エコリングさんの企業訪問レポート〈インタビュー編〉
こんにちは!!TOYOTAプロジェクトチームリーダーのやすです。
今回は、7月4日に株式会社エコリングさんへ企業訪問のためお伺いさせていただきました。訪問の際に、対応してくださったエコリング販売担当の内海義喜さんと広報担当の高梨英子さんから貴重でとてもアグレッシブルなお話を聞くことができたので、みなさんにシェアしたいと思います!!
前編を倉庫見学編、後半をインタビュー編に分けてお届けさせていただきます。エコリングさんはどのような企業なのか?実際の倉庫の様子などは〈エコリング企業訪問レポート前半:倉庫見学編〉をぜひ読んでみてください!!
1.はじめに
倉庫訪問の後、エコリングの内海さんと高梨さんに同社のビジネスモデルやB-corpへの取り組みに挑んだ背景、これからのエコリングの活動目標などをお聞きしました!!
2.B-corp認定に挑んだ背景
B-corpに取り組み始めたのは、「買取業の強引なイメージという偏見をなくしたい」、「リユース業と環境問題・社会問題を紐づけることができないか」という思いから取り組み始めたようです。最初は、エコリング内のほとんどの社員が「B-corp認証って何??」という状態から始まり、B-corpの説明を一つ一つ和訳して読み進めていったようです。すると、最初にBIA得点(B-corp認証を判断する際に使用される指標)を測ると、まさかの14点だったようです。しかし、その後、社長と幹部が中心となり、ひとつひとつの行動の改変をしていったそうです。そして、現在では環境に関するBIA得点は日本でトップで、総合点では第2位と日本・アジアの中で、B-corp認定の最先端を走る企業になりました。
3.今までにB-corp認定を得るまで、またエコリングを運営する中での障壁や課題
①リユース業に構造的な環境負荷を与える側面があること
リユース業が効率的に利益を発生させるには「トラックをどれだけ動かせるか」「どれだけの商品を一台のトラックに詰め込み、運ぶか」が重要になってきます。しかし、より重いトラックをたくさん動かすとそれに応じて、二酸化炭素排出量が増えてしまい、環境負荷を与えてしまう。そのため、経営を維持させるため、リユース業を続けていくためには避けて通れない障壁があるとおっしゃっていました。
②買い取り・リユース業への偏見
また、最近ではリユース業が世間一般でも受け入れられるようになったが、「リユース業=押し売りだ」、「安く買って高値で売る産業だ」など良くない印象が多く見られており、活動意義をどう示すかに苦悩されていたようです。しかし、それ以上に環境・社会に貢献していることをB-corp認証やエコリングの活動の数字での可視化などの行動を通じて示せるようになり、買い取り・リユース業の捉えられ方にも変化を起こせている、これからも起こしていきたいとおっしゃっていました。
③寄付をした後の不可視性
現在、エコリングさんは国内だけではなく、タイやフィリピン、カンボジア、マレーシアなど国外にまで活動の幅を広げていらっしゃいます。また、買い取ったもののどこにも引き取られなかった商品に関しては、寄付として海外の孤児院へ送っていらっしゃるようです。しかし、寄付しているのは良いものの、送ったものが本当に必要なものだったのかが見えないそうです。そのため、もしかしたら孤児院の方からすれば、いらないものを送り、支援をしてい流ように見せてるだけではないかという苦悩も抱えていらっしゃるようです。
4.これからエコリングとして取り組んでいきたいことは??
そして、最後にこれからエコリングさんがすすめていきたいことが何かをお聞きすると、「活動の透明性を上げる」ことだとおっしゃっていました。エコリングさんは、リユース事業が偏見の目で見られてしまうことや寄付事業に関する苦悩などの共通原因は、「実際にどれくらいの数字が見えない」ことだとおっしゃっていました。そして、実際にエコリングがどれくらい環境保全に貢献しているか、社会課題の解決の一助となっているかを「数字」で示していきたいそうです。現在は、「CO2削減プロジェクト」を立ち上げ、エコリングのリユース事業により、どれほどのCO2が排出されたかを可視化されています。
さらに、大きな目標として、産官学の連携事業を立ち上げ、エコリングの活動の輪を広げていきたいことや、B-corp認証に加え新たに「LEED(Leadership in Energy & Environment Design)認証ゴールド」を獲得すること、アジアNo1のリユース企業になることを目標とされており、これからもどんどんと成長をしていきたいと語ってくださいました!!
5.それぞれの感想と気づき
(やす)
私自身が行っているTOYOTAプロジェクトも含まれる課題解決を軸とした活動では、「活動の透明性」をどのようにあげるかがその活動への共感の多さに繋がるなと感じました。これから、実際のフィールドワークへ出る際も活動を見る人々がどのような情報を欲しているかを理解して、それに相応な情報や熱意を提示できるように活動していきたいと思いました。
(さや)
エコリングさんへの訪問を経て⾃分が物をリユース、買い取り店に物や服を持っていった後 にどのような⼿順を踏んで、新しい持ち主の元へ運ばれるのかを知れたことが貴重な経験になりました。⽇常的に寄付を募っている企業を⾒たときに、寄付したものがどこへ⾏くのかを明確に認知できないととても気持ちが悪いと感じます。そのため、寄付・買い取りなどの場⾯で寄付を必要としている⼈の⼿に届くまでを可視化することは重要性が⾼いと感じました。また、さまざまな角度から可視化の⽅法を探る中でリユースなどは意識しないと取り組みにくいためフェスのようなイベントへ参加する姿勢は影響⼒があると感じました。さらに、B-corp認証を得る際もほぼ1から段階を踏んだという事実が透明性を⾼めると感じました。
透明性の向上は、TOYOTAプロジェクトが扱う環境問題や貧困問題でも必要不可欠な要素だと感じました。今回の経験を生かし、透明性がある持続的で多く人々に参画していただけるような活動にしていきたいと思います。
(しゅん)
・環境問題が深刻さを増す中で、企業においても個人においても倫理的な選択肢をとることの重要性が増してきていると思います。その中で、企業の環境活動は、一般的に単発で終わることも多い中で、本当の意味で活動を長く続けることが重要となります。そして、エコリングさんが取り組む活動(CO2削減プロジェクト参照)は今まで不透明だった活動がその後どこに行き、何に使われるかを把握することに繋げ、活動する人たちの障壁を取り除ける活動で素敵だと思いました。これは、企業や消費者がそこに価値を実感すれば行動変容するきっかけになるだろうし、インセンティブ等なしに価値観に共感して行うことは長く続けてもらえる可能性が高くなっていくと思いました。
(みずき)
倉庫の見学では様々な物を再び商品に生まれ変わらせる様子とその巧みさを見せていただきました。また全体を通して、企業内の雰囲気を感じることができ、まさにそれがエコリングさんの企業としての漸進的な進化の原動力であるなと、学生の身ながら思った次第です。プロジェクトとしてはやはり企業といっても、当たり前ながら多種多様で、つぶさに調査した上でそれぞれの企業と私たちとが一緒に取り組める部分を探っていく、というような考え方を特に持ち帰ることが出来ました。課題の現場についても、協力する企業さんについても勉強不足であることを改めて自覚し、それ故に今後の活動の方向も見えてきたように思います。
(しょう)
私が印象に残った点は、B-corp認証を取ろうとエコリングさんが動き出した時の認証基準がかなり低かったのに達成したというお話しです。もちろん認証を取ることが最終GOALではないですが、目標のために試行錯誤をしてきたからこその内海さんから出てくる話や熱い想いがとても面白く引き付けられました。内海さんの話の中でも、今後の展望として回収する資源の中にごみを出している人もいて、そんなごみをどれだけ誰が出しているか透明性をどう担保するのかという話が自分の中で考えさせられました。実際にエコリングさんはCO2削減の量を可視化していて、エコリングさんの会社はもちろんのこと、他の組織の場合でも、どのように透明性の形や価値を見出すことができるか個人または学生と一緒に考えてみる機会を設けるとわくわくするだろうなと感じました。 短い時間でしたが、とても充実した時間でした。本当にありがとうございました。
(もりが)
あの県では「要らないもの」でも他府県に行けば価値があったり、国内では「捨てるもの」でも国外では価値があったりと「モノの循環」が尼崎を中心に起こっていました。生活の身近なところにあるモノから循環を考え、ビジネスに取り込む個人消費者や企業が増えてほしいし、循環型社会を構築していくために貢献しようとする企業があるということがすごく嬉しかったです。現状、持続可能な社会を構築していくことはこれからを生きていくために必須です。何かを抜本的に変えていくことは難しいけれど、エコリングさんのように「やってみる」の精神でB-Corp認証を取り、社会に貢献していこうとする企業さんは必要だと感じました。エコリングさんのような企業がもっと増えてほしい!就職したいです!
今回は、快く倉庫見学とインタビューに応じていただいた株式会社エコリング様、見学の際に同行またインタビューに答えてくださった内海さん・高梨さん、ご縁をいただいた近藤令子さんに感謝申し上げます。本当に貴重な経験をありがとうございました。
これからも今回得た学びをもとにプロジェクトをさらに具体的なワクワクするようなものにしていきたいと思います!!
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