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roots and routes 時事英語 #4 特別編

by 古家

「ぐるるの発足にあたって」という文章で、僕は「routesは、アメリカでは『ラウツ』という読みかたも多いですが」と書きました。そもそも「ぐるる」という名前自体、roots and routesから持ってきているので、このフレーズについてあらためて調べてみようと思います。
「ラウツ」という発音、rootの動詞としての用法、いずれも僕は比較的新しいものだと思い込んでいました。それが正しいのか。roots and routesというフレーズが、越境するアイデンティティという文脈で使われるようになったのはいつごろからか。そのリサーチの軌跡を含めて詳しく書いていきます。


routesを「ラウツ」と読む−−−思ったほど新しくなかった

僕自身がrouteの「ラウト」という発音を初めて耳にしたのは2000年ごろ、サンフランシスコの地方テレビ局が制作していたシリコンバレー発のニュースをもとに「BSパソコンネット」(NHK BS1)という番組をつくっていたときだというおぼろげな記憶があって、「ルーター」のことを「ラウタ」と呼んでいたのに驚いたのだと思い込んでいました。それが2010年を過ぎるころからアメリカ4大ネットワークの一つABCのニュースでもいろいろな意味で堂々と「ラウト」と読むようになったという感覚です。
例の有名な歌「get your kicks on route 66」をはじめなんでも日本では「ルート」としか読まないけど、別の読みかたがあるんだ!と、新鮮でした。
しかし、「おぼろげな記憶」でものを書くわけにはいきません。

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