ストックコントリビューターのためのモチベーション維持術
先日ピクスタさんから、こんなアナウンスがありました
序章
私はこの時間は家族タイムなので見る事ができませんが、私なりのモチベーション維持に関して書いてみたいと思います。
ちょうどピクスタさんを始めて4年、最初の1年ちょっとは写真のみで、イラストを登録したのが2017/6/26なので丸3年になります。その間登録したイラスト点数は1万点。
年間3333点、毎日登録したとして一日あたり9点登録したことになります。土日は朝家族が起きる前はPCの前にいますが、概ね休んでいますので、本業の平日の隙間に作っていることになります。
(追加)
Adobeストックさんを見ていたら、あー一年目ってこんなもんだよと思ったのでグラフを貼っておきます。
今は毎日5000円は普通にDLされますし、多い時で1万円越えがあっても驚きません。土日も休むことなく売れてくれて1000円とか普通に越えてくれますが、一年目のリアルな数字です。
8000円にも届いていません。
この時は写真オンリーでした。
ピクスタさんも投稿上限にひっかかるわ、リジェクトではねられるわという感じでした。もっともサラリーマンとの副業でしたが、投稿枚数が少ないとどうしても結果がついてこないのです。
私の場合イラストもありますが、多くは素材系でバリエーションも作りやすいので点数を稼げるという事情もありますが、それでも年間制作量は多い方なのかなーと感じています。
ピクスタさんで言えば登録クリエイターは30万人を越すのにやめてしまう人が多いと聞きます。実際ランキングはコツコツ登録していけば、あっという間に3桁、1000位以内になることができます。
それが何故続かないかはストックイラスト、ストックフォトのビジネスとしての性質を理解していないんじゃないかと思うのです。
ストック作品は不動産経営に似ている
簡単に言うと5000万円のマンションを買って貸しても元が取れるのは20年とか後ですよ、ということです。
クライアントから発注された作品であれば、原価と必要な時間から制作料金を割り出します。基本的に作った物はそのまま流用はできませんので、赤字にならない利益が出る計算をする必要があります。
このイラストはドコモさんの現在使われているキャラクターですが、販促活動のために作られたキャラクターで当然ドコモさん以外では使用できません。画像は公式Twitterより イラストレーター久保誠二郎さん
しかしストックの場合は不特定多数のクライアントに使用権を一定制限しながら使ってもらうので、割安で貸し出しているという形になりますので例えばドコモさんで使われた後にソフトバンクさんで使われても全く問題がありません。(クライアントからの発注価格と同じじゃストックの意味はありませんよね?)
広告でアパート経営とかマンション経営って聞いた事がありますが、買った値段で「借りて」くれる店子は当然ながらいません。現在の不動産市場だと概ね買った額の5%以上が年間家賃なら良い物件と言えるそうです。
つまり、5000万円の価格の不動産ならば、年間家賃が250万円(月208333円)なら良い物件ですね。逆に言えば利回り5%ならば投資したお金を回収するのに最低20年必要だということです。さらに税金や修繕費は含まれませんから投資したお金が回収されるのは25年後とかになったりします。もちろん初期投資の購入価格を家賃でペイできれば、その後貸し続ければ利益を生みますいし、売ればもっと高額なお金が入ってきます。
不動産ですら回収まで20年とか25年かかるんですから、イラストを描いて写真をとってすぐに利益が出るのが大変か想像できると思います。が、実際は良い作品、時事性を掴んだ作品とかですと数ヶ月、数日でペイしてしまうケースも結構あります。
この写真ピクスタさんでは一つも売れてないのですが💦アドビストックさんでイラスト作品を寄せ付けない売上を作ってくれています。
ピクスタさんの名誉のために書いておきますが、私の古い作品はタグもタイトルもビミョーです。情報量が少ないので検索でかかってない可能性も大です。
今他社さんに登録するのに古い作品を見ていますが、タグが貧弱すぎて修正をする予定です。
シャッター速度が1/400とかでしょうから、時速に直すと時給100万円以上とかになるはずです笑
お散歩の途中に空がキレイだなーと思って持っていた一眼レフで撮っただけなのでコストらしいコストはかかっていません。
私は現在メインに登録してるのが3社ですが、それぞれ売れ筋の販売金額を点数にかけたら軽く年収2000万を越えます。それができてないのは売れてない作品が如何に多いか、売れてる作品との差があるかってことなのです。
10000点も登録していると日々きちんと売れてくれて、土日でも報酬が1000円を切る事はまずありません。トータルの売上は明かすほどじゃないにしても仮に毎月10万円売上があった場合、不動産の例に当てはめれば
10万円×12ヶ月×20(不動産の利回り5%)で2400万円の資産を持ってるに等しくなります。
月に20万ならば5000万円の不動産を持ってるに等しくなります。マイクロストックがはじまって10年程度なので、20年売れ続けるかは不透明なので過程の数字にはなってしまいますが、数年ストックをやられてる方は去年一昨年に作った作品が売れ続けているのをご存知だと思います。
逆に作ったはいいけどアクセスもないし売れない、アクセスはあるけど売れないって作品も出てきます。それを経験していれば次に作る作品が自ずと分かってきます。
テーマは良いのに作品の方向性が違う、絵が単純に下手等々と自分の作品を客観的に分析する事ができるのもストックの面白さです。
5000万円キャッシュを貯めて不動産買う苦労に比べたら、毎月20万程度稼げる作品を作るのは圧倒的に楽です。
売れてくると冒険ができます。
自分が作っていて楽しいと思えるものを作ったり、定期収入があるので焦らずに作品と向き合う事ができたりします。
楽しいなら続けられます、よね?
それすらできないなら向いてないってことで諦めて違う道を選んだ方がいいです。
今は新築戸建てを建ててローン払って住んでいますが、その前に中古マンションを買って住んでいました。そして、それを賃貸に回していたのですが、先々月退去されました。
よって不動産収入はゼロです。
ストックならストックサービスを分散していれば、どこかが潰れてもいきなりゼロにはなりません。
かつてメーカーにいた事があるのですが、新商品を出すには開発費から製造までに至る間に物凄い時間と金がかかります。そして売り込むための営業経費も展示会費用等も必要です。ものにもよりますがミニマム数千万円かかります。
それに比べれば特にストックイラストは天国なのです。
ストックフォトは風景のようなものでも移動費がかかります。出かけたはいいけど天気が悪い、晴れ間が出てこない、人が多すぎて撮れないってザラです。
物撮りなら物を買う必要がありますし、物によっては1時間数千円必要なスタジオ経費も必要です。売れ筋の人物を撮ろうと思うと万単位の出費が必要です。
この写真は埼玉県の秩父の雲海を撮ったものですが、前泊して早朝から撮影したものです。天気予報を見て大丈夫とは思いましたが曇りだったら、雲海が出なかったら完全に移動費宿泊費の投資がパーになっていました。
はじめたばかりの人はコンビニの棚の下にある目立たない商品以下です
コンビニの商品数は凡そ2500~3000点といわれています。CUPNOODLEならばオリジナル、シーフード、カレー、トマトと4種類見る事が多いので、4/2500な訳です。カップラーメンに限れば15種類程度でしょう。よく目に入るわけです。
一方、現在国内最大手のピクスタさんでも登録点数は52,412,339点(2020/6月現在)です。10点投稿しても5200万点のうちの一つです。日本の人口の半数の中から10人探すとなったら気が遠くなります。
なので皆さん口を揃えて1000点ほど出せば掴めるというのは目に入らないと何も起きないということなのです。
ストックの最低額は本の印税と近似です
各社ストックには色々なプランがありましてスタートしたては、定額制で売れた場合概ね各社50円以下が多いです。
仮に2時間かけて作った作品を時給で考えれば2000円のコストをかけたのに50円じゃ割りに合わない、と思うのも当然です。しかし100点売れれば5000円になりアルバイト以上の時給になるわけです。1000点売れれば5万円です。
最近鬼滅の刃が話題になりましたが、6000万部を突破したようです。一冊420円位のようなので印税は42円です。それが6000万部なら軽く20億円を超えるわけですね。
200ページとかの作品を描いて一冊42円、イラスト1点よりも悪条件ではないでしょうか?しかし需要があれば売れるというのは全く同じで数十円を積み重ねていくという事は本や音楽の印税と全く同じなのです。
しかも、ストックが本と違うのは、本は出版社の都合で廃盤になったりしますがストックにはありません。さらに時折エクストラライセンスで売れて1万円に近い額で売れたり、ピクスタさんで言えば出してる作品のアレンジを依頼されたり、イラストレーターとして直案件を取れたりすることです。
実際私も中目黒~渋谷をエリアとする、と謳ってるので写真撮影の依頼がきたり、イラストをアレンジしてくれ、とか海外からわざわざシャッターストックさんで見かけた画像の大きいものが欲しくてピクスタさんで連作先を見つけて依頼された、なんてことがあります。
イラストでクライアントを掴むというのは、とても大変な事です。
信用がない状態からなのですから。
そのポートフォリオにもなってしまうのですからイラストで食べて行きたいならば大きなインセンティブ、モチベーションになるはずです。
余談:売上はとりあえず気にしない作戦
本業でないってこともありますが、私の場合気にしてる指標は以下です。
・順位(日次順位、月次順位)
・販売点数
・登録点数
順位は私が登録してる先だとピクスタさん、アドビさんで確認ができます。
スタートして数年じゃ本業で食えるレベルに到達するのは難しいので一旦売上は無視します。最初の頃なんて本当審査まで時間がかかる、登録されてもアクセスすらないって状態が続きます。何しろ数百万点のうちの数点ですからね。なので、ひたすら登録点数を上げていく、ピクスタさんなら登録枠を上げる努力をすることが目標となると思います。
順位と点数が上がっていけば必然的に売上もついてきますので。
登録点数はコンビニの例で言う棚の割合を占める行為ですので、これも気にします。先月よりも1点でも多く出す目標を立てて実行します。
現在ピクスタさんでは概ね日々のランキングは200位前後をうろうろしており、トータル順位は600番後半ですが、2017/8末のランキングは
最高月間ランキング 1155位
累計ランキング 10734位
です。実務経験当時は25年以上
あっという間にレベル上げてやるぜーと勇んでいたのですが、こんなに売れなくてショボいのかとヘコタレそうでした。
描いて出していけば、売れる売れないの判断がだんだんついてきますし、画力もAdobeイラストレーターの技術も確実にあがります。
そして、これは力入れたな~って作品は3年前のものでも売れてくれるのです。単価が1点5万円の作品も複数あります。
繰り返しますが3年前、ランキングは10734位です。
ランキングが上がったのは、続けたから改善したからです。
ストックは生涯出来る仕事です。
副業でも本業でも構わないのですが、私はいずれ本業にするつもりです。波は日々あっても、概ね月次では売上予測がつく位にはなってきました。そして寄稿すればするほど、良いなと思うものを出すほど売れてきています。
若いクリエイターはチームやディレクター、クライアントと仕事をするうえでビジネスマンとしての能力をあげるべき時期はあるとは思いますが、副業は本当オススメです。
バイトの副業じゃ使った時間分の給料しか出ませんが、写真イラストは時間じゃなくて価値がお金に変わります。そして作品の価値が続く限りお金を生んでくれます。
私の将来の夢は地方に移住してダイビングやら温泉を楽しみながら生活することです。
クライアントワークはどうしても直接会ったりする必要は今でもあります。子供の教育を考えると都市部を離れる事はできません。しかし、ストックならば何処ででも作ることはできます。
海外に行っても可能です。
そして作った作品は自分が死んだ後も資産として残す事ができます。
著作権法上は死後70年著作権は残ります。
仮に遺族が扱えないなら売る事もできますし、ストックの会社さんによっては死後も権利を使って収入を得ることができます。
もし、売上が糞だな!って思った人がいたら、それは誤解だとわかったと思います。
諦めるのはいつでもできます。
一度諦めた方、ぜひチャレンジを
これからの人は、くじけそうになったら先輩ストックコントリビューターに声をかけてみてください。
本気の姿勢があれば私も本気の回答いたします。
ヘッダー画像:ぱくたそさん
モデル:大川竜弥さん
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