そのお心、帝王の器を感じずにはいられない。愛子さまのお誕生日に感動した理由
12月1日はなんの日だったでしょうか?天皇陛下・皇后陛下の唯一のお子さま、敬宮愛子さまのお誕生日です!
1週間前に気づいているほどではないが(でも来年はもうバッチリですわ!)、前日には「イブですね!」「明日は!」などとの皇室ウォッチャー界隈の相互フォロワーさんたちのおかげで、「そうか、明日が……!」と気づくくらいの皇室ウォッチの浅瀬にいるわたくしは、零時が近くなってくる頃には、少しそわそわ。
このところ朝起きてツイッター見たら日常的に皇族の名前がトレンドに入っていたりすることも多く(4年前にはそんなの考えられなかったような光景)、そんな状況なのでいやもう絶対明日は一日中「愛子さま」「敬宮愛子さま」祭りなんやろなと思い馳せ。さてなんて書こー!とはりきって思いめぐらせるもあれもこれも言いたいことが散らかってこれということが定まらず時計の針が零時を回った頃、タイムラインに愛子さまの宮内庁提供写真が流れ始め、どれどれと最初に目についたポストに目が釘付けになってしまったわ。
一言で言うなら、「えっ???これ???」
いやぁ、なんとなく、いつものフォーマルな時のご公務の時の愛子さまを思うと、ピンクのスーツとか、光沢のある白いスーツかなにかで出ていらっしゃるのかしら……と無意識に思っていたのですが、出てきた愛子さまは、地味と紙一重の、ごくごく控えめの濃紺のトップスにグレーのチェックのスカート、アクセサリーはミニマリズムに近いくらいの小粒なもの。
色白の愛子さまが微笑んで和紙に手を伸ばす仕草とか、動画で見るとすんごいお品格でうわぁー!!!品格ってパールのネックレス要らなかったんだ!スーツも帽子も要らなかったんだわ!!!!と驚愕なんですが、ちょっとこれ、もはや衝撃だった。
年がら年中お写真撮られまくっている皇族といえ、自らのお誕生日ポートレートというのは、少々気合の入るイベントだとは思うのですよ。たとえば、去年の佳子さま29歳のお誕生日の場合。
佳子さま28歳を見ると意外とお洋服はカジュアルであったのですが、お誕生日たるものきっと華やかな装いで……と無意識に思ったのには、ちょうど前日の秋篠宮殿下のお誕生日の発表でご近影として出された家族写真の佳子さまが鮮やかな全身ブルーと同色のパンプスのコーディネートで登場されたことが記憶に新しかったことも理由かと……
さて、今年の愛子さまのお誕生日のご近影を再掲。
「楚々とした」という形容詞はこれか。お品格、とはこれか。と広辞苑にこのまま写真で掲載しておくのはどうでしょうかと言いたくなるお写真達だと思うのですが……この地に足のついた皇女の品格というのですかね。
このお写真からは、一年で一番綺麗な私を見せたいと思う意識はかけらも感じられない(そんなアホなこと言ってすみません)。それどころか、まるで、たわわに実った柿の前で季節の訪れと豊作を慶び、また一年誕生日を迎えられました、国民の皆さんに感謝、と言ってくれているかのよう……。
でも、23歳の女性ですよ。愛子さまがご公務で華やかにされている時を知っている人こそ、この静かな微笑みをたたえたお誕生日写真にびっくりしたはずなの。
望めばどんなお洋服でも着られると思うのですが、ご公務のエレガントなフォーマルファッション(ゴロンとは寝転がれなさそうなスーツ)は、相手へのマナーや敬意であって、自分のお誕生日は普段着でさりげなく微笑むって……それって言うは易しの、すごく難しいことだと思うのです。だって皇族も政治家も美しすぎる内親王とかなんとか勝手に点数つけられるしね。そんななかで二十代前半の女性が、「一年で一番綺麗な私を見せたい!」と意識することもなく、さりとて気張らず、自然体な格好で「お誕生日のご近影」を撮れるというのは。
「開かれた心」が映ってる
お洋服も、なのですけど。華やかで美しい、つまりは鎧となるような装いをさりとて必要としないところに私は愛子さまの開かれた心を感じ、そこに感じ入ってしまった。
開かれた、とは、どういうことか。過度に防御せず、またよく見せようと背伸びもしない心、なぜなら「ありのままの自分で国民とつながり、その上で受け入れられる」ことを知っているから──。それは相手を信頼し、自分を信じているからこそできること。そう、この写真は、愛子さまが微笑みかけるカメラの向こうの国民と愛子さまの幸せな関係の象徴のよう。
でも、その愛子さまの「開かれた心」というのは、一朝一夕に培われたものではなく、こんな23歳に至るには(この落ち着き、3年くらい間違っていないかしら???)、やっぱり親御さんの導く力というのはとてつもなく大きかっただろう、と思うのです。
思い返せば、成年会見。30分に及ぶ会見の間、ほとんど紙に目を落とすことなくはつらつとした気品で国民の心を鷲掴みにしたあの日。
若草色のスーツに桜や百合の花が映えていましたが、ところで天皇家は毎度のことながら、場に調和した装花のセンスが素晴らしいのですよ。
下記画像内の左上は、皇太子妃時代の雅子さまのお誕生日会見。インナーと花瓶の色がリンクされ、絵画のよう。左下、聴覚障害のアスリートの方々を皇居に招かれた公務にて。部屋の隅に移り込んでいる山吹色の優美なお花が、そっと場の空気感を柔らかくも格調の高いものに。右は即位の時のご近影。背丈のある立派な草木をふんだんに使ったあしらいは、凛とした気品と瑞々しく澄んだ空気感を表現するかのごとく、新しい治世の始まりを感じさせる。
桜や百合を基調とした若さあふれる成年会見の時のお写真の装花と、どれもお花の個性がそれぞれに違うと思いませんか?
これが、お金があれば誰でもできる……ではないことは他の皇族方の記者会見映像を見れば明らかなのですが(どなたかをディスることを目的としてはいないのであえて比較映像はあげませんが..)、私はこの「場をどう装うか」という知性には雅子さまのセンスが大変に反映されていると思うのです。
一人娘である天皇家の内親王の成年会見は、見守ってきてくれた国民へのお披露目でもあり、国の慶事でもあるから、はつらつと華やかに。公務で皇居に人を招く時は包容力のある優美なお花でお出迎え。
それはやっぱり、一括でケチる志向(←)ではできないことだと思う。華やかにすべきこともあり、そしてそうでなくてもいいこともあり。そのメリハリのつけ方というか、TPOの理解の仕方とその理解の表現の仕方。それはやっぱり、親御さんのなさりようを見て、自然と学び、受け継がれたものであるように見える。
愛子さまが素晴らしいのは、ご両親である天皇皇后両陛下が素晴らしいから。
そして、ご両親は、婚約会見、毎年の結婚記念日の会見、お誕生日と「自分の言葉で、話す」ことを大切にされてこられた方々です。
ただ姿を見せるだけでもなく、国民の前に出ることを通して、国民と対話することが務めというスタンスを継承されたのが、あの愛子さまの成年会見につながったのではないでしょうか。成年会見では事前に提出された5問に加え、アドリブでも3問の質問にお答えになり、30分の会見録はなんとA4で6頁にも及ぶといいます。もちろん緊張されたでしょうが、二十歳にしてあんな会見ができる人はそうはいないでしょう。
愛子さまが向ける微笑みの先に向ける「信頼」とは、きっと緊張されたであろう成年会見から、卒業式、赤十字の初出社の会見、初の地方単独ご公務と、その都度誠意を持って向き合うこと、自分の言葉で語りかけ、そして受け入れられると感じることの小さな積み重ねの上に、愛子さまが心の内につかんでこられたものに思えるのです。
その上で、国民の皆さまにお誕生日の感謝を伝えるためにさりとて特別な装いは要りませんと、自然と思われたのではないかな……と(百合子さまがご薨去してまだ間もないことは、色味を抑えたお写真を選ばれた理由の一つだったのかもしれません)。
愛子さまと国民の幸せな関係
そしてそのご近影の手元にあるものは、 初の単独地方ご公務の地・佐賀の工房で、ご自分ですかれた和紙でした。
これはもう、佐賀の人たちは歓喜したんじゃないでしょうか。そう、佐賀県は、今年愛子さまが、初の単独地方公務で国スポをはじめとする行事に赴かれた場所ですね。
その和紙に手を伸ばし、そっと微笑まれる愛子さま。
私は思わず、讀賣新聞の記事を思い出したよ。「高揚感で街を包んだ笑顔」ってすごく素敵な日本語ですよね。
なんだか私まで、ジーンと嬉しくなってしまいました。
一つ一つのご公務に心を込めて準備をして臨み、そしてその場所での交流や思い出を、大切にされているんだなって。見る人みんなそう思ったはず。
この循環性。すべてをサラーっとこなしているだけじゃない、心を込めて準備をし、臨み、そして終わった後も、そこでの思い出を大切にする。
これは、献上されたご当地アクセをご公務につけてって差し上げ、広告塔になってあげて完売御礼を誘発!ってこととは全然違うと思うのですよ……。
もうこれは、敬宮さまの完勝ですわ。誰に?誰かに、じゃないです。
強いて言えば、愛子さまに寄せられる期待に完勝してしまっている、と感じるのです。
期待を軽く超えていく、みんなが「こんな感じのが見れるのかな〜?」とワクワクしている位置を、軽く飛び越えていく。
また一年、敬宮愛子さまがお健やかな一年をお過ごしになられますように。
<終わり>
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