【御礼】2/24 第10回グローカル人材フォーラム たくさんの気づきと学びをありがとうございました。
こんにちは、グローカルセンターのインターン生の高津 遥(たかつ よう)です。2023年2月24日(金)に、第10回グローカル人材フォーラムが開催され、延べ120名の学生・企業人にご参加いただきました。本記事では、その様子をご紹介します。
グローカル人材フォーラムとは?
今年でなんと10回目を迎える2月恒例の『グローカル人材フォーラム』は、京都の学生が京都企業や地域と連携して問題解決を志向する学生プロジェクトの成果報告会です。6つの大学において実践的なプロジェクト型学習の経験を積んだ学生が成果を報告し、大学を超えて学び・競い合う、他流試合となる場です。さらに、出場チームの学生とフォーラムに参加する人との間の対話やフィードバックの機会も設けた参加型のイベントです。
今年度は、2022年度に京都企業や地域との連携プロジェクトに取り組んだ12組の大学生チームが出場し、多様な活動の成果を事前動画を作成することで発表しました。また、本フォーラムに先立ち、2022年11月21日には「100年後に残したい企業とは?」というテーマで、学生×企業人との交流会が行われました。
▼グローカル人材フォーラムについての詳細は下記
▼学生×企業人の交流会の様子
本報告会では、各発表に対して、産官学民より招聘する審査員による事前審査を受けた上で、そこでの上位3チームが、質疑による最終審査の機会が与えられました。このプロセスを経て、全体で最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞、オーディエンス賞(※事前動画視聴による投票)が選ばれました。
▼第10回の審査員紹介
▼チーム紹介動画
ここからは、フォーラムのプログラムに合わせて、第1部の成果報告会、第2部の最終審査、ついで第3部の交流会・アワードセレモニーの順番で、様子をご紹介します。
本フォーラムは、京都産業大学 黒坂 光 学長の開会挨拶の動画から始まりました。
▼挨拶動画の様子
第1部 成果報告会
第1部では、発表チームの学生と参加者が4~5名程度のブレイクアウトセッションに分かれて、「チェックイン(自己紹介)」、「学生からのプロジェクト活動の報告(概要、参加してみての感想)」「参加者からのフィードバックと対話」の流れで、各チームの活動の報告会を行いました。今回は、学生の発表動画が事前にYouTubeに配信されており、各参加者は事前にそれを見た上で、フィードバックを中心に行いました。
12チームある部屋のうち、私は京都文教大学の「京都・滋賀しごとNavi2023年版 紙面作成チーム(連携先:京都・滋賀中小企業家同友会)」というプロジェクトの概要報告とフィードバックに参加しましたので、その様子を少しだけご紹介します。
▼ブレイクアウトの様子
▼京都・滋賀しごとNavi2023年版 紙面作成チームの概要報告書
〇今回インタビューをした3社はどうやって選定したのでしょうか?
(学生)自分たちで選定したわけではなく、中小企業同友会の方からこの企業に対して取材してくれないかという要請から選定されました。
(担当教員)5年以上前から中小企業同友会に授業の協力をお願いしたところ、京都・仕事ナビでの社員のインタビューなどの取材を行うという話になった。その繋がりで、毎年度、授業の受講者数に合わせて行っている。
〇今回の取り組みで、どのようなことを学びましたか?今後の就職活動にどのように活かせそうですか?
インタビュー取材を行う中で、自分が聞きたいことを相手から引き出す質問をする方法について学べた。また、チーム単位の活動の難しさも学べた。会社に就職しても、1人で働くわけではないので、働く人と一緒に力を合わせていきたい。
中小企業にも、はじめて深く関わった。大企業に就職した方がいいとよく聞くが、中小企業の働き方に触れ、中小企業という選択肢も広がった。だから、自分が就職活動をする上で、中小企業は入ってくる。しかし、その探し方は悩んでいる。自分の興味のあることや関心をベースに会社を調べていきたい。
〇中小企業はどのような情報を発信していくべきか?
グループワークを進める中で出た意見として、就活をするときに、学生は「自分のやりたいことができる」ということが就活のニーズとしてあることがわかったので、就職活動をする学生に対して「この会社で働けば、自分でやりたいことを考え、進められること」を広報していくのが良いのではという意見が出た。
ブレイクアウトで個別にフィードバックを終えたあと、全体でフィードバックの感想共有が行われました。以下では、グローカルセンターの学生プロジェクトである「はかりしれないイシダとはかる未来チーム」の全体共有の様子です。
▼全体フィードバックの感想共有
第2部 最終審査
第2部では、審査員による事前審査の上位3チームが、発表の概要説明を来ない、審査員からの質疑応答を行いました。それらを事前発表動画の得点に加算する形で、最終審査を行いました。今回、事前審査の上位3チームは以下です。
SDGsチーム【連携先:株式会社 シリウス・インスティテュート】
西川紙業チーム【連携先:株式会社 西川紙業】
中嶋ZOGANチーム【連携先:株式会社 中嶋象嵌】
▼SDGsチームの概要報告書
▼SDGsチームの概要報告・質疑応答の様子
〇京都版SDGsを広めるために、具体的にできる事業は何かありますか?
現在、京都で「○○に取り組んでいる企業に投資しよう」という基準が存在しない。その指標を作り、それに沿ったことをしている企業に、積極的に投資する取り組みによって、京都版SDGsの認知を増やすことができる。
〇活動を終えて、「こうすればよかった」ということはありますか?
京都の伝統文化をもっと深堀を行ってから、解決策を考案すればよかった。特に、京都には様々な商業方法が存在する。それらの深堀を行う必要があった。
▼西川紙業チームの概要報告書
▼西川紙業チームの概要報告・質疑応答の様子(一部抜粋)
〇ワークショップの開催には、どのような広報計画がありますか?
ターゲットは東南アジアの富裕層。こうした方々は、泊っているホテルのコンシェルジュに「京都で面白い体験ができるところはあるか?」ということを聞かれることが多いそう。だから、ホテルのコンシェルジュの人に紹介してもらうこと、さらに、フィードバックでもあったがSNSでの情報発信など、身近にできることからしていく。
〇東寺でご朱印状を書くというワークショップ以外にどのようなアイデアが出てきましたか?
ご朱印状を作った後に、それをご朱印状以外の用途として、例えば、ノートや絵を描くなど使い方を自由にしてみるというアイデアも出た。
〇どうして日本人向けにしなかったのですか?
海外に目を向けた理由は、西川紙業にヒアリング行った際に、日本の少子高齢化と相まって、日本のマーケットが縮小していってるという懸念があることを聞いたことから、グローバルな視点に目を向けた。
▼中島ZOUGANチームの概要報告書
▼中嶋ZOGANチームの概要報告・質疑応答の様子(一部抜粋)
〇お皿を買った観光客が自国に持って帰った時に、洋食などにも合わようにデザインする必要があるのでは?
お皿のプロトタイプを作り、飲食店でのヒアリングを通して、和だけでなく、洋にも合うのではないかということが分かった。
〇「課題を考え、それをもとにインタビューを行い、それをもとに考察して、またインタビュー」と、この課題解決の進め方は意識して行ったのか?
意識して行った。消費者はどういうイメージを持つのか、それぞれの国の相性などを考慮して、海外うけを考えるときはそのような情報が必須なので、そうした声を広うことを意識した。
〇もしも時間があったら、次のアクションをどうしていたか、などどのような進め方が良いとおもいますか?
お皿を導入してもらうホテルや飲食店にヒアリングする中で、中国ではシンメトリーのデザインがうけるなど国ごとのデザイン案を考えれることが挙げられる。
第3部(前半) 交流会
1部、2部を踏まえて、第3部(前半)では、参加者同士の交流会として、「提案力のある発表とは?」、「『Think Globally, Act Locally』の実践」についてブレイクアウトルームで対話を行いました。ただ成果報告会をして終わるのではなく、他大学の学生×企業人が自らの経験を踏まえた多様な視点から対話を行うことで、学びがより昇華されることを意図しています。また、この交流会と同時並行で、2部での質疑応答をもとに、最終審査会議も行われていました。
第3部(後半)アワードセレモニー
アワードは、最優秀賞1チーム、優秀賞2チーム、審査員特別賞2チーム、オーディエンス賞1チームが用意されていました。まずは、審査員長の笠井さんによる12チームへの総評が行われ、その後、各賞を獲得したチームの発表とフィードバックが行われました。
▼笠井さんによる総評の様子
アワードの結果は、以下のようになりました。
▼全チームの一覧
▼アワードの結果
▼最優秀賞中嶋ZOUGANチーム 鍋島さんのコメント
アワードの発表の後、今回アワードを取れなかった学生チームに対して、審査員から講評が行われました。その後、グローカルセンター代表の行元さんより、閉会の挨拶が行われ、幕を閉じました。
▼行元さんによる閉会挨拶の様子
記事の終わりに
今回で10回目となるグローカル人材フォーラムも多様な大学、たくさんの学生と連携先企業と本気で課題解決を目指す、非常に意味のある機会だったと思います。惜しくもアワードを取れなかったチームのプレゼン動画、報告書も非常に面白く、学生生活の忙しい時間の中で、ここまでの提案を行えたことは誇りに思ってほしいと思います。一方で、自分自身の知識やスキルの不足も見えた部分もあると思いますので、残りの学生生活、グローカルセンターと関わることを通じて、共に伸ばしていきましょう。
発表した学生の皆さんは本当にお疲れ様でした。
執筆者:認定NPO法人グローカル人材開発センター インターン生
大阪大学大学院 人間科学研究科 博士前期課程2年
高津 遥(たかつ よう)