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【Report】8/24・9/9実施「大人の必須科目 Regenerative 」ふりかえり(TOYOTA財団国際助成プロジェクト)
こんにちは、TOYOTAプロジェクト学生リーダーのやすです!
先月8月24日と9月9日に10月12日(木)のフォーラムに向けて、私たちのプロジェクトの仮設をトライする場としてでワークショップを開催しました。
ワークショップを開催するきっかけについては、コチラから
私たちは、もともと台湾DOMIのー+モデルを参考に、いかに日本の文脈でこのモデルを広げていけるか?を2年の間模索してきました。2年間の間で、自分たちで1つの活動を作り上げようか、貧困は学生と絞って活動するのがよいのではとさまざまな議論を行ってきました。
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企業のムダ・もったいないものやことを貧困家庭の支援に還元することをビジネスとして実施する「ー+モデル」
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しかし、現在日本チームでは、仮設として
「企業の方々それぞれの業種や組織にあった、ー+モデルを独自で実践してもらう機会を作り出すのがよいのでは?」と設定し、私たちが理想とするワークショップのトライ版を8月24日と9月9日に開催しました!!
そして、このnoteでは、2日間の振り返りをお届けします!!
実際にー+モデルを作ってみる!
今回のワークショップの目的は、「ー+モデルをワークショップの中で作ってみる」でした。―+モデルのワークシートを用意し、それぞれのQuestionに答えていくことで、最後に一つのモデルを構想するというものです。
実際に、ワークショップでそれぞれが何を書いたかを共有する時間も含めつつ、進めると、一番盛り上がったのは「企業にはどのようなロスがあるか??」「どんな人に還元できるか」の2つでした。
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企業によって異なるロス。実は日本にもまだまだある〇〇ウェイスト
ー+モデルで重要な要素の一つ、「どのようなウェイスト(無駄なもの)から資金を生み出すか」。これを議論するために、参加者それぞれの経験から、自社で無駄だなと思うものを挙げてもらいました。
すると、ペーパーレスの中でも、
・サービスのデジタル化のためにその処理のやりとりを紙でしている
・出版物の原稿を何百人に対してチェックをお願いするために1日だけで段ボール何十個分の紙を刷ってしまう
(紙は場所を取り、どこに置いたかが分からなくなってしまうため、非常に効率が悪いのに、規定上の決まりごとでなかなか変えられないそうです)
また、特に面白かったのは、
・企業が資産として購入したパソコンやスマートフォンを破棄している
という話。情報漏洩を防ぐために備品を買い替えるタイミングで、壊して新しいものに変えるそうです。
このように従業員の方が「無駄」だな、もったいないなと思いつつも、ルールで変えられない状況であること、企業を守るために仕方なくロスを許容してしまっているようなロスが存在することを参加者とスタッフ同士で共有することができました。
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これからの働き方は「町の電気屋さん」?マスから寄り添う働き方へ
また、ー+モデルを考える上で重要な要素である【受益者(+の側面)】「誰にロスした利益を還元をするか」の部分では、ロスを誰に還元するかの議論に加え、「これからの企業の地域への働き方」についても話になりました。
その中で、一番盛り上がったのは「町の電気屋さん」。
実は、町の電気屋さんは、1億を超える利益があるところが想像以上にいるとのこと。その理由としては、「信頼」「安心」「オーダーメイドの対応」がキーワードとして挙げられていました。町の電気屋さんは、陳列されている商品の多さでは大規模電機メーカーには劣るかもしれません。しかし、困ったときにすぐに駆けつけてくれる信頼感や、家の電気周りの整備を個々の家庭に合わせてしてくれる安心感があるようです。なので、一般的な電気屋よりも、オーダーメイドの対応をしてくれるため、多くのお金を払ってでも対応をお願いする人が多いそうです。
ここから、ー+モデルを企業が実施する際は、一つのサービスや製品を誰かに還元すると絞りつつも、町の電気屋のような信頼・安心感を与えるオーダーメイドの対応をすることで、より困る人たちの生活改善に寄与するのではと議論になりました。
確かに、「町の○○屋さん」のような動きをする人材が活躍する人を+(プラス)の部分で作り出せれば、1つの課題に絞った課題解決ではなく、そこに付随する課題の発見と改善につながるなと思いました。
これは、台湾の視察で、エナジー貧困の家庭を訪問させていただいたときに、台湾チームが「電気(LEDライト)」の供給をする理由にも通ずるなと感じていました。
2回目のWS、アップグレード!
9月9日は、前回のワークショップからアップグレードし、時間も30分延長して開催しました。また、ワークショップもブレスト形式のグループワークも組み込みました。
今回は、元アパレル業の方、金融業の方、分析機器メーカーの方などにお越しいただきました!
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グループワークで考える「日本のー+モデルにおける受益者は誰か?」
今回のワークショップで初めて導入したグループワーク。テーマは、「日本における受益者は誰?これから環境負荷で苦しむのは誰?」です。すると、一番声が上がったのは、高齢者や子どもたちでした。気候変動により、気温がみるみる暑くなる中で、高齢者は、体が自由に動かせない、自由に移動することができないことから、健康的リスクが高いのではないかと話になっていました。
また、子どもに関しては、炎天下の中で小さな男の子が砂場で遊んでいるようすを見た経験から、外で遊ぶことができなくなっていることは災害の被害を受ける人たちなのではという話になりました。さらに、貧困という観点から、子どもたちは学年や学校が変わったりするタイミングで、学校になじめず簡単に社会から離れる可能性があることから、貧困状態に陥る方ではないかという議論になっていました。
デジタルなオルタナティブを生み出していくこと~―+モデルを作ってみる~
ワークショップの最後には、それぞれが考えたー+モデルのストーリーを発表する機会を設けました。その中でも、特にキーワードとして挙がったのが、「デジタルの利用」でした。今回のワークショップにおいても、キーワードとして挙がったのが、ペーパーレス。例えば、分析機器を納品する際は、1台につき1個の分厚い説明資料をつけなければならないとのこと。そのため、1000台の発注の際は、1000個の説明書を納品しなければならないようです。これは、規定など乗り越えるべきことがあると感じながらも、納品する側も受け取る側もどちらも改善できる余地があると感じているようでした。
また、アパレル業では、サンプル製品やテスト商品は基本的に、市場に出る前に破棄されるもしくは、社内販売をするようです。これは、商品を破棄してでもブランド価値を守るためだそうです。そして、これからいかにデジタルによって削減できるかがアパレル業におけるロス活動として挙がりました。
さらに、ー+モデルを通して「やらなければよりも、やりたい・やったら得!」だと思えるかどうかが大切だという意見も出ていました。
2日のワークショップを通して
今回のワークショップを通して、日本でもペーパーレスはいまだに残っていることがまずよく分かりました。機会製造業における説明書や行政関係の取引の契約書、新聞の確認用の資料などが、今までの制度上変えられないペーパーロスが上がりました。また、企業のブランドを守るためや情報漏洩を防ぐためなど、企業を存続させるためにあえてサンプル品を捨てたり、資本として購入したiPadや電話をたたき壊してまで捨てるなど新しい日本のロスの課題を知ることができました。
また、それぞれのワークショップを実施し、さまざまな人にー+モデルを作ってもらうことで、「受益者(+の側面)」を企業が考えることのむずかしさを知ることができました。ワークショップに関しても、ロスの部分を企業の方々にじっくりともんでもらうのか、それともプラスの側面も踏まえて、一つのモデルを作ってもらうのかは、これからも議論が必要です。
そして、今回のワークショップの経験を活かし、さらにバージョンアップした形で、10月12日(木)14:00~台湾・タイのチームが来日し、3国のチームが2年間で学んだことについてのセッションを用意したり、一緒にワークショップをする時間を用意します!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
🌎詳細や申込に関しては、下のリンクから!!
また、これまでの台湾・タイへの視察や活動の詳細はこちらから!!
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