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外国人従業員と「ぬかみそ」


子供の頃、転校生は特別な存在でした。お互いに知っているクラスの中に、突然「知らない人」が入ってくるのですから、受け入れる側も、転校生自身も、距離感を持ってお互いの様子を見たものです。

受け入れる側には、既にクラス独自の文化が存在しています。子供であっても、社会性というものがあり、リーダー的な子、やんちゃな子、静かな子、etcいろんなタイプの子供たちが、どうしたら仲良く過ごせるのか考えながら学校生活を送っていました。一種の安定状態です。

そこに、たった一人でも「転校生」が入るのですから、組織は不安定になってしまいます。

「ぬかみそ」にキュウリやダイコンを入れると、しばらくすると漬物になります。それと同じように転校生もいつの間にか仲間になっているものですが、美味しい漬物にするためには、「ぬか」を定期的にかき混ぜてあげる必要があるのと同じように、人の場合も組織に何らかの刺激を与えることによって、仲良くなっていくことが出来ます。運動会や、遠足、学芸会といったものは仲良くなるのに良いきっかけです。

また「ぬかみそ」は、野菜からのエキスを吸いながら、より美味しい糠床へなっていくのと同じように、転校生が子供たちの組織の中に溶け込んでいくということだけでなく、元々ある組織自体も転校生の影響で微妙に変化していくことも忘れてはいけません。

そんなことを思い出しながら、日本人しかいない日本企業と、言葉もあまりうまく通じない外国人従業員との関係がどうあるべきか考えてみて下さい。皆さん、意外に経験済の「異文化コミュニケーション」のノウハウを持っていることに気づくはずです。

さすがに運動会や、遠足、学芸会は会社ではできませんが、皆で協力し合って一つのことを成し遂げるイベントは心を通じ合わせることのできる促進剤になるので、お勧めです。

ただ、お箸を使う私たちと、素手やフォーク・ナイフで食事をする人たちとは、考え方が全く違うこともよくあります。そのため、時として「なんでそんなことが分からないの?」とイライラすることもあるかもしれません。それをどうやって解決していったらよいか、「ぬかみそ」の皆さんで心を開いて話し合ってみて下さい。そして、怒りや不信感を持つ前に、外国人従業員に、優しい言葉を選んで「本音」でコミュニケーションしてみて下さい。

日本企業という美味しい漬物を作れる「糠床」であれば、舶来品の野菜もきっと美味しい漬物ができるはずです。

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