【’24振返り前編】ついでにあの篠原夫妻は皇室ネタでおいくら稼ぐか試算してみた。
noteを立ち上げて半年が経った。始めた理由は諸事情あるが、2024年の6月に沼すぎた原稿を手放し、濃淡あれど通算5年くらいずっと一つのことを考え続けてきた反動なのか新しい一つの原稿にじっくり取り組もうと思っても尻が落ち着かず、昨日はこれ、午前はこれ、夕方はこれとぽこぽこ湧いてくる欲求の前に心があちこちに分散していく自分を感じ、だったら思い切って衝動が収まるまで小さくちぎったさまざまを書き尽くしてみようと思ったことだった。
皇室関係の文章をメインで書いていくつもりは全然なかった。ただその頃にちょうど英国王室への国賓としての訪問があり、目の前を流れていく違和感ありまくりのニュースに憤慨し、このあ報道を皮肉ったれと、そこまで書き散らしていたものは脇にザーッと寄せ、勢いであれやこれやと書き始めたことがきっかけだった。その時書いていた皮肉ったれ記事群(通称)は、このあたり。
最初、英国訪問報道を皮肉れるのは、単に一時的な情報の優位性がなせることだと思っていた(欧米の大学がどんな場所か知っていて視界が良く、あと現地の言語でも調べものができるという)。だから、いうてシーズナルなことで、それが終わってからも皇室ネタについて書き続ける(ほど切り口を思いつく、企画が出てくる)とは思っていなかったのだけど、触っているうちに不思議となにやかにやらが湧き水のように出てきて、意外と英国訪問的が終わっても、ちっともアイディアには困らないことに気がついた。
そして、出来事的なトリガーにのっかるものでなくとも自分が感じていることを丁寧に洗って自分のペースでふと書くだけでも、意外と需要があることを知った。
わりとタイムレスな切り口でよく読まれた例:
そんな感じで、今では皇室に関してアイディアと切り口だけでいえば常に10記事くらい頭に浮遊していて、それを実際に書いて完成させることが追いつかないうちにまた新しい皇室ネタを見つけてしまい、次に書くはずの記事の優先順位は日々変動する状態。
皇室ネタは反響の深さが違った
何を書いていくかもはっきりと定まらずにはじめたnoteだったが、この5ヶ月皇室関係の記事を書き続けられたのは、ひとえに反響が大きかったから、だった。皇室関連記事・コラムへの熱量は、エンタメ評論や文芸解説の段違いで、PVとかいいねの数だとか目に見えやすい定量的なもの以外でも、よくコメントがついたりとか、SNSのシェアで嬉しい言葉をいただいたり、DMで感想を伝えてくれる人までいて、このテーマに対してはメディアが💩すぎるために消費者側が飢餓状態にあり、知りたい欲と与えられている情報のバランスがあまりにも取れていないからこそすごく深いニーズがあることを強く感じた。
読んでくれる人がいる、という感触は書き手には相当なエールとなるもので、励みにさせていただいたtweet / commentをちょっと紹介させてくださいまし。
10分で読むもの、何時間かけて作られる?
とはいえ質の伴う記事を書くにはリサーチと執筆・編集と多くの工数がかかる。ところで、私は「皇室ブロガー」ではない(文章を書くことは仕事)。だから情報として載せられればよいと割り切って文章の完成度を度外視した記事を書けるわけでもなく、公開してきたものの中には8時間で完成するものもあれば、ひと記事40〜50時間以上かかるものもある。
そんなにかかるの?と思われそうだけど、ふと見つけた事や情報からどんなカットの記事にしようかリサーチ・肉付け(事実の確認)をしながらああでもないこうでもないと逡巡し→執筆・編集して完成させるって、編集部が3人がかり(編集者・ライター・校閲や入稿作業やSNS運用などの広報業務)でやる仕事を一人で全部やるという状況のため、それくらいかかってしまうのである。
ちなみに、皇室関係の記事の過去半年の実績は以下の通り。7月(8記事)→8月(3記事)と緩やかに下がり、ちょっと色々ありすぎた9月は死に絶え、10、11月、12月は月2本のペースで続いた。
・7月8記事(量産)
↓
・8月3記事(減少)
↓
・9月0記事
↓
・10月1記事
↓
・11月2記事
↓
・12月2記事
記事の完成は、世の中と対話するはじまり
ところで、ウェブで「我思う」をただ書き、その文章が「読まれる」状況を作るという結果は、書く能力と流通能力が高いことの二種類に分解されて、書くことと届けることは、完全に別の能力だと思う。往々にして、書きたいことがそんなにない(もしくは浅い)人の方が世の中と対話するPR能力が高く、思想家としての個性が豊か(アーティスト濃度が高い)人ほど器用に世の中と対話しにいけないのだと私は思っているのだけど、まあ現代の表現の場において、ある程度一人で両方やれないと話にならなかったりするんですよね……。そして現代の表現の場においてSNSは土手の飛行場。テイクオフに成功すると紙ヒコーキは遠くまで飛んでいき、失敗すると……(以下略)。ちなみに離陸に成功したケースはこのへんで、
失敗して(多分思い入れ強すぎる方がつんのめって失敗するんだよ、、、)悲しい思いをした記事はこのへんwww 恥を忍んで公開しますよ。
イテテ。
ツイートのなかにはURLを載せない方がインプレッション伸びる(記事のリンクは2個目のツリーにおいたほうがいい)とか、この辺のアルゴリズムやツイッターノウハウは色々聞くけど、でも、結局ツリーの一個めがバズってもそれ以降のツイートは全然見てもらえないこととかもあって、今はやっぱり1本にURLまで置き切ったツイート伸びるに越したことはないように思うんだけど。この辺りは試行錯誤して失敗しながら学び中。
と、なぜ私が届けることにこだわるか。それは読まれることでその文章は命を持っていくからである。文章を書くことで終わりではない、流通してはじめてその文章は存在したことになっていくから 。
ちなみに一番読まれたと先ほどあげた記事(「金で他人に論文を書かせる天皇。秋篠宮家より前にそれを始めた人がいた」)は研究者としての上皇陛下のやり方というか、生き方と、メディアがそれをどう報じてきたかに疑問を呈した記事なのだけど、10分程度で読めるこの文章は約1万3千のPVがあり、スキ数やコメント数を考えると読了率は60%くらいあるんじゃないかと思う。で、その「文章」の前に、世の中の人がどれくらいの時間を使ってくれただろう?と思うと、私は、1300時間、その文章を人が読んでくれたということだと思うのですね。
(13,000×60%×10分 / 60分=1300時間)
40時間は多い、でも私はその40時間が1300時間になるのなら、その時間は費やす意味があるじゃない?そして私はその1300時間のために書きたいと思う。
そして、それが100時間で終わってしまうか、500時間で終わるか、1000時間を超える報われを感じられるかは、「文章を書く」ところにあるんじゃなくて、それを「届けようとする努力」のほうにある。この情報の洪水のなかで人がある文章に出会うというのは一種のセレンディピティなわけだけど、人は水面に漂うもののなかから、何に手を伸ばそうか考えるから。
反応がたくさんついたツイートは多く人目に触れるように、アクセスが多くGoogleに高く評価されたコンテンツは検索の上位に表示されるように、それがウェブの情報の洪水のなかで、「水面に浮いている」ということだ。でも、その水面には限りがあって、浮いていられるほんの一部のものに対して、水中に死屍累々と沈んでいるものがその大半であるのが残酷な現実。まあ、みんなが海の底を探しにいくのが大好きな物好きダイバー達だったらそれでもいいんだけど、残念ながら多くの人は、目に入りやすい場所にあるものから何に手を伸ばすか、決めるわけで。
だから私は、どうしたらこのURLクリックしてもらえるんだろう、どうしたら記事開いてもらえるんだろう、と必死にその土手で考える。それがその文章が世の中に存在する時間を、非情なまでに左右するから。
皇室をテーマに発信する人たちを考える──それは経済活動か、あるいはボランティア活動的か
ところで、一億みな情報発信者となった現代、世の中には皇室トピックでブログやSNSや動画を駆使しさまざまな発信をしている方がいる。今日は一度、その人達の一つの「違い」を説明したい。
皇室系YouTuberの筆頭といえば篠原常一郎氏かしらと思うのだけど(フォロワー30万人を超えるYouTuber)、YouTuberは要は再生数やアクセスでお金を稼ぐから、発信自体が経済活動──ということくらいはみんな知ってると思うのだけど、その稼いでる額って、多分思われているより高いんじゃないかなと思っていマス。
たとえば篠原さんは、夫婦で年間何千万と稼いでいらっしゃると思いますわ。以下に、勝手に収益を計算してみたよ。(ざっくりですよ)
私は投げ銭とかよくわからないのでそういう端ものは一切省いたシンプルロジックで計算していますが、いずれにせよ、以上の①②③④の収益源を合算すると、ざっくり6000万円前後という試算に。そこから取材調査費やアシスタントに払う人件費、配信機材や通信費やらの諸経費引いても、それでも年収数千万は残ると考えるのが妥当に思え……まあ人様の懐具合を推察するのは品がいいとは言えないのでこれくらいにしておくが、彼らは本当にそれがビジネスなのですよ。皇室は一家総出の家業、もはや。
また、YouTuberという形でなくとも、自らドメインを取ってブログプラットフォームサービスの外に独自サイトを立ち上げ、独自にやられているサイト(例えばエトセトラ・ジャパンさん、自称元宮内庁職員のブログなど)も、広告収益の入る経済活動である(利益のほどは不明ですが)。
他方、「お金にしていない活動」(少なくとも一見して課金構造があるように見えなかった)のブログ活動は、以下である。
・「列外派星くず日記」
・「霧の向こうのプリンスアキシノ」
・「皇室問題INDEX」
・「どうしてもいいたい」
こちらはいわゆる古参の皇室ウォッチャーの方々が、皇太子一家バッシングが吹き荒れる平成の皇室報道の最中に、事実を正しくキュレーションしよう、誹謗中傷ではなく事実と根拠を元に批判をしようと立ち上がったものが多く、いわゆる市民ジャーナリストマインドや批評家精神が高い方によって運営されている。しかしこれらは、書き手の経済的利益にはならない、ボランティア活動に近いもの。
(ブログプラットフォームを使った個人ブログなら常に無収益というわけでもなく、アメブロやライブドアブログは広告が出るので、そのあたりでカテゴリ一位を取る方あたりの皇室ブログはお小遣い稼ぎくらいにはなっているのではないかと推察致しますが)
無償活動だから尊い、ちまちまもガッポリも経済活動にしているものは悪だと言いたいわけじゃない
ところで私は、「無償活動だから尊い、そして経済活動にしているものは悪」と思っているわけではない。というか、その行為がそれ単体でサステナブルであるためには、それ自体が経済活動になるしかないと思うし、またそうであることからしか、その質を継続的に向上させていくことも難しく思う。
ところで、先ほど言及した古参の皇室ウォッチャーの方々がやられている皇室ブログは、どれも始められたのは2013年や2014年と今より10年も前ですが、それぞれ素晴らしい足跡を残されながら今も更新を続けていらっしゃるのは一つだけ(列外派星くず日記)ですね。これがどういうことか。調べる事、書く事がそれ自体で経済活動ではない場合、良質なアウトプットを長く続けるというのはやっぱりきついのではないか、という事です。
ところで、我田引水なようですが、皇室に関する文章を書き始めてから、皇室ネタでお金を稼いだことはありません。(※)
noteは一般的なブログプラットフォームとは違って広告が出ないスタイルのため(だからスッキリして見やすいと思う、うじゃうじゃ出てくる広告で視界が隠れることがなくて)、noteで収益活動を行うのは記事を販売する方法(限定の有料記事にして売る、サブスク形式で限定アクセスものを作る)しかないだが、有料の限定記事にした時点でどうしたって購入してまで読まない人の方が多いわけで、それは一人でも多くの人に読んでもらいたいという目的とは逆行したものになってしまうからである。
ただ、この半年で皇室関係の文章を書くのに約400時間使い、これを仕事外の活動として続けていくのは持続可能なことでもないな、と思うようになった。ちなみに、その400時間を仮に東京都の最低賃金で換算すると、約47万円(1163円*400時間=465,200)。
仮に時給2000円で労働に従事したらその時間は0円か80万かという違いになり、通常は時給3000円〜5000円水準で仕事をしているなら、その機会費用は120万〜200万と簡単に増えていく。ひぃ。皇室ネタで文章書く以外の能力カードでいくら稼げるかという答えは置いておき、いずれにせよ私はフリーランスなので、経済活動としての仕事をしなければその分収入は直接的に減るということは事実です。
そう、つまり皇室について書けば書くほど、私は貧しくなります。苦笑
悲
報
私のnoteを前から読んでくれている方は、私が皇室というより皇室報道の方にことさらやるせない感情を抱いていることはお察しの方も多いと思うのだけど、私がいわゆる大手マスコミのサラリーマン記者に対してほとんどブチ切れているのは、職業ジャーナリストは、そのトレードオフを迫られることなく皇室について取材し、意見を持ち、報じることができるはずなのに、実質的にその責務を果たしてくれないから。そのおかしさに嫌気がさすのである。
オールドメディアに寄稿 vs 自分をメディア化するか──発信者の岐路
ところで、自分自身をメディア化している皇室YouTuberさん、皇室系情報発信サイトと私の違いには、それ自体が経済活動か否かという比較軸以外に、もう一つ大きな違いがある。マスメディア(オールドメディア)をどう捉えているか、である。
例えば篠原さんは、どこかのメディア──たとえばNHKやフジ──に自分の発信物や自分調べの情報を提供したいだなんて思っていないと思う(「篠原常一郎調べ」って大きくクレジット入れてくれるなら別かも)。なぜなら彼自身にとってはマスコミなんてもはや乗っかりたい対象じゃなくてそこと差別化を測りたい競合でしょうから。
一方、私はどうか?
半年前は、皇室ネタでそういう欲はなかったんですが(その意味でメディアが遠かったからこそ素直に皮肉れまくれたってのはあるかもな……)、でも今は、時と場合に応じて、載せたい時はメディアに直接寄稿できるように早くなりたいと思っている。
なぜなら、そうすることでしか変わらないものがあると思うようになったから。
▷▷「【#2024年振返り後編】ついでにメディアが報じない名誉博士号の話全部書きます」に続く
(※)P.S このnoteを書き始めた2024年12月1日時点で1円も稼いだことなかったけれど、年末に投げ銭をnoteのチップ機能にて送ってくれた方がいたので、100円稼いだことがある、になりました☺️
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