【#学びの時間】 「長続きする幸せとは?」 〜前野隆司教授に聞く「人生100年時代」の幸せな生き方〜
「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」
前野隆司氏は、幸福には「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」の2種類があると述べています。「長続きしない幸せ」は、社会的地位やお金、モノなど、人と他人と比較することで得られる幸せであり、これらは長続きしないと指摘しています。
4つの「幸せ因子」
一方、「長続きする幸せ」とは、健康や環境による幸せに加えて、愛情ややりがい、自由など、お金では買うことができないものであり、前野氏はこれを「非地位財」と呼んでいます。彼の研究では、人間が幸せを感じる要素を因子分析し、以下の4つの「幸せ因子」に分類しています。
1. 「やってみよう」因子(自己実現と成長)
夢や目標を見つけ、それに向かって努力したり、成長したりしていくとき、幸福度は増します。逆に、「やらされている感」を持っている人や、やりたくない、やる気がないのに行動している人は幸福度が低いです。
2. 「ありがとう」因子(つながりと感謝)
周囲にいるさまざまな人とのつながりを大切にする人、感謝の気持ちを持っている人や、思いやりがあり、親切な人は幸せです。逆に、孤独感や孤立は幸福度を下げます。
3. 「なんとかなる」因子(前向きと楽観)
どんなことも楽観的に捉えることができ、常にチャレンジ精神をもって取り組んでいる人は幸せです。
4. 「ありのままに」因子(独立と自分らしさ)
他人と比較することなく、自分らしく生きている人は幸福度が高く、人と自分を比べ過ぎる人は幸福度が低い傾向があります。
さらに、前野氏は、社会貢献やボランティアといった利他的な行いと幸福度の相関関係が深いことを指摘しています。彼は、「自分がしたことで誰かが幸せになり、結果として社会全体が良くなって、みんなが幸せになる――。それを実感することが、自らの幸せにつながる」と述べています。
このように、前野氏の幸福学は、自己実現や人とのつながり、前向きな姿勢、自分らしさ、そして利他の心を育むことが、長く幸福でいられる社会につながると考えています。
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