エモリーMPH留学記:渡米前後の準備
渡米前に何を準備したか、渡米後にどうやって現地で生活を整えたかについて以下に書き記す。より詳細な情報はRSPH非公式日本語サイトや日本人MBA生が作ったサイトを参照のこと。
デポジットの支払い
ロリンスに合格した人は、4月中旬までに以下の3つの選択肢から1つを選ばなければならない。
① 今年入学する
② 入学を1年延期する
③ 入学しない
①や②を選ぶと約300ドルのデポジットを支払うよう要求される。しかしなぜか支払い方法が国際郵便為替(Money Order)じゃないとできなかった!!ゆうちょの窓口に行き、そのままEMSで送った。
ビザ取得
進学が決まったらまずおこなうべきである。なぜならトータルで2ヶ月ぐらいかかるからだ。F1ビザ申請のポイントは、I-20を一刻も早く申請することである。I-20の申請には英文の銀行口座残高証明書が必要なので、早めに銀行の窓口に行く。直近3ヶ月の取引内容も英文で要求されたが某M銀行は対応してくれなかったので、自分でExcelで翻訳したものを作成・添付した(幸いそれでOKだった)。1ヶ月ぐらいしてI-20が届いたら、他の書類もすみやかに揃えて大使館での面接予約をとる(そう、面接が必要なのだ!)。
住居の契約
ビザのめどがついたら、住居の確保をおこなう。エモリー大学の場合は院生は大学の寮には入れず、自ら住居を確保しなければいけない。大学から渡されるアパートのリストから選ぶ。米国に住んでいない限り見学できないので、口コミで選ぶしかない。最初はCampus Crossingという家具付きで電気・水道・ガスなどがプリセットされているアパートと契約しようとしたが、案の定人気でダメだった。結局、日本人が多く住んでいる家賃月1,000ドルぐらいのアパートと契約した。ちなみに入居費(初月の家賃も含む)をMoney OrderもしくはCheck(米国に銀行口座がないと作れない)で払えと言われて困ったが、最寄りのWestern UnionでMoney Orderを作ることができた。ただし徒歩で行くには遠すぎる。幸い日本人在校生の援助があり彼の車で行けたが、もし一人で手続きしようものなら往復Uberという面倒臭いことになっただろう。またMoney Orderを作るために、米ドルの『現金』が必要なので注意。
予防接種
母子手帳を引っ張りだしていつ・どのワクチンを打ったか記入したり、抗体価を測ったりしなければいけないので地味に面倒くさかった。僕は当時クリニックに勤めていたので、検査を自分でオーダーできたのがよかった。ちなみに日本はTdapが認可されてないので、DPTの10年毎のブースターが打てないことを説明する必要がある。渡米後にStudent Health Serviceでタダで接種できた。
車の購入
そう…車の手配が遅れてしまったことが大きな反省だった。アトランタに住むということは日本の地方都市の更に郊外に住むような感覚と似ている。上述のCampus CrossingやEmory Point以外に住むのであれば、車は必須である。私は山本自動車という日本人経営の会社にお願いした。代車も貸してくれて感謝している。
手荷物
男の単身の荷物であれば、郵送は不要である。服などいろいろ詰めても100Lのスーツケースと55Lのバックパックで十分すぎるぐらいだった。海外旅行が浦島太郎すぎて、世のスーツケースがTSAロック式になっていることを知らなかった。衣類圧縮袋が大いに役立った。EPSONのモバイルプリンターとscansnapのモバイルスキャナーを壊さずに持ってくることができ、地味に役立っている(I-94の印刷など)。ただネットであらゆるものが買える時代なので、本当に日本から持ってくるべきだったかと言われると微妙だ。
退職にともなう手続き
面倒だった。健保→国保→海外転出にともなう国保休止。厚生年金→国民年金へ移管→海外転出の手続き。前職で加入していた確定拠出年金の移管手続き。医師賠償保険の休止手続き…。
電気
Georgia Powerという電力会社と契約した。Social Security Number (SSN)を持っていなので、契約のためにNorth Dekalb Mallにある最寄りの支店に行く必要があった。そう…この支店に行くためにも車が必要なのだ。ちなみに電気・ガスの契約を終えなければ、アパートに入居はできない。
ガス
Infinite Energyというガス会社と契約した。ここは電話だけは契約が電話で大丈夫だった。
インターネット
Comcastというメディア会社と契約した。ここもSSNがないので、Buckheadにある最寄りの支店まで車で行かざるをえなかった。SSNがないと、米国での生活は非常に不便なのだ。ただ契約当日にwifi付きモデムをもらえたので、すぐにネット環境は整った。アパートによってはAT&Tと契約するという選択肢もあるようだ。
(追記) 2016年頃からGoogle Fiberが進出してきており、住居によっては第3の選択肢がある。
銀行口座
家賃や電気・ガス・インターネットの支払いのためには、米国の銀行口座から引き落とす必要がある。またこちらのガソリンスタンドは米国のデビットorクレジットカードしか受け付けない。大学のキャンパスから徒歩圏内にWells Fargoの支店があるので、そこで口座を開設した。他にはBank of AmericaやChaseという選択肢もあるが、少し支店が遠い。
買い物
アパートから徒歩圏内にWhole Foodsという健康志向のスーパーがあるが、高価格なので毎回そこで買い物をするわけにはいかない。車でTargetやKrogerやWhole Martなどの安価なスーパーチェーンに行く。日系やアジア系食材が買いたいときはFarmers MarketやH Martに行くが、アトランタ北部のNorcrossからDuluth方面にあるのでもちろん車が必要である。家具はIKEAで揃えた。あとはAmazon.comが便利。
食事
こちらでは外食が日本よりも高い。マズいピザを一人前頼んだだけで10ドルかかる(しかも円安の影響で割高感あり)。しかし実は高校の家庭科の授業以来料理をしたことがないので、途方に暮れている。幸い米国では安価な冷凍食品が豊富にあるので、何とか飢えをしのいでいる。ちなみにアトランタ北部には日本料理屋が点在しており、またNorcrossからDuluthまでのBuford Hwy沿いには韓国・中華料理屋がたくさんある。
(追記) 結局、自炊を始めたのでこの問題は解決した。
運転免許
Georgia Depeartment of Drivers Licenseのオフィスでコンピュータ試験と路上試験をおこなう。ただSSNがない場合は、その前にSocial Security OfficeでSSA-L676 (通称Denial Letter)という「SSNをもらえませんで証」をもらう必要がある。僕はSouth Dekalb Mallの隣にあるオフィスに行った(Norcrosにもあるらしい)。コンピュータ試験は過去問を問いて、無料の交通規則本をさらっと読めば受かる。路上試験は基本操作の確認(ホーン、シグナル等)、縦列駐車、車庫入れ、急ブレーキ、走行試験で20分ほど。減点方式で75点以上なら合格。僕は車庫入れでモタついたのと、縦列駐車と車庫入れでシグナルを出さなかったことで減点された。ちなみに路上試験の当日は自動車保険の証明書だけでなくImmigration documents一式も必要なので、要注意。
携帯電話
僕はHanacellという会社の携帯電話を購入した。渡米初日からお出迎えとの連絡や契約やらで電話をかける必要があったので、日本から買える米国ケータイが必要だったからだ。もちろん日本からsimフリーのケータイを持参したり、Softbankのアメリカ放題など、他の選択肢はありうる。
保険
医療保険は大学指定のものに入った。家財保険はアパートが勧めるものに入った(入居前に必要。ネットで契約可)。しかしアンブレラ保険に入るためには自動車保険と家財保険をいっしょに契約しなければいけないので、すぐに再契約するハメになった。この自動車保険だが、クレジットスコアがない外国人は初年度20万円ぐらいして高い。JALファミリークラブの保険が安いらしいのだが、出国前じゃないと契約できないと…。
(追記) 1年目に米国の銀行口座でクレジットカードを作ってクレジットスコアを貯めれば、2年目からは12~13万円程度の安い自動車保険に入れる。日本でのクレジットカード利用実績は、米国では関係ないので注意。
荷物の郵送
日本から荷物はEMS→USPS、クロネコヤマト→FedEx、Amazon.co.jp→DHLで配送される。EMSが安くで早いが、USPSはサービスがテキトーなので荷物の紛失に注意。荷物の受け取りにサインが必要なので、受取人が不在だとサイン用紙を扉に挟んでおいてくれる。FedExやDHLは、それにサインして扉に貼り付けておくと、荷物をleasing officeに置いておいてくれる。USPSの場合はPeachtreeにある集荷場まで取りに行くか、再配達の依頼をウェブ上でおこなう。
(追記) ちなみに当地から荷物の郵送は、キャンパス内にUSPSの支店があるのと、車で5分圏内にFedExの支店があるので、そちらに荷物を持参する。
まとめ
結論としては、もっと早く(せめて2週間前には)渡米するべきだった点、車の契約が遅れてしまった点が反省だった。MPH在校生のサポートがあったから、何とか強行軍を乗りきれた。あと料理は人が生きていく上で必須の技能である。これからアトランタに留学する方はぜひお気をつけを!
※1 筆者は2015年度進学者であり、この記事の情報は最新でない可能性があります。