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君たちはどう学ぶか。リカレントって??リスキルって??

 どうも龍谷大学政策学研究科/ グローカルPower to changeプロジェクト学生リーダー松本ヤスです。この度、Impact Hub Kyotoで開催された「君たちはどう学ぶか」に参加してきました。

 このイベントは、2023年3月14日に京都経済センターで開催されたドコモgaccoと京都府共催のwell-learning dayでの塩瀬先生×行元さんのセッションの延長戦で

「リカレント・リスキルとよく聞くけど分からない、だから立ち止まりたい。そもそも学びなおし?どういう意味でしょう??」

という問いを行元さんが、京都大学の塩瀬先生とドコモgaccoの山田さんに投げかけるところからスタートしました。

▽3/14のイベント

「リスキルの誤解」。リカレント・学びなおし・リスキルの言葉の整理

「そもそもリスキル?学びなおし?どういう意味??」という問いを塩瀬先生に投げたところから始まったセッション。すると、日本で使われているリスキル・学びなおしは、元の意味と少し違うみたいでした。

現在、日本政府はリスキリングの意義を次のようにしています。

「企業間・産業間の労働移動の円滑化」に重点を置いて、訓練後にひいき雇用を正規雇用に転換する企業や、賃上げを伴う転職・労働移動の実現に向け、より高い賃金で新たに人を雇い入れる企業への支援を行う。また、在職者のキャリアアップのための転職支援として、民間専門家に相談して、リスキリング・転職までを一気通貫で支援する制度を新設させる

(経済産業政策局産業人事課 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について)

特に、日本で扱われている定義ともともとの定義の違いは、リスキリングの対象です。そもそもリスキリングの意味は、「技術職に携わる人」が、会社の技術変革によって、失業することを防ぐために新たなスキルを身に着けさせる教育を指します。

例えば、交通を例に整理してみましょう。これまで馬車事業で成功していた輸送会社A社が、より効率よく人・モノを運ぶためにタクシー事業に移転するとします。すると、これまで馬車を運転していた人は、「手綱→ハンドル」に必要とされる技術が大きく変化します。この時、これまで馬しか扱ったことがない人にハンドルで車を動かす教育をしないと多くの技術者が失業してしまいます。

手綱引きらが失業しないようにハンドルの操作を教えるように、目的は変わらないが方法をアップデートする際、技術職の失業を防ぐため教育することをリスキリングと呼びます。

学びなおし??リカレント教育??みんなしたことある??

リスキリングの概念を整理した後に、リスキリングと並列でよく使われる「学びなおし」「リカレント」の話になりました。
その時、塩瀬先生からは

「そもそも学びなおしをしたことある??」
「リカレントの前に、カレントしたことある??」

という問いが参加者とゲストに投げかけられました。

確かに、学び直しって「宿題」「復習」「英単語の反復学習」などなどで普段からやっていること、そもそもみんな「学ぶ≒学び直し」であるため、そもそも「学び直し」は日常的なことであったことを再確認しました。

このトピックの中で、特に私が印象的だったのは、「学び」が必要以上に効果に思われていることでした。現在、「学び直し」が話題になっていることをはじめ、「学ぶこと」が必要以上に美化され、お金がかかるものと認識されている現在。

すると、学ぶときも「いかに将来の展望につながげるか」「役に立つ、お金儲けにつながる学びを選ばなきゃ」など目先の営利目的の学びにフォーカスされてしまい、「やりたい」「楽しい」と好奇心からの生まれる本能的な学びは後回しにされてしまいがちです。

僕も大学で研究を進める中で、自分が本当に**「やりたい」「没頭できる」**ような好奇心から湧き出る学びは何だったかについて整理しようとするきっかけになりました。

好奇心の本質、知的な好奇心は周りを気にした好奇心??

特に、好奇心の中でも、よく学校で使われる「知的好奇心」という言葉。学校の先生や大人はよく使ってしまいますが、**「知的ではない好奇心」「シンプルな好奇心」**ではなく、知的好奇心を求めている現在の世界への疑問も話題になりました。

「読書感想文を書くときに、小説や文豪の作品を選ぶと褒められるが、図鑑や漫画は娯楽と捉えられ叱られてしまう」
「サッカーや野球など体を使うスポーツをすると褒められるが、ゲームをすると叱られる」

この褒められる⇔叱られるの関係は、知的好奇心⇔NOT知的好奇心の関係に近いと感じました。しかし、小説を読んでも、漫画を読んでも、図鑑を読んでも**「知らない知識・考え方を得る」という意味では同じ。サッカーや野球であっても、ゲームであっても「勝つための戦略を組み、そのために必要なTODOをこなす」**ことには変わらない。

ここで上がったのは、現在の英語学習と映画字幕翻訳家・通訳者の戸田奈津子さんの英語を学んだきっかけの話。彼女は、英語を学びたいから英語を学んだのではなく、「洋画が好き」だったから英語を勉強したとのこと。なので、英語が必要だから英語をという考えよりも**「好きなこと」**から始まる学びの方が、長続きし、シンプルに楽しいなと思いました。

そのため、「教育・学び」を意識しだすと、指導者や教育者は、理想の学びに近いものを取捨選択し、「知的好奇心」と位置づけ、好奇心に価値づけをしてしまっている。これは、指導者と学生(学ぶ者)の間だけではなく、学生の心の中でも学びを「知的」なものとそうでないものに分けてしまい、適切な学びを選択してしまうことも当てはまるなと思いました。

「「あなを掘り、埋めること」を考える」目的を気にした学びからの脱却

好奇心の話から、1冊塩瀬先生から面白い絵本があると話題提供がありました。それは、『あな』(作:谷川俊太郎, 絵:和田誠)。

あな (こどものとも傑作集)

内容は、ひろしくんが日曜日の朝に庭にあなを掘る話。その間に、おとうさんや妹、友達が「なぜ掘るの??」「○○に使ったら??」と提案するが、すべての案に対して、「さあ」「へえ」「まあね」と答え、最終的には掘ったあなを埋めて終わりという話。

あなに興味を持ちやってくる周りの大人は、まるで「あなを掘ることに意味」を持たせようとし、穴を掘ることに「知的さ」を求めているようでした。

しかし、違う穴を掘る途中に、何も言わずに出てきて何も言わずに帰っていくいもむしが1匹登場します。一見、ただのいもむしですが、ひろしくんにとっては**「好奇心に赴くままにアクションする自分を見守ってくれる存在」**のように映っているようでした。

この時に、司会のドコモgacco山田さんも37歳のときに『黒板とワインーもう一つの学びの場「三田の家」』に感化され、目的もなく空家を借りてみたとのこと。(ひろしくんでいう穴を掘る行為ですね!)この時も、周りからいろいろな提案をされる中でも、ふと見守ってくれる人の存在が大きかったとのことでした。
黒板とワイン―もう一つの学び場「三田の家」

学びが美化され、高価なものと感じてしまい、どこか知的な好奇心を追求してしまいがちな世の中では、いもむしのようにアクションを見守る存在が必要になるのかなとふと感じました。

やすのセーブポイント

このセッションを終え、私なりのセーブポイントとして、「きみたちはどう学ぶか」の答えを一旦、**「「ただ」あな掘るマインドで、2時間以上談笑できる学びを。」**とします。

私は、新しいことを学ぶとき、本を買うとき、どこかにいくときに「いかに自分の専門とつながるか?」「将来につながるか?」を考えてしまい、結局どこにも行けず、何も買えずで終わってしまうことがしばしばありました。そのため、「これからは「ただ」楽しそうだったから行ってみる、「ただ」面白そうだから買ってみる」のように、たけしくんの**「「ただ」穴掘るマインド」を持ち学んでいきます。しかし、その中でも、「2時間以上談笑したいか否か」**は意識したいです。周りから求められたからではなく、自分が本当にしたいと思ったものをすぐにインプットし、アウトプットするような「好奇心:わくわく」を軸においた学びを少しずつ日常の中で増やしていこうと思いました。

ありがとうございました♪


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