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金融機関向け研修プログラム紹介:Future Session Project 6年の歩み🐾

こんにちは、グローカルセンター行元です。

GLOCAL CENTERが2017年から携わらせていただいている【金融機関向けプログラム】Future Session Project. (以下FSP)はありがたいことに、参加者が180名を超えました。

2023年に100周年を迎えられる京都信用金庫様は、クラシカルな金融機関の役割(預金・融資)に留まらず
・コミュニティバンク宣言(1971年)
・ノルマ撤廃(2017年)
QUESTION河原町ビルOPEN(2020年)
・ソーシャル企業認証制度(S認証)開始(現在800社の登録社数を誇る)
など社会に向け先進的な取り組みを先駆けて行いっておられます。

そんな京都信用金庫さまの取り組みの裏側を支える人づくりや人材育成に光を当て、FSPの6年間の歩みを参加者の声も交えて振り返りたいと思います。
この記事がこれからのFSPのさらなるアップデートと、新たな時代の金融機関のあり方を再定義し具体的なアクションを起こしていくきっかけとなればという願いを込めて...

QUESTIONビル 5Fは未来の地域を支える学生に開かれた場所です
FSPの取り組みは、日経ビジネスにも取材されました✨

組織の大きな方向性を見つめながらこのプログラムを一緒に創ってきた京都信用金庫歴代人事部のみなさんには「あ、そういえばこんなこと考えて作ったな~」と思い出しながら、不安な中1歩踏み出して参加してくださったFSP過去受講生のみなさんには「こんな研修参加したな~」と改めて研修の内容や意義を思い出しながら読んでいただけると嬉しいです!

そして地域金融機関の皆様は、地域における未来の金融機関のあり方やグローカルセンターと一緒に人づくりをするなら!?という視点でぜひご覧ください!

FSPとはなにか?

 どんな地域や個人であってもグローバルな外部環境の変化や時代の潮流に影響を受ける時代だからこそ、世界規模の視野で現状を見つめた上で、地域や金融機関の原点から変わらないものを指針に、一人ひとりの自由な発想を尊重し表現・実践しながら進化し続ける「真のバンカーの土台作り」。徹底して対話を繰り返しながら①「コミュニケーション能力」➁「豊富な知識・経験」③「ソーシャルマインド」の獲得を目指していく。それが、対話型プログラムであるFSPです。

未来に残したいまちとは何か?
・お金とは何か?
・金融機関の役割とは?
・私たちがなりたい真のバンカー像とは?

こうした問いを眺めながら、参加者はもちろん、運営や講師も含めて対話を繰り返します。

 自分で体験し、好奇心を持ち学び続ける個人がチームとなり、「地域の血液」としての意志あるお金の流れをデザインし、地場産業を支えるコミュニティをつくる。そのコミュニティが生み出す未来に向けたインパクトは持続可能な地域社会・経済を作る上で必要不可欠であり、地域金融機関はその中心となって地域を変えていく力があると考えています。

FSPの内容

"ー不確実な時代、各々が携わる地域の様々な課題解決に取り組む中で「個」の在り方を考え、FSPを通して得た学びや気づきを日常業務での実践に繋げる。ジブンゴトとしてよりよい未来の実現を目指す真のバンカーの土台作りがFSPです。"

京都信用金庫 丹波専務より

今スタンダードになっているあらゆる取り組みやサービスも、当初は賛同や理解が得られなかったものも多く、時間の経過が証明しているものがたくさんあります。数年前まで当たり前だった働き方は今では・・・と、日常業務から離れ、未来視点で客観的に今を見つめる。大切なのは既存の当たり前を常に疑ってみることをFSPの初回に必ずお伝えしています。

・支店長は、完璧でないといけない。
・リーダーは、かっこよくないといけない。
・金融機関の人間は、スーツを着て業務を遂行すべき。
・金融機関の役割は、預金と融資が最重要であるべき。

上記のような、個々人の中にある「~べき、~なければならない」といった理想やバイアスは誰しも必ず持っています。

FPSの特徴は、未来の象徴である学生をFuture Maker(未来を創る人、未来の主役)と捉え、共にそうした「~べき、~なければならない」を手放していくことを目指します。

未来の社会は?未来の世代は?未来に向けて想像力を働かせ、好奇心をもって行動し続けた先に見たい未来を学生と一緒にダイナミックに描いてみる。

「何をどうやって手放すか?」
一人で考えるのではなく、チームで悩み抜いた先に生まれるものこそがFSPの醍醐味です。

今の当たり前を、空っぽにする✨

わかるようになる研修は失敗。むしろ分からないことが増え、必死に考え、必死に悩み、全力で問いにぶつかっていくようになる。
私たちはプログラム設計において、そういった「葛藤すること」を「自発的な学びの土壌づくり」や「好奇心をもって学び続けること」に必要不可欠なプロセスとして大切にしています。

2022
2019
2019
2019
2018
笠置町で学生とカレーをつくりました!!2018
2017
2017

テーマの変遷

 日々変化する政治・経済、それに大きく影響を受ける金融業界だからこそ、人事部の皆様と議論を重ね、テーマやミッションを設定しています。
 日常業務に役立つスキルやすぐに使えるスキルももちろん大切です。ですが、FSPで扱いたいテーマは、腹落ちするまで時間がかかってしまうかもしれないテーマや、まだ世に出たばかりで周りからは理解されないかもしれないテーマを扱いたい!そんな想いで、世界の最先端の情報やテーマに触れることを意識してきました。

その一覧がこちら👇👇


2017年のテーマ:
"10年後、理想の京都のまちを創造するために今必要なこと"

2018年のテーマ:
"コミュニティバンクのあるべき姿10年後の地域金融機関のあり方"

2019年のテーマ:
"コミュニティバンクを理解し未来視点でこれからのあり方を思索しつくっていく" イノベーション・リーダー人材 モチベーション

2020年のテーマ:
"真のバンカー ありたい未来やまち、みたい景色"
   MISSION:ひとりひとりが地域の課題をジブンゴト化し、未来視点でこれからのあり方を対話し、思索し自分自身に、仲間に地域に問いかけていくこと

2021年のテーマ:
"10年後のありたい自分"
MISSION:「自分の関わる地域が持続的であるためにできる活動」

2022年のテーマ:
"ソーシャルマインドと現場力の両立"
 MISSION:「地域課題を設定し、課題解決の地域モデルを作成し提案せよ!」

これまでお越しいただいた講師の皆様

 FSPでは、質の高いアウトプットのためには、質の高いインプットを!最先端に触れるには現場での実践者と対話を!と、現状の金融業界はもちろん、「お金とは何か?」「これから必要となる地域金融機関の役割を担うために必要な知識やスキル、マインドは何か?」を、グローバルな視野でお話いただける方や、ローカルで実践をしておられる方をお招きしてきました。

<お越しいただいた当時の所属で記載しています>※時系列
【2017】
・ファーストリテイリング人事部部長 田辺 信裕氏 
【2018】
・西村証券株式会社社長 西村 永良氏
・Founding Base 藤原ネマニ蓮美氏
【2019】
・株式会社BugMo 松居 佑典氏(2019年) 
・ANA京都支店 山口 智啓氏(2019年)
【2020】
・非営利株式会社eumo 代表 新井 和宏 氏
・面白法人カヤック 代表取締役 柳澤 大輔氏
【2021】
・株式会社URUU 江上 広行氏 
・Voice4u/はてな創業者 近藤 令子氏
【2022】
・SIIF インパクト・カタリスト 古市 奏文氏 
・退蔵院 副住職 松山 大耕氏
・日建設計/パーパスモデル著者 吉備 友理恵氏

抜粋して、それぞれのゲストテーマ、様子を簡単にご紹介!

2020 eumo 新井 和宏さん 
「未来に向けた持続可能な地域機関(コミュニティバンク)とは?」

2021 組織と世界:
株式会社URUU 江上 広行さん
 「僕はなぜバリューベースバンキングをやってるか?」
   「これからの金融機関の役割、真のバンカーとは」

  2022 インパクトカタリスト 古市奏文さん
「インパクトとは?」

「不確実な時代を生き抜くために、自己をみつめる」
 松山 大耕さん 妙心寺退蔵院 副住職

「パーパスモデル」の吉備さんからKey noteとフィードバック!

参加者の声

FSPをひとことでいうと?
・視野を広げる学びの場
・感性を磨く場所
・視野を広げる研修
・自己探求の場。
・頭の体操(いい意味で)
・未来を考える会
・最高の研修です!(職員にお薦めしたい。)
・Question!!
・難しいけど楽しい
・面白かった!
・ソーシャルを学ぶ小学校
・自分の殻をやぶける場所
・多様な価値観の人と一緒に、作って壊してを繰り返し、チームでより良いものを作り出す!
・考えることは、楽しい!
・コミュニケーション
・心地よい苦悩
・自分を変革する場所
・コミュニティーマネージャーの入門!
・今の自分をぶっ壊す!
・成長と発見
・考えが広がりすぎて、でも悩む場
・正解のない学び
・答えのないプロジェクト
・やり方を学べる場所、何をやりたいかは自分が決める場所

真のバンカーとは?
・お客さまに寄り添える
・何事も最後までやりきる
・人の話をしっかり聞いて一緒に悩む。
・バランス感覚
・お金を通じて関わるヒトを元気にすることができる人
・地域のハブに自然となれる人
・人と人を繋ぐバンカー
・みんなの気持ちを鼓舞していく人
・なんでも屋。お金に関わらない人はいないから。
・実際に思いついた地域や顧客へのベネフィットモデルを形にする人
・他者との繋がりを通して地域をゆたかにできる人
・課題に対して真剣に向き合う。人と人を巻き込みながら、つないでいくこと。
・社会性と経済性を両立して、地域の課題解決ができる人材
・知識とコミュニケーション力
・なぜをたくさん持てる事
・正しい信念を貫ける人
・心がある人。
・発想を越えて、周りを巻き込める人
・思いやりと公益を考えることができる
・ひたすら、ここまで?と思うほどのおせっかいをする
・将来を見据えられる人
・一緒に寄り添ってくれる
・道筋を照らしてあげれる人

FSPに参加した学生の感想

今回、FSPの活動は、企業・社会人の方とソーシャルな活動づくりの勉強をさせていただく、初めての体験でした。高校生や大学生がソーシャルな活動を作って試す活動はいくつか参加したことがありましたが、アダルトな方々がこのような活動をされていることに新鮮さを感じていました。どの発表も、京都信用金庫さんで活動されている経験が反映し、支店周辺の地域の特性が組み込まれていて、とても楽しく聞かせていただき、勉強になりました。 僕自身も、グローカル人材開発センターさんとソーシャルなプロジェクトを京都で構築する活動を進めている身として、実際に実践することやステークホルダーとの対話・活動の量・質が重要だなと感じました。そして、僕自身が参加している活動や学んでいることと近い内容のものも多かったので、ぜひ、FPS参加者の方々とソーシャルについて学びを深めていきたいなと感じていました。そして、共通のパーパスを持ったステークホルダー同士としても活動をしてみたいなと感じていました!!

未来の主役である若者と共同する会社が増えてきています


GLOCAL CENTREがこの研修作りで大切にしていること

ー私たちが大切にしているのは、それぞれが持つ潜在能力・種が伸びやすい環境を整えること。「人材育成」とは言いますが、育てることに重きをおくのではなく、本人がのびのびと自然に育ち、共に育んでいくための「自発的な学びの土壌づくり」を目的にプログラムを企画開発しています。グローカルセンターの研修プログラムはオリジナル、オーダーメイド型の大きく2つに分類されオーダーメイド研修プログラムの中で、組織ごとの課題やニーズに合わせた金融機関向け研修をお届けしています。未来の象徴である学生がフィードバック者やワークに入るのも特徴の一つです。

https://glocalcenter.jp/service/humandevelop/

研修での過ごし方のヒント 
  ①自分の声をきく。(LITSEN)
  ②めいっぱい遊びから学ぶ(PLAY)
  ③あっさり、手放す(UNLEARN)
  ④仲間との学びに自分の方法で貢献する(CONTRIBUTE)
  ⑤わからないことを面白がりまずやってみる(BE CURIOUS&ACT)
 ⑥問いかけ続ける(QUESTIONING)

卒業してから、誇れる学び。そして、振り返って「あの時間があってよかった。」と評価される学びの場づくりを心がけています。時間が経過して発揮されるチカラや、意味があることが一緒に創ってきた価値だと信じています。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。

京都信用金庫の人事部の皆様、過去参加者の皆様。いかがでしたか!?

改めて研修を振り返り、今に目を向けることであの時学んでおいて良かった!ということや、まだまだ現実が追いついてないなと思うこと、様々だと思います。

これからも、答えの無い問いにみなさんと向き合いこの京都においての地域金融機関のあり方を探究していければと思います。

地域金融機関の皆様、私たちグローカルセンターは京都信用金庫の皆様と作り上げてきたこの研修を、さらに他地域へ広げていきたいと考えています。
いちNPO、いち金融機関、いち地域でできることは限られています。だからこそ、それぞれの地域の中でグローバルな視野で物事を捉えながら、地域社会・経済をその地域に合わせて発展さえるコミュニティをつくることや、地域と地域で繋がりより大きなインパクトを起こして行くことが大切だと思います。

ぜひ、私たちと一緒に皆様のFSPを作りませんか!?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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