているそうです。
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次に、O-bankへ!
■O-bank 本社訪問
1999 年に産業銀行として創設された O-bank。台湾全土で 40 の金融機関がひしめき合う中、 2017 年にデジタルバンクに軸足を移した商業銀行/リテールバンクである O-Bank へと進化。同年 10 月に銀行業としてアジアで最初に B-corp 認証*を取得。金融包摂を掲げ、従来の金融機関が重視していなかった若者に焦点をあてたデジタルバンキングサービスを展開。20-45 歳が顧客の 8 割を占めています。Artist を積極的に支援し、本社でも至る所に現代アートが飾られ、美術館のようなエントランスが。ATMをもたない、MIssion forcusの取り組みが体現されている空間が広がっていました。
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こうして、リアルに価値を視覚化して差別化・存在価値を訴求しつつ様々なサービスを展開するO-bank。ソフトや人材育成の側面についてスポークスマンのOpheliaさんからお話を伺いました。
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ASIA初のB-corp取得BANK
O-bankは、2017 年 10 月に銀行業としてアジアで最初に B-corp 認証*を取得。台湾に本格参入してきた LINE や楽天系の金融サービスとは、デジタルリテールバンクとしての競争が激化しているが、B-Corp 取得により"Business As A Force For Good"(ビジネスを社会をよりよいものに変える力として行う)という理念を顧客と共有し、信頼と価値創造につながっていると話されました。なによりも社会的企業としての覚悟とメッセージであると語り、マイクロクレジットの普及や取引が促すGXなど、顧客とともに社会へのインパクトを創出し、どのように社会や顧客に貢献できるか?ということを強く強調されていました。
*B-corp(ビーコープ)認証
米国ペンシルバニア州に本拠を置く非営利団体の B Lab が運営している認証制度。環境、社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性など B Lab の掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証。現在、全世界約 90 ヵ国160の産業で、6300社の企業が業種・地域・規模別に厳正なプロセスを経て認証を取得。外部環境の変化によりクリアする基準が変わるため3 年ごとにアップデートされ、UN(国連)との協議で SDGs にかかる項目を追加。 5 つのカテゴリー(①ガバナンス、②環境、③従業員、④顧客、⑤コミュニティ)で 200 を超える質問に答え、その後 3~5 回のインタビューを経てエビデンスも提示するプロセス自身に価値がありその中でソーシャルな知見を深めている。代表的な取得企業には「パタゴニア」「ダノン」「illy caffe」「ザ ガーディアン」「Aesop」「クロエ」など
Tina Lo氏(Chairman)の登場
現在、家族とアメリカで滞在とのことでお話を伺うことを諦めていたところ重要な会議とあわせてこの日のために帰国してくださいました。彼女のエネルギーは、すさまじい。誰もが「この人についていきたい」と思わせる不思議なパワーと魅力を持っている人でした。来訪した私たちはもちろん、同席した若い従業員をもリラックスさせるユーモアを持ち合わせ、場を和ませながらも、タイからのゲストへの熱心な質問、日本の農家や若者を巡る動向への関心をベースにした対話を重ねる時間を過ごしました。些細なやり取りや気配りから、その組織の文化を感じる瞬間が沢山あり本当に学ぶことが大でした。
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台湾の金融業界を巡る動向
※ここは素人なのでお手柔らかにお願いします。情報改訂していきます
消費者行動のデジタル化に応えると同時に金融サービスのイノベーションを促進するため、台湾政府は金融業のデジタル化を推進。2019年7月末にインターネット専業銀行(略称:ネット銀行)の開業許可が発行されたそうです。新しい金融サービス業態により体質変化活性化が期待され、前述のとおりここ数年で、LINE銀行や楽天銀行も台湾へ進出。更にコロナも相まって、金融業界は更に競争率が高まったそうです。CITY BANKはシンガポールのDBSに吸収され、現在40近くの銀行がひしめき合う状況。デジタルバンクが目指しているものはデジタル技術を活用して、銀行に関わる全てのサービスをアプリ上などで完結ができること。昨今の楽天銀行やソニー銀行などのネット銀行も、多くが金融サービスなどをアプリ上で提供していますが結局は支店にいかないとできないことも沢山。つまり現実世界で銀行に行き、その場で行えるサービスの全てをアプリ上などで完結できるようになった際に、デジタルバンクと呼ばれる。では、色んなサービスの中でどのように選ぶのか?
2行が提供する価値
ここで、自問自答をする。もちろんライフステージやプライオリティによって変わる。
「台新銀行、O-bankどちらの銀行を使いたいだろうか?」
「それはなぜ?」
「どちらの銀行とかかわると、社会や自分の時間の質があがるのか?」
タイトルに込めた想いとこれから
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私は昭和に生まれてよかった。平成、令和の世代や感覚をお互いが理解をしあいながら繋いでいく必要性を感じている。なぜならデジタルをわからない怖いと思う気持ちと、すごいと純粋に思う気持ちや困っていた人/必要だったものが生み出されて豊かになる感覚も両方持っているから。
タイムリーに、appleが新たなヘッドセットがリリースされた。
AR/VR市場は大きな転換期になると言われる中で、技術革新がもたらす社会や人々の消費行動の変容がこの訪問を通じてより現実性をもって手に取るように想像することができた。
一度、便利になると戻れない。という。その便利さにも質があり、決して悪ではない。
便利さがもたらす有意義な時間、同時に失われる産業(変容を遂げる産業)等、あらゆる物事にはいくつもの側面がある。そして影響ははかり知れない。
私自身は、自分の消費というアクションが何につながっていくのかに眼を開き出来る限りフィロソフィーや人間性を感じられるものを使いたい。
遠方や高齢で買い物が難しい方や今までの仕組みだと働きにくかった人に広くデジタル技術の活用がなされ機会が開かれる未来をみたい。前者の銀行訪問では、女性や若者に必要以上の消費を促し続ける仕組みにシンプルに怖さを覚えた。既存のまちの営み、ローカルの商店のエコシステムがただただ心配になった。ObankのARTやGREENを表層ではなく、心から推進する姿勢とその証としてのBcorp取得のコントラストが胸に響いた。
ATMを持たないデジタルバンクでわたされたのはなんとこの鉛筆だった。
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日本人は、NOが言えない。
優しいと言われる。コンフリクトを嫌う。相手の気持ちが分かる。NOじゃない方法でどうにか、なんとか進めるかを探す。
でも、それで本当に大切なものが大切にできるだろうか?
Acerをはじめハードウェアが台湾を代表する産業が存在し、オードリータンのような才能がIT大臣を務めていた柔らかな風土、だからこそ率先して次々と推進されていく国や民間の取組、サービス。この数か月前に、過度の個人の情報開示や行き過ぎた便利さがもたらす未来にアレルギー反応を表した市民と対話しデジタルIDの推進に立ち止まった。そもそも、Web3・匿名性を担保しながらこれから取引がされることがベースとなるのになぜIDが必要なのか?という議論まででているという。
私たちは立ち止まり、倫理観なき発展にはNOと言うことを学べるのではないだろうか?大切なものを守るために。
どこにいくかはYESよりも、もはや私たちのNOにかかっている。
📷photoes
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つづいてみずき!Day4 視察記③に続きます
参考記事:
Think Again-The Power of Knowing What You Don't Know-