南半球は何が違うのか? 〜 アベコベの南半球が免疫システムに与える影響 N141
南半球ではお日様は西から昇って東に沈むのだろうか?
いや、これは南半球でも起こりえない現象である。しかし南半球の太陽は北に位置する。季節は夏と冬が逆になる、もちろん春の次に夏は来る。
ほとんどの人間は北半球で生活をする(南半球は世界の全人口の8%程度が住む(*1))。そして北半球で暮らす人の多くは南半球を経験することなく人生を全うする。つまりほとんどの人は知らないのだ。したがって私が経験したこのアベコベは多少なりとも面白おかしく読んでもらえると思う。
まず人間の免疫システムになんらかの影響があるほど何かが違う。では何か?と言われると厳密に特定することはできないが、似たような経験をしたことのある人と話をした中で出てくる1つの説が、水の渦が逆向きであることだ。水の渦が逆ということは血流にも悪影響(少なくとも北半球から来て慣れない人には)があるという説だ。私も南半球から日本に到着した足でそのまま健康診断で血圧を測ったら異常値が出たことがある。医師に南半球から来たばかりだからだと思うと伝えたところ、そのような説は確かにあるがまだ科学的には認められていないと全否定された(残念ながらコロナで移動できず再検査ができずじまいだが)。
また土壌や風土が異なることより存在する細菌やウィルスが異なり、不慣れなものにやられるという説。これも過去に原因不明の病気になったが、南半球への移動に伴うものだった。また出張や旅行で北半球からくる人たちはしばしば身体を壊す。これは単なる季節の違いではなく不慣れなウィルスや細菌の存在が大きいと勝手ながらに思っている。
フライトで客室乗務員の方と雑談をしていたところ、やはりこの説は経験的に納得できることが多いらしく、移動を仕事とする人たちでも南半球に行くと原因不明で具合が悪くなる方が一部いるらしい。
そんな南半球だが、北半球と違って人口密度がとにかく低い。特に人口密度の高い中国とか日本とかとは違って、需給バランスがアベコベになる。売り手が買い手よりも立場が高いのである。売主が神様なのだ。だって欲しい人がたくさんいるんだから。
日本の方がもっとも驚かれるのがオーストラリアの不動産だ。貸主が圧倒的に強く、貸主都合で借主を追い出すことができる。私の知人でも突然大家から退去を年末に求められて急な引越しをしたのもつかの間、入居してすぐにまた退去を求めれて新たな部屋を探しに走ったという話が一つや二つではない。むしろ借主の権利が強すぎる日本が特殊かもしれないが。
何はともあれ北半球の常識が通じずアベコベな文化が免疫の効かないイノベーションを世界に生み出してくれることを期待したい。
1*) Wikipedia