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パワークエスチョン
私は各種ビジネス、自己啓発、などなどこれまで日欧米を飛び回って多くのセミナーに出席してきましたが、その中で心に深く残る教えがあります。
それはビジネスの内容でも、自己啓発として教えられたことでもないんです。勝手に私がそう理解しただけなのかもしれないけれど、これは今なお私を原点に引き戻してくれる生きていく途上の大切な気づきでした。
いざセミナーへ
ロサンジェルスで行われたそのセミナー。
講師は30歳そこそこの方。でもその道ではドナルドトランプと組んで仕事をするくらい。
とんでもなく高価なセミナーでした。
しかもロサンジェルスのホテルでのセミナーということで、3泊も4泊もホテルに滞在。個人事業家ですから、当然自前です。
そのセミナーで講師がまず初日のしょっぱなにいったのが、、、これです。
”僕は質問は受けません。不平不満も受けつけません。質問したいことがあれば自分で答えを出してください。”
え~!!
質問ができるからこそ、生のセミナーに行くわけで、それだったらCD買って聴くのと同じじゃないの、と私の頭の中は真っ白。
はっは~ん、この講師、実は質問に答える自信がないんじゃないの?
セミナーも慣れてなくて不手際が悪くて、最初から自己防衛に走ったな、と私の頭の中は文句の嵐。
私はアメリカに来てからというもの、控えめな日本人の枠を飛び出し勇気を出して意見を述べたり質問をしたりできるようになったわけで。
カットインして反論したり、質問しなくちゃまったく相手にされないと信じ切ってきたのに。
質問ができないなんて最低。高いお金を払わせておいて質問をさせないなんて許せない!
私は内心怒りの鉄拳です。
とにかく実行してみる
どうして?!割に合わない。してはいけないと言われたばかりの質問と不平不満の山積み状態です。
でも、そういわれてしまった限りはやってみるしかないわけです。
そのように努力してみることにしたのです。
一日目の講習が終わり、会場で知り合ったアメリカ全国からやってきた仲間たちと情報交換してみたり、部屋に戻ってインターネットを使ってわからないことを調べたり。
頭の中に繰り返し浮かんでくる不平不満をなんとか拭い去り、思考をスイッチ。
そして、やがて、とても大切なことに気づいたんです。
その若い講師が自分の身勝手で言い渡したことじゃないのかもしれないということ。
考えれば考えるほど、そこには禅のおしえにもつながる深い教えがあることに気づいたんです。
脱帽です。
実のところ、彼がそこまで意図していたかどうかは不明です。
でもそんなことはどうでもいいこと。
私自身が心の中で七転八倒しながらそれを乗り越える大きな気づきを得ることができた、それが重要なことなんです。
どちらにしても大きな教えをいただいたものです!
セミナーの本来の内容とは関係がなくても、高いお金を出した甲斐があったというものです。
自分の中にあふれてくる質問を整理し、吟味し、何を知りたいのか確認し、答えを探し、またその答えを確認しているうちに次のことがわかったんです。
気づき:言動の秘めるパワー
質問とは
ほとんどの質問は自分で答えを出すことができるということ
答えを出す過程で自分がとても大きく成長できるということ
質問のほとんどの答えが、実はそれを知ったところで別に意味はないことが多いということ
質問の内容がまさに自分がどういう人間なのかを如実に表しているということ
質問の内容によっては相手を引きずり下ろしその結果自分をも引きずりおろしてしまう可能性があるということ
質問の内容によっては相手も自分も高めることができるということ。そういった内容の質問こそ本当に質問する価値があるということ。
不平不満・文句について
文句をいうことで、自分がどういう人間かを表してしまっているということ。
不平不満によって相手や状況を変えることはほぼ不可能であるということ。
不平不満を言うことで自分がパワーレスな生き方を選んでいる、ということを世間に知らしめるだけなのだということ
不平不満をいうことで、相手を引きずりおろすばかりか、自分をも引きずりおろしてしまっているということ
不平不満をいうことで何かを解決できることはなく、さらに満足できない状況をつくりだしてしまう可能性があること
文句をいわない、と決めて時間を過ごすと感謝したいことがいっぱい目につき始めるということ
3日間ほどのセミナーだったように記憶していますが、セミナーの本題のビジネスはともかく、私はあのときに自分が発生する質問のとてつもない威力を痛感したのでした。
パワークェッション。これはライフ・コーチングでもよく言及されることです。
自問自答するとき、そして誰かと会話をしているときに質問の内容を吟味し、より双方を高める内容と形の質問を選ぶことで周りからの自分の評価のされ方やその後の人間関係、チャンスとのめぐり逢いが大きく変わっていくということに気づくことができたのでした。
質問をするときの注意点
何故?どうして?という質問は往々にして既に起きた事柄について相手を追い詰める可能性があるので要注意!
何かを押しつける内容も禁物!相手が持っているであろう答えを引き出してあげられるような質問の仕方が最適。
こんな質問はくだらないかもしれないけれど、と前置きするような質問なら最初から訊かない方がいい。よく考えて、相手を高めることができる質問だと思ったら、まっすぐ、直球をなげてみる。
うまくいかなかったことや、失敗にフォーカスを置き、間違い探しや犯人探しの内容ではなく、明るく、より建設的な方向に流れを生み出すような質問にする。
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