孤独との戦い：美術講師が描く介護支援専門員の表情

介護支援専門員として、元美術講師の女性を担当したことがある
彼女は、外に出ることを嫌がり、部屋に閉じこもっていたが、孤独は感じてはいないようだった
２ヶ月がたったある日、彼女が私に言った
「あなたを描きたいの」と
心の扉が開いた瞬間だった

荷物でいっぱいの部屋の奥から、まるでこの部屋のものではないような、きれいに保管されていたスケッチブックを取り出し、太いボールペンを握った
彼女はじっと私を見つめた
一枚、また一枚と、デッサンが増えていく
彼女の手元から生まれる線が、私には見えないものを描いているようで
私もまた彼女を見つめる

「あなた、綺麗な顔をしているわね」と彼女は言った
私は驚きと共に、温かさを感じた
彼女が描く私の表情は、私自身が知らなかった自分を教えてくれるようだった

彼女がデッサンを手渡してくれた
「また書かせてね」と彼女は言った
彼女との時間は短かったけれど 私にとって大切な思い出だ
孤独を感じながらも、彼女が描く私の表情は、彼女の心を表現したものかもしれない。
４枚のデッサンは、私の宝物となっている４枚のデッサンは、私の宝物となっている