サービス開始から2年、改めてユーザーインタビューからナノ単科の「価値」を整理しました
はじめに
こんにちは!ナノ単科でデザイナーをやっています、竹ノ内です。
GLOBISは、デジタルと教育を掛け合わせたサービスをいくつかやっていますが、2年ほど前に「ナノ単科(英語版:nano-MBA)」というサービスがリリースされたのはご存知でしょうか?
サービス内容など詳細はこちらをご覧ください。
ありがたいことに、2年かけて「ナノ単科」のユーザーも着実に増えていきました。その上で、改めてこのタイミングで、我々が届けられている価値やこれから届けるべき価値を整理するために、ユーザーインタビューとワークショップを実施しました。
今回はそのユーザーインタビューとワークショップの一連の流れをご紹介できればと思っています。
実施の背景・目的
今回実施したユーザーインタビューおよび、ワークショップの背景は以下になります。
背景
サービスのローンチから2年が経ち、ユーザー数も拡大していっている
立ち上げ時の初期仮説やバリューツリーなどを振り返る時間を十分に設けられていなかった
短期的な改善 / 検討はやってきたものの、中長期的に目指すべき姿についてチームで目線合わせをすべき
その上で、目的を以下に設定しました。
目的
ナノ単科の満足度について(良い面も悪い面も)の起因探求
初期化説やバリューツリー、想定されるユーザー像の検証やブラッシュアップ
ナノ単科を通して提供すべき価値を改めて整理、言語化し、チームに展開する
今回は日本語版である「ナノ単科」と英語版である「nano-MBA」のうち、日本語版「ナノ単科」を対象に進めました。
ユーザーインタビューの実施
最終的に4名のユーザーさんにインタビューを実施することができました。
インタビュー実施までの準備は「質問項目の決定」「インタビュイーの抽出」の2つに分けられますが、それぞれ準備する上で、大事だと感じたポイントについて整理してみたいと思います(当たり前の内容も含みますが、インタビュービギナー用の一助となればと思っています)。
質問項目の決定
目的別に項目をブレイクダウンし、関係者を一挙に巻き込んで意思決定する
モブインタビューなど、事前に質問量や進行が試せる機会があれば活用する
質問項目に優先度をつけ、インタビュー中に臨機応変に対応できるようにする
当たり前の話ですが、先に定義した目的別に質問項目を組み立てていくと、過不足が発生しにくいです。
また、効率的な意思決定を行うために、意思決定に必要なメンバーを早い段階で巻き込むのは重要です。
今回の場合、チームのリーダー・サブリーダーを含めた体験設計を担うメンバーと、ライブ授業やケースなどのコンテンツを提供していただいている別の部署のメンバーも最初から巻き込んだ上で議論していきました。
加えて、今回のプロジェクトメンバーはユーザーインタビューの経験が少なかったため、社内のナノ単科受講者2名にモブインタビューを実施しました。
その上で、所要時間を鑑みた質問内容の調整や、設問の優先順位を事前につけることで、本番は柔軟にインタビューを実施することができました。
インタビュイーの抽出
なるべく候補者を事前にスクリーニングする
年齢、性別、キャリアなど広くばらつきのあるインタビュイーを抽出する
インタビューの依頼は多少広めの対象者に送信する
事前に候補者をスクリーニングせずに、母集団全てにインタビュー依頼をかけてしまうとその後の選別が難しくなります。時と場合にもよりますが、スクリーニングを事前にかけるのがおすすめです。
「ナノ単科」は性別、年齢、受講動機などを事前に取得するため、それらのデータから目ぼしい人を絞ってインタビュー依頼をしました。
年齢、性別、キャリアなど、満遍なくばらつきがありつつも、ヒアリングしたいユーザー特性を持った集団を事前に抽出することで本依頼の意思決定をスムーズにすることができました。
その際に注意すべきなのは、多少多めに対象者を絞っておくことです。
考えてみれば当たり前ですが、インタビュー依頼にOKを出してくださるユーザーさんの方が圧倒的少数です。
そのため、あまりに絞りすぎると目標人数を集めにくくなるため、スクリーニング強度を弱めにかけておくとスムーズです(僕は失敗し、2回スクリーンングとインタビュー依頼を回す事になりました..)。
価値発見ワークショップの実施
次にインタビュー結果をもとに、価値発見ワークショップを実施しました。
形式としては、インタビューのローデータを所謂「KJ法」に近い形で、構造化し視覚的にまとめていきました。
実施手順概要
[事前準備]インタビューのローデータを実施人数分付箋に書き出す(センテンスレベルに分解する)
内容に応じて下記5つのラベルに分類する
ローデータを全員分シャッフルし、同じ意見を集約しながら大きめのカテゴリーで括る
大きめのカテゴリーをさらに分類しながら、関係性(矢印や依存関係)やラベルをつけていく
今回のユーザーインタビューは、サービスの価値に関する調査や、今後の課題に関してなど、幅広くヒアリングしたため、大きく以下3つの領域に分けることができました。
【受講者が持っていた課題感】(オレンジのエリア)
【プロダクトの価値】(緑のエリア)
【プロダクトの課題】(ピンクのエリア)
さて、ここまで整理できると一旦区切りです。
その後は各領域で集まった意見について、アンケートなどの定量的なデータも加味しながら検討を進めていくこととなります。
例えば..
【受講者が持っていた課題感】は、ユーザー像のブラッシュアップに活用し、【プロダクトの価値】は、初期に作った価値マップの検証に、【プロダクトの課題】は、今後の満足度向上のための改善イシューに繋げていくような想定です。
おわりに
サービスの提供開始から2年ほどが経ってしまいましたが、初期の仮説検証を含めたユーザーインタビューとワークショップを実施できたことは非常に意味がありました。(あと良い経験になりました)
今回を機にメンバーの視界が整理され、議論が生まれ、新たな機能や改善計画に繋げていく話も進行中です。
今後は定期的にインタビューも実施しつつ、定量と定性をバランスよくウォッチすることで、より満足が高いサービスを目指していきたいです。
グロービスで一緒に働く仲間を募集しています!
日本発、世界をリードするEdTechカンパニーを目指すGLOBISでは、一緒に働けるエンジニアを探しています!
まずは、カジュアル面談を通して、あなたに合う組織かどうか確かめてみませんか?
https://recruiting-tech-globis.wraptas.site/