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高度外国人との会話(英語力の誤解)

異文化コミュニケーション研究所(R)では、仕事をする際には、コミュニケーションをするための英語力は重要であっても、学校で学んだような完璧系の英語は必要ないとお話させて頂いております。

もちろんバイリンガルで、十分にできる人には叱られるようなことですが、外国人を見るとまるで電気を付けたらさあ~と陰に隠れるゴキブリのような動きをする日本人に、もっと堂々として欲しいと思っているからですのでご容赦下さい。

大体、中学の英語で「過去形」と「過去分詞形」を学びますが、これこそが良くない。元々日本語にはそんな区分がないのに覚えろというのですから無理があります。試しに是非やって欲しいのですが、英語の文章で「過去形」と「過去分詞形」を作りGoogle翻訳で日本語にするとわかります。どちらも同じ日本語になります。

日本語と英語を右と左に分けて、完璧に翻訳できると思うから無理があります。訳せないことはたくさんあるものです。それに、該当する単語を知らないなんてよくあることです。辞書を片手には話せないのですから、知らない単語で頭がフリーズするよりも、知っている単語で何とか意思を伝える方がコミュニケーションは成り立ちます。

4割程度伝われば、相手はそれなりにあなたの意志を理解してくれます。

そんなんで仕事になるのか?と思うかもしれませんが、ゼロよりは遥かにましです。さらに4割で満足をせずに努力をすることです。また仕事は意外に、パターン化されているものですので、何度か同じようなことを話せば、徐々にコミュニケーションレベルは上がって行きます。

以前ノーベル賞受賞者のワンガリ・マータイさんが、日本語の「もったいない」という言葉に感銘し、2005 年の国連女性地位委員会で「もったいない」と出席者全員で唱和したことで、世界中に”MOTTAINAI”という言葉が広がりました。この「もったいない」に相当する「言葉」は、他の言語にはないそうです。

また般若心経は、サンスクリプト語で書かれていた経典をあの有名な三蔵法師が中国語にしたものですが、一番最後にある『羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶』という言葉も実は、適当な言葉が中国語になく、そ
のままの「サンスクリプト語の音」を記載したものだそうです。

訳すことのできない言葉が存在する。翻訳できない言葉があるということは、相手の文化に、その概念さえ存在していないものがあることになります。

もっと身近な例では「いただきます」という言葉に相当する単語は英語にはありません。”Let’s eat!”なんて書かれている辞書はありますが、「いただきます」の言葉に含まれる感謝・お礼・他の命への贖罪の気持ちが表現されて
いるとは到底思えません。

私の経験でも、アメリカのある友人宅で食事をする前に「日本では食事の前に『いただきます』と言うのだが、アメリカでは何か言わないのか?」と質問をしたところ、友人の家族は全員気まずそうな顔をして『神様へのお祈り』を始めてしまいました。(けして、私はあなた方は敬虔なクリスチャンではないのですね?と言ったつもりはなかったのですが…)

口を酸っぱくしても皆さんに伝えたいことは、これからのダイバーシティに対応するためにも、心を閉ざさずに、お互いにわからない部分があることを理解しつつ、外国人の同僚とコミュニケーションをするような練習をして下さいということです。しばらくは難儀ですが、必ず通じるときはやってきます。

異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用


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