「つもり」の排除
言語が違うと、言葉が通じないだけなのに、人として「心が通じ合わない」と誤解をしてしまうのが人間です。当たり前ですが、私たち人間はコミュニケーションに「言葉」を使うためにそのようになってしまうのでしょう。
でもコミュニケーションが「言語」で十分に行われていると思わないだけで、意味のない「誤解」を避けることが出来ます。
国際結婚をする夫婦で、言葉がほとんど通じないのに「幸せなカップル」がいます。彼らを観察してみると、「言葉」というコミュニケーションに頼っていない、「言葉」だけで相手の心が分かるとは思っていないように見えます。
信頼さえしていれば、言葉など大したことはないと考えているようです。
また「微妙な言葉のニュアンスで相手の心が分かる」って皆さん思っていませんか?
ただ単にお腹が痛くてそれを我慢していただけなのに、いつもより返事が遅く険しい顔をしているからと、様々な憶測をしてしまい、私たちはちょっとしたことで心を動かしています。
そう思うと「微妙な言葉のニュアンスで相手の心が分かる」なんて、あてにならないどころか、誤解を生む元凶なのかもしれません。
それは「言葉」を疎かにしても良いという意味ではありません。ただ「聞いた言葉」だけで、理解できた、通じ合ったと思い込まないという意味です。
お互いの幸せのためには、「聞いた言葉」がすべてだと考えないことが大切なのでしょう。
そうかもしれないが「仕事と生活は違う!」とお怒りになる方もいるかもしれませんが、落ち着いて考えてください、いったい何が違うのでしょう?
大切なのは、伝えたい人が伝えたい情報を誠意をもって伝えること、その情報を知りたい人は同じように、誤解のないように様々な視点から、より詳しい情報を入手しようと努力することです。それさえできれば、仕事はできます。
皆さんも「お気づき」かと思いますが、日本人同士でさえ情報伝達がうまくいかないのは、上記ようなことを怠って、お互いにいい加減に「伝えたつもり」「理解したつもり」をしているからです。
高度外国人のカテゴリーの人たちは、愚かでも、怠惰でも、考える能力がないわけでもありません。下手をすると私たちよりも多くのことを勉強して、
努力をしてきた人たちです。
ですから、そんな彼らの能力をより発揮させるために、是非「つもり」を排除して、丁寧な情報伝達を心がけてください。
自然に「誤解」が消えていき、よりしっかりした仕事ができるようになっていきます。
異文化コミュニケーション研究所(R)
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