なぜ宮内庁は愛子さまに「ゾッとするほど気が利かない」のか
2019年に自ら生前退位という幕引きを選んだ上皇さまであるが、たまに見かけてありがたい気持ちになる暇もないほど頻繁にニュースで「お忍び」映像を見かける日々である。
昨夜も上皇夫妻の卒寿を祝う演奏会というものが催され、ファンサービスならぬ国民サービス精神に余念のない上皇夫妻は、総勢何名いたのだろうと思うくらいの日本のメディアオールスターの取材を許可してくださったようだ。
ところで、愛子さまが成年皇族となられてから皇族総出でお出ましになるたびネットで紛糾するのが、「並び順」「席次」的な話である。すごく簡単に端折ると、春風のように明るく照らすような光を放つ愛子さまはどこに座る(立つ)のが適切か?ということである。
ちなみに、従来の新年の一般参賀だとこんな構図となり↓
「皇位継承順」という概念で再整列をすると、以下の園遊会の構図となる。
ネットでは、
──“平成の時代、さーや(黒田清子さん:平成天皇の娘で皇位継承権はなしという今の愛子さまと同条件)はいつも常陸宮さま(平成時代の天皇の弟で、継承権あり)の前を歩いてたよね???園遊会でも、伊勢参拝でも、新年祝賀の儀でも!!!!!!!”
──“いつ法律が変わったのですか?どうして伝統を壊すのですか???”
と写真付きで抗議する声が上がり、宮内庁は皇族が勢ぞろいで並ぶたびに寄せられる苦情や問い合わせの電話対応に大変らしいが、そんな昨日のあくまで「私的な」親族行事の席次というと……
前列にゆったり、上皇夫妻・天皇ご夫妻。
後ろの席に、黒田夫妻・秋篠宮夫妻・愛子さま・佳子さま。
広い親族の集まりなんて、心から楽しめる人はどれくらいいるのだろう。そういう場って、少なくとも関係性の近い人や仲のいい人、あるいは家ごとに並びたいとか望んで普通だと思うのだけど、天皇陛下皇后陛下の愛娘の愛子さまは、ご両親の横でもなく、なぜか叔母君と従姉妹のお姉ちゃんの間。(私的な行事なのであえて一般語で綴ってみる)
セッティングした人、すんごい気が利かないか、こうするしかなかったのどちらなのだろう。などと思いながら次に不思議に思ったのは、二列目が8人がけなのに、最前列は4席しかないということだった。
いや、まあそこにもし固定の座席が4席しかなかったら、もうこうするしかないよねwww(二列目内の順番はさておき)
でも、そこで「おや?」と思ったのが、その会場とされていたのが、サントリーホールのような外部の施設ではなく、皇居の「桃華楽堂」ということだった。
なるほど。皇居内のイベントスペースなら、おそらくシートの数なんて、職員のアレンジ可能なのではないか?という仮説をもとに、どのような会場なのか、少しだけ探してみた。
結果。
200人規模の小さめの小ホールで、音大生が卒業公演などを披露することがあるということがわかり、おしなべて過去の演奏会の写真が何枚も出てきた。
桃華楽堂のホラー写真
①平成21年の桃華楽堂での演奏会は、最前列は6席だった。
②平成19年。最前列、5席。
③平成28年、最前列、8列。
なるほど。席数は「変えられる仕様」ということですね。
って、まじぃぃぃぃぃぃ。。。何気なく気になって2〜3回ググって、「ぎょ」っとする皇室関係のニュース、もう嫌なんですけど。。。
いやこれ、めっちゃ意地悪じゃん。
最前列を5席仕様にすれば、前列が天皇家と上皇ご夫妻。以下は後列。そう綺麗に収まるのに……と、目がシロクロ。
大人8人まで前列に座れる仕様なのに、今年は4人掛け???(笑)
前列だけソーシャルディスタンス続行中です!みたいな???隙間風吹いちゃいますよ。
演奏会なんて、ちょっと顔寄せ合って話せる距離の方が楽しいのにね。こんな感じに。
そんな謎座席の映像ニュースを流したネット上でも、なんで愛子さまが後ろなの?てなコメントが溢れ。
報道とは、たまに無益なようで、とてもありがたいファクチュアルな要素を含んでいることもある。時事通信は、この行事は「卒寿を祝うため、宮内庁幹部が主催」と報じ、日テレも「ご夫妻の卒寿を祝うため、側近や宮内庁の幹部が開いたもの」と丁寧に文字にしてくれていた。なるほど、私的な親族のお祝い行事だけど、宮内庁の幹部が企画・開催したものなんですね。ということは、ご主賓の意向を汲んでの席次ということか。
この「4座席前提」にしたがゆえに無意味に発生している国民のから騒ぎと、この「動く席」のアイロニーに気づいてしまったことに血が騒ぎ出し、こんな私的な出来事のどこに報道価値が?と思っていたのに、お、なんか結構報道バリューありそうな出来事になってきたじゃん、とワクワクしてもう1つの過去記事を何の気なしにクリックしたら、なかなかに怖いものを見つけてしまった。
椅子を一つ足せばよかっただけのことだった
2023年、11月。天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方が出席された「皇宮警察音楽隊の創設70周年記念演奏会」の産経新聞の写真。産経新聞は超高画質で、席が後ろからよく見えた。
なんだ。何かを「組み替える」までもなく、普通に動かせる「机と椅子」でできてるんじゃん、この一人用の席たち。
NHKの映像をもう一度見てみたら……
ところで、美智子さまは、お出ましになる前、報道カメラはどこにいて、どの角度からどう撮られるのかということに常に大変気を配られたという。
その?結果。主要新聞社の報道写真は以下のように。
面白いくらい同じ角度から、同じ範囲だけ撮影するんだなぁ。引きで撮って、参加した全皇族が映るように撮影した写真をトップに持ってくる社は少数派で、その多くが前列皇族を基本とした写真を採択したということですね。
どう映るか徹底的に事前に確認し、女優顔負けのこだわりを持たれていたという美智子さまは、「こうなる」ことをわかっておいでだったのでしょうか。後列の愛子さまは、カメラフレームからはみ出てしまうことを?
まさか、そんな。だって平成28年(2016)には、眞子さま佳子さまも一緒に前列に座らせてあげてる優しい上皇夫妻ですから。
ああ。きっと、やっぱりソーシャルディスタンスを気にしたのですよね。コロナに罹患されたばかり、ですし。でも、二列目以降は、キュンキュンですけど。