中間振り返りなるもの
留学してからちょうど1年経ったので、昔よくやっていた中間振り返りをしてみようと思う。ネットサーフィンをしていたところ、以下のカテゴリーで振り返っていた日本人留学生を発見したので、パクらせてもらう。
授業
当初の授業で教員が何を言っているかさっぱり理解できなかったり、小グループでも全然発言できなかった頃に比べたら、確かに成長した。小グループ学習でcontributionが足りないと言われることもあるが、徐々に増やしていくしかない。生物統計学と疫学については、無知の無知からようやく無知の知になったという感じだ。もっと学問を追究したいという欲望にかられるが、自分にとって優先順位の高いものを取捨選択しなければならない。今年度は医療経済学や医療政策を中心に学んでいこうと思う。
友人関係
最近ようやく欧米人の食事会・飲み会に混ざる勇気が出てきたのは、成長なのかなと思う。Small talkも、とりあえずthat's greatとか言うのも(苦笑)、徐々に苦痛ではなくなってきた。また全然自覚がなかったのだけど、古い友人から社交性が上がったと言われるようになった。確かに日本にいた頃よりも会話の総量が増えている。米国にいると価値観の違いで怒られることが少ないので、気楽に話したいことを話せるようになったのかも。実は留学したことによる1番の変化なのかもしれない。
課外活動
1年目は目立った成果がなかった。それだけ勉強しているということなのだけど、課外活動もちゃんとやらなければいけないなと思った。僕が大学生の頃は今と逆で、勉強はほとんどせずに課外活動ばっかりやっていた。その結果GPAが3未満という弊害もあったが、リーダーシップ経験は積むことができたので。
キャリア
そろそろ将来のことを真剣に考え始めなければいけない。保健システム強化(Health System Strengthening)、その中でもService deliveryやHealth financingに興味がある。まだ絞りきれていない。あとGlobal ageingにも興味がある。いずれにせよhorizontal >>> verticalである。
MD+MPHだけでfinanceの専門家と名乗るのは、それを補うだけの職歴がなければ結構厳しい。もう少し若かったらPhDを取りたいところなのだけれど、MPH卒後すぐにフルタイムでPhDに進学することはないだろう。僕は学ぶことは好きなのだが、研究に全人生を捧げられるほど好きじゃない。飽きっぽい性格なもんで。あとグローバルヘルスなので、途上国の草の根を分かってない頭デッカチにはなりたくない。しばしば留学生が「あの(米国白人の)教員は草の根が分かってない」と陰で批判しているのを耳にするからだ。PhD至上主義な匂いは国際機関周囲からよくするので、いずれは取らなきゃいけなくなりそうだけど。
生活
アメリカ9ヶ月+カンボジア3ヶ月と長期に海外で暮らすのは初めてだった。生活のセットアップの面倒臭さには辟易させられたが、米国に住めたことは(経験という意味において)とてもよかったと思う。11月の米国大統領選挙は楽しみだ。また人生30年目にしてようやく料理を始めた(苦笑)のも、大きな変化だった。
その他感想など
この1年間は苦痛の1年間だったのは言うまでもないけれど、それと同時に癒しの1年でもあった。例えば英語力が上達することは、英語コンプレックスをときほぐすことでもあった。英語で20分程度のプレゼンをおこなった時は、僕もここまで来たものかと涙ぐんでしまった。アイデンティティ拡散と再構築を繰り返して、人は成長していくのだと思う。
あと30代の目標が1つ生まれた。漠然としているのだが、もっと精神性の高い人間になりたいという目標だ。自意識から解放され、他人から賞賛・非難・愛情・拒絶に一喜一憂することなく、うまくいっている時も、うまくいっていない時も、粛々とやるべきことをやれる。そんな人間でありたい。