MPH留学って意味あるんですか?

以前、公衆衛生学修士(Master of Public Health, MPH)留学を志した理由について投稿した。

しかし上記の理由はかなりパーソナルなので、MPH留学をしようか悩んでいる読者の参考にならないかもしれない。そこでもう少し話を一般化して、よく聞かれる質問に答えてみたいと思う。

MPH留学って意味あるんですか?

まぁ言いたいことはよく分かる。MPHという学位のことを知らない、聞いたことはあるが興味がない、ネガティブな話をよく聞く、留学しなくても国内で取ればいいじゃん、そもそも学位なんていらないじゃん…とか。

実際この質問には明確な答えは存在しない。というのも最初から話を覆すようで恐縮だが、この問い自体にあまり意味がないと思うのだ。というのも、ある人がある決断をした理由を聞いたところで、別の人がその理由に納得するか・価値を見出すかどうかは別の話だろう。本人が留学したいからするし、MPHを取りたいから取るわけである。主観的な判断である。悪く言えば自己満足の世界である。恐らく「意味あるの?」と問う人は、ある決断をするに足る客観的な理由を求めているフシがありそうだ。で、多くの場合はその他人の決断に懐疑的であり、同じ決断をしたいとは思っていない。まぁだからこそ、自らが納得できる客観的な理由があるのだろうと期待して「意味あるの?」と問いかけるのだろう。

何に人生の意味を見出すかなど人それぞれである。人間は常に客観的な情報に基づいて合理的な意思決定を下している訳ではない。なので「意味あるの?」という問いに納得する答えが返ってくることは少ないだろう。逆にMPH留学を検討してるあなたが周囲に「MPH留学なんて意味あるの?」とか聞かれても、相手を納得させてやろうとか考える必要はないし、そもそも無駄だろう。人は人、私は私である。

とは言え、MPH留学の客観的なメリット・デメリットは、以下のように挙げることができるだろう。まぁそれを知ったところで「MPH留学したい!」と心動かされることはないだろうが…。既にMPH留学に興味があったり、具体的に準備・計画を立てる際に役立つ情報なのだと思う。

MPH留学のメリット

① 教育内容は日本よりよさそう(ただし比較したことはない)
② 英語は多少上達する(ただし積極的にネイティヴにからむ必要あり)
③ 勉強に集中できる(働かなくていいので)
④ 外国に合法的に住める(旅行に行きやすい)
⑤ 外国で働けるかも(ただし運と努力が必要)
⑥ 外国人の友人が増える

MPH留学のデメリット

① お金がかかる(特に英米は授業料も生活費も高額)
② 仕事を辞めなければいけない(機会損失あり。円満退職するために職場には気を使う)
③ 準備が大変(1~2年は飲み会・合コンは控える)
④ 嫌でも外国に住まなければいけない(犯罪・トラブルに巻き込まれるリスク大。異文化に適応するストレス大)
⑤ (日本では)卒後のキャリアアップは望み薄(少なくとも収入は増えない)
⑥ MPHだけではスキル的に中途半端(しょせん1~2年間)

まぁ確かに、ある人がMPH留学を希望していて周囲が理解を示さないのは、仕方がないことなのかもしれない。でも別にいいじゃないか。

意味は自ら見出すもの

僕がオススメしたいのは、MPH留学したいかどうか、まず自らのInner voiceに耳を傾けてみることから始めてみてはいかがだろうか?恐らくMPH留学に興味がある人は、過去にそのきっかけとなった経験があると思う。その原体験についてしっかり省察するべきだ。何を感じたのか?どんなことを考えたのか?なぜそれがMPH留学につながるのか?そんなようなことを考えていると、留学するべきか否かが自ずと見えてくると思う。僕が愛読しているブログの著者だってこう言っている。

日本社会のイケてない点の1つに、こうした「◯◯したい」みたいなことを言う人間は無責任な奴だ、黙って(=自らの希望は我慢して)やるべきことをやる人間がかっこいい、みたいな風潮がまだある。周囲への遠慮の塊になり、自らがやりたかったことなど忘れてしまう。一旦そうなってしまった人間は「◯◯したい」みたいなことを気軽に言う人間が気に食わない。潰したくなる。だから「それって意味あるの?」みたいなことを言い出す。これは日本社会の閉塞感の原因の1つだと思う。でも不安定性が増している現代社会において、周りに流されて一生安泰に暮らせる保証などない。だったら自分のinnner voiceに従って生きた方がまだマシだと思うけどねぇ…

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Globedoctter's Diary
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