異文化コミュニケーション的交渉術(囲碁)
会議では、一人一票です。つまり、将棋的というよりも囲碁的な発想が必要なのかもしれません。
どうしても会議というと、理路整然としたロジックとエビデンスで論破することで、《王手》的に勝利を獲得するようなことをイメージしがちですが、票を集めることができなければ意味がないのです。論破したとしても、結果的には敗北してしまうことさえ、会議では起こってしまうので気を付けなくてはなりません。
どれだけ広い陣地を獲得するのか、つまりどれだけ多くの人たちの票を集めることができるかが会議における最大の戦略です。まるで囲碁です。
そのためには、トマホークを一発発射するよりも、城壁を地道に壊していく方の方が、見方を増やすことになることを心して、多くの人ちを「導く」ように議論することが求められます。
たしかに、テレビ的には相手に土下座をさせるシーンが望ましいのでしょうが、実際の世の中は違います。
一人一人は口には出さなくても、思惑を持って会議には参加するため、彼らの思惑をいかにこちら側に引き寄せるかが重要になります。その際には「こちらは絶対勝利です」というよりも「こちらの方がリスクが少ない」と言った方が良いものです。
人は「感情の動物」です。相手を玉砕したと喜んでも、出席者の心が離れてしまっては、結果的には一人虚しくなってしまいます。
私もどちらかと言うと論破してしまいがちのため人のことを言えませんが、皆が何を望んでいるのかをよくよく考えることです。ほとんどの人が、白黒はっきりさせることを望まず、改善するための苦労などもっての他、激しい議論の応酬など早く終わらせたい、...。そんなものです。
単に「どちらつかずの中庸」を求めているのです。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
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