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【EVENT REPORT】2023年度 学生×企業連携プロジェクト成果報告会
こんにちは。インターン生のみぞです🐶
今回は、3/15(金)に開催された「2023年度 学生×企業連携プロジェクト(地域企業と連携した次代の京都の担い手育成事業※) 成果報告会」の様子をお届けします。
この事業は、学生が京都の地域企業への現場訪問や課題解決を通して、就活前の早い段階から様々な分野の地域企業と出会い、関心を持つ場づくりを通じ、次代の京都の担い手をはぐくむきっかけづくりを目的としています。
当日は、プロジェクトの成果報告だけにとどまらず、パネルディスカッションやトークセッション(ワークショップ)も実施され、学生・社会人など多世代が集まり交流する報告会となりました🌱
「京都」「学生」「働く」といったキーワードに興味のある皆さん、ぜひ最後までお読みください👀
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〇開会挨拶
まずは開会挨拶として、
京都市総合企画局 総合政策室 大学政策担当 留学生支援・大学連携推進担当課長/川本 一範 様
より、ビデオメッセージをいただきました。
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【開会挨拶より一部抜粋】
本日はお越しいただき、ありがとうございます。「地域企業と連携した次代の京都の担い手育成事業」とは、わかりやすく言うと、京都の学生の皆さんに、京都にある多様な地域企業の魅力・強みに早い段階で触れてもらうことを目標に実施している事業です。
「働く」についての多様な価値観がある昨今、こうした取り組みを通じて京都の企業の魅力・考え方を知ることで、学生の皆さんの視野を広げ、経験を積むことにつながればと思います。また、企業のみなさんにおかれましては、学生の考えに触れることにより、今後の企業戦略を考える一助になればと思います。
本日は学生からの発表やワークショップを通じて意見を交わし、今後の学生の活動・学びに資することを心より祈念しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
〇実績・活動報告
続いて、グローカルセンター三谷より、今年度「地域企業と連携した次代の京都の担い手育成事業」の実績・活動報告を行いました。
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この事業では、大学1~2年生の早い段階から地域企業との接点を持ち、学外の活動を通して成長する機会を提供しています。また、大学で実施されるプロジェクトとの相違点として、多大学・多学部・多学年の学生が集まってチームになり、それぞれが持つ多様な視点を課題解決に活かすことができるという部分が挙げられます。
〇長期プロジェクト成果報告
続いて、学生による長期プロジェクトの成果報告が行われました。当日報告したプロジェクトチームは下記の2チームです。
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▼「内機帯地」西陣織魅力発信プロジェクト
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吉村織物株式会社と連携して実施したこのプロジェクトでは、学生がリサーチを通して知った業界特有の現状と課題、西陣織や依頼企業が持つ魅力を踏まえ、新たな企業認知拡大のためのリーフレット・インタビュー記事の作成、着物を着る機会(イベント)の提供といった解決策を提案しました。
プロジェクト終了後、参加学生が自主的に行った西陣織職人へのインタビュー・記事化を通して、改めて西陣織の魅力を強く感じたそうです。
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▼将来世代と服の未来を考える~将・服・万・来プロジェクト~
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京都のアパレル3社(株式会社ヒューマンフォーラム・株式会社アーバンリサーチ・株式会社京都紋付)と連携して実施したこのプロジェクトでは、連携先3社のリソースを活用し、4月7日(日)に開催された循環フェスにおける出店を企画しました。世の中の影のような存在の"古着"にスポットを当てた「影-You-」をテーマとしたこの企画は、古着の愛を広めることをコンセプトとして「染め替え」「フィッティングルーム」「古着ガチャ」「ファッションスナップ」などを提案しました。
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学生たちが企画した店舗は、実際に4月7日(日)循環フェスにて実現されました。多くの方にご来場いただき、初出店にも関わらず大盛況でした。ご協力いただいた企業様ありがとうございました。
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〇パネルディスカッション
続いて、パネルディスカッションに移りました。パネリストとして、当日にプロジェクト報告を行った2チームからそれぞれ学生が参加しました✨
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▼パネリスト紹介
【パネリスト】
株式会社ツナグム代表取締役 聴き手
田村 篤史 氏
京都光華女子大学健康科学部医療福祉学科社会福祉専攻 講師
千葉 晃央 氏
同志社大学 (西陣織魅力発信プロジェクト参加学生)
嶽 公輔 さん
京都女子大学(将・服・万・来プロジェクト参加学生)
西村 妃委那 さん
【モデレーター】
認定NPO法人グローカル人材開発センター
三谷 翔 氏
パネリストの皆さんに関する詳細はコチラのページよりご覧ください👀
▼「これから求められる人材とは?」
パネルディスカッションでは「これから求められる人材とは?」をテーマとしてパネリストの皆さんにお話しいただきました。パネリストそれぞれの様立場から異なる視点・考え方でテーマについて話される密度の高い時間となりました。
【話された内容まとめ】
「プロジェクトに参加して知った京都企業の魅力」という話題からパネルディスカッションがスタートし、続いて「京都で働きたいと思うかどうか」という話題に移りました。
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👨💼田村氏:学生のお二人は、京都で働きたいと思いますか?また、プロジェクトを通してアルバイトとは違う「働く」ことを知って、働くことについてどんなイメージを持ちましたか?
👩🎓西村さん:ずっと京都に暮らしているので、社会人になるタイミングで京都を出ようと考えていますが、いずれ京都に戻ってきたいと思います。
「働くこと」については、大学2回生の後期に企業さんとのコンペに参加させてもらったときに、いい結果も悪い結果ももちろんあって、漠然と就職が怖くなったことを覚えています。学生の取り組みでこんなにプレッシャーを感じるのに、社会人になって働き続ければ部下も責任もどんどん増えていくんだろうな、と想像すると、とても怖いなと思いました。ですが、イベントやプロジェクトへの参加を通して「働く」ことを前向きに捉えられるようになりました。アイデアがたくさん出てきたり、チームで白熱した議論をしたりできて、この調子なら仕事も楽しめるかも!とワクワクしています。
👨🎓嶽さん:今後は大学院進学を予定しているので、将来どこで働くかは決めていません。京都に自分の活躍の場があるのであれば京都に残りたいなとは思っています。22年間京都にいて、いい所も悪い所も知っているからこその愛着があります。
「働くこと」については、自分の中に「働きたい僕」と「働きたくない僕」がいます。「社会人はしんどい」「遊べる時間はなくなるよ」などと言われると働きたくないなと思ってしまいます。ですが、QUESTIONという場所での人との関わりやプロジェクトへの参加を通して、やりがいをもっている大人・何歳になってもチャレンジする大人がいると知ることが出来ました。そういう大人を見ると「自分も働きたい!」「働くかっこいい大人になりたい!」と思います。
🧑三谷氏:では、かっこいい大人ってどんな大人だと思いますか?
私は、未来のことを考えて失敗を恐れずチャレンジしている人や、「後始末はするからなんでもチャレンジしてみて!」と若者に言える大人はかっこいいなと思います。「自分は若者の背中を押せているのか?」と自分に問いかけながら、若者から「頼れる大人」だと思ってもらえるよう行動することを意識しています。
👨💼田村氏:社会的に成功しているだとか、その人の肩書きの「かっこよさ」とは関係なく、立ち振る舞いが謙虚な人や、学ぼうとする姿勢がある人はかっこいいなと思います。「学生」と「社会人」という肩書きがあると、社会人が学生に教える、という意識を持ってしまいがちですよね。ですが「未来を作っていく」という視点では、未来を生き、未来を作っていくのは学生自身です。社会人として、学生が何を思って何を感じているのか耳を傾けることや、若者と一緒に未来を作っていこうという視点は大切だなと感じています。
👨🏫千葉氏:社会課題に向き合ってるのはかっこいいな〜と思いますよね。加えて、必要な時に自分をピンチに追い込むことができる人はかっこいいなと感じます。私の経験では、自分がピンチになった時に「大丈夫ですか?」「頑張ってくださいね」と声かけてくれる人が周りにいたことが嬉しかったです。誰かがチャレンジしている時・何かを乗り越える時に周りのサポートがあるというのは大事だと思います。なので「チャレンジすること」と「サポートすること」を重ねてできる人は本当にかっこいいなと思います。
🧑三谷氏:私自身、プロジェクトを通して関わる学生を「かっこいいな」と思う瞬間もあり、かっこよさに年齢や肩書きは関係ないのかなと考えています。このパネルディスカッションは「これから求められる人材とは」というテーマで進めていますが、もしかしたら「これから求められる人材」は「かっこいい人」なのかもしれませんね。
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パネルディスカッションの最後は「チャレンジ」に話題が移り、
学生からは「これからチャレンジしたいこと」
社会人からは「チャレンジする学生にひとこと」
を話していただき、パネルディスカッションが締め括られました。
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私(みぞ)が印象に残っているのは、田村さんの「『求められる人材』という言葉に対する違和感」の話題です。「まるで『求められる人材』にならないといけない感じ」「その人の本当じゃない姿に形を変えてまで『求められる人材』にならないといけないのか」という言葉は衝撃的でした。「求められる人材」という言葉が持つ、ある種の強制力に気付かされたように感じました。
ですが、どんな社会・会社・人にも「こんな人にいてほしい」「こんな人はいやだ」といった漠然とした人物像があることは当たり前だと思います。「これから求められる人材」を議論することは、その人物像の曖昧さを少しでも減らすためのもので、決して無駄なことではないはずです。ここで大切なことは「求められる人材にならないといけない」と強制する・思いこむことではなく、「求められる人材」がどんな人材か見据えた上で、一人一人が「自分のありたい姿」を想像し、自分がなりたい「求められる人材像」を持つことなのではないかと考えました。
〇参加者対話型交流ワークショップ
ワークショップでは、パネルディスカッションで話題に上がった下記の3つのテーマについて、グループに分かれて対話を行いました。
【ワークショップテーマ一覧】
▼京都で働きたいと思うか
▼「働く」についてどう思っているのか
▼かっこいい人とは
みなさんはどのテーマについて話してみたいと思いますか?👀
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▼「かっこいい人とは」
私(みぞ)は「かっこいい人とは」がテーマのグループに参加しました。グループでは、さまざまな視点から「かっこいい人」について話すことができました。その様子の一部をお届けします🎁
【ワークショップで話された内容(一部抜粋)】
Q. 「かっこいい人」と聞いてどんな人を思い浮かべる?
・猪突猛進で真っ直ぐ進める人
・葛藤する人。葛藤がありながらも、自分の軸を大切にできる人
・失敗ができる人
・対等に話そうとする人
などなど…………
Q. じゃあ「かっこよくない人」ってどんな人だろう?
👩🎓学生「幼い時、大人が自分と対等に話してくれない時や、子供扱いされていると感じた時は『かっこよくないな』と思いました。成績や授業態度などの表面的な部分でしか見られていないと感じることもありました。逆に、ちゃんと生徒と向き合って話してくれる先生もいて、そんな人はかっこいいと思います」
👨💼社会人「幼い時は、言葉が難しくてわからないとしても、大人の感情に敏感なのかもしれませんね。関わる大人が家族と学校の先生しかいないからこそ、影響も強く受けると思います」
他にも、社会人の方が話してくださった、失敗した経験(エピソード)をもとに、「失敗した経験は人間としての深みになるのではないか」
「失敗した経験をもとに他の人を助けることに活かせるのではないか」
という話題も盛り上がりました🌲
▼共有タイム
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共有タイムでは、各グループで話された内容をシェアしていただきました。
【「働く」についてどう思っているのか】
「総合職・管理職に就きたい」という学生の相談に「総合職じゃない職でもいいんじゃない?」と話されたのが、目から鱗でした。実際に働いてみて、もし希望の職種じゃなかったとしても会社内で異動できるんだから、自分本位で、行きたい会社の門をノックするのがいいんじゃないかと話しておられました。
【京都で働きたいと思うか】
まずグループのメンバーで「外から見た京都」「ずっと京都にいるからこそわかること」をテーマに話しました。そして「働くこと」に関連して「どういう人と出会いたいか?」という問いについて話し合いました。また、研究で忙しくこのような場に理系学生の参加が少ないという話題から、「忙しいから参加できない」という人がどうやったらこの場に来てくれるのかみんなで考えました。
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その後の感想共有では、
「年齢も立場も違う参加者が集まって話せる時間は貴重だと思います」
「同じ学生同士でも、経験や感じ方はそれぞれ違って面白いと感じました」
「人としての深み・経験を大切にしていきたいです」
という声があがっていました💝
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最後までお読みいただき、ありがとうございます✨
グローカルセンターでは、今後も学生×企業連携プロジェクトを実施してまいります。これからも見守っていただけますと幸いです🍀
※「地域企業と連携した次代の京都の担い手育成事業」とは
グローカルセンターが京都市より受託している事業。企業と連携したPBL(課題解決型学習)型プロジェクトの開発・運営と地域企業と学生の出会いの場としての企業訪問プログラムの企画・運営を行いました。
”本市では、令和3年8月に策定した「京都市行財政計画」における「都市の成長戦略」とし て、「若い世代に選ばれる千年都市」をはじめ、5つの都市デザインを掲げ、京都で学ぶ留学生を含む学生(以下、「学生」という。)を対象に京都への愛着や関心を醸成する各種の取組を通じ、京都を愛する京都ファンの確保、さらには学生の市内での定住促進・次代の京都の担い手育成という好循環につながる都市を目指している。
この取組の一環として、京都の地域企業(以下、「地域企業」という。)と連携し、学生が就活前の早い段階から様々な分野の地域企業と出会い、そして関心を持つ場づくりを通じ、次代の京都の担い手をはぐくむきっかけづくりを図る。また、学生が実地で企業が直面している各種の課題解決型学習に取り組む事業を推進する。”