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[解説と設問を発表]国際紛争から考える「学問の自由」と国家【英語で学ぶ大人の社会科】第65回 12/27(水)20時@オンライン
世界のアカデミズムをリードしてきた米国の名門大学の学長らが「反ユダヤ主義」で糾弾されている。「言論の自由」「学問の自由」と大学、国家、資本主義の関係性について英語で議論。
2023年12月後半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2023年12月27日(水)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、「Politico」の記事「Former Obama adviser: Don’t let politicians take over Harvard(オバマ政権の顧問が警告: 政治家にハーバードを占拠させるな」を使い、英語で議論します。
このワークショップの解説と設問を発表します。
【ワークショップ】
ハーバード大学、ペンシルバニア大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)の現役の学長3名が、米政府の公聴会で5時間にも渡る「尋問」を受け、ペンシルバニア大学の学長が辞任。ハーバード大学とMITの学長にも辞任を求める声が政治家や大学の理事会から寄せられている、という異様なニュースが流れてきました。
きっかけは2023年10月7日にパレスチナのガザ地区を実効支配している「ハマス」(テロ的活動も行っている政治団体、政党組織)がイスラエルの一般市民を攻撃したことから始まったパレスチナとイスラエルの紛争です。
最新パレスチナ情勢 なぜイスラエルと衝突?ハマスって?解説
紛争の激化を受け、多数の民間のパレスチナ人を巻き込んでのイスラエルの攻撃に対して、名門大学の構内でユダヤ人への反発が強まっているのです。特に学生たちを中心に、パレスチナ人を擁護する抗議活動から、一部はユダヤ人全体へのヘイトスピーチとも受け取られかねない言動があったようです。一方、米国の名門大学は、財界で多大な影響力を持つユダヤ系の有力企業や名士の卒業生によって支えられているという実態があります。ユダヤ系市民が発言権を持つ大学理事会や彼らに支えられている国会議員がこれらの学長を公聴会に召還したというわけです。
3人の学長に辞任を求めた公聴会の国会議員のXでの発言は強烈です。
One down.
— Elise Stefanik (@EliseStefanik) December 9, 2023
Two to go.
This is only the very beginning of addressing the pervasive rot of antisemitism that has destroyed the most “prestigious” higher education institutions in America.
This forced resignation of the president of @Penn is the bare minimum of what is required.…
One down. Two to go.
This is only the very beginning of addressing the pervasive rot of antisemitism that has destroyed the most “prestigious” higher education institutions in America. This forced resignation of the president of @Pennis the bare minimum of what is required. These universities can anticipate a robust and comprehensive Congressional investigation of all facets of their institutions negligent perpetration of antisemitism including administrative, faculty, funding, and overall leadership and governance. @Harvard and@MIT, do the right thing.
The world is watching. In the case of@Harvard, Dr. Gay was asked by me 17x whether calling for the genocide of Jews violates Harvard’s code of conduct.She spoke her truth 17x. And the world heard.
In the case of@MIT, Dr. Kornbluth answered the question. “If targeted at individuals, not public statements” ie dehumanizing the Jewish people in her antisemitic answer.
1人は辞任(落ちた)。あと2人だ。
これは、アメリカで最も "権威ある "高等教育機関を破壊した、蔓延する反ユダヤ主義の腐敗に対処するほんの始まりに過ぎない。今回のペンシルバニア大学の学長の辞任は、必要最低限のものだ。これらの大学は、反ユダヤ主義に基づいた行為を見過ごした組織の管理体制、教授陣、資金の確保、そして全体的なリーダーシップとガバナンスを含む、あらゆる側面について、議会による徹底的かつ包括的な調査を受けることが予想される。ハーバード大学とMIT大学よ、正しいことを行え。世界が注目している。
ハーバードの場合、ゲイ博士は、ユダヤ人大量虐殺を呼びかけることがハーバードの行動規範に違反するかどうか、私から17回も質問された。そして世界はそれを聞いた。
MITの場合、コーンブルース博士は質問に答えた。「個人を対象としたものであれば、公の発言ではない」つまり、彼女の反ユダヤ主義的な回答は、ユダヤ人の人間性を奪っているのである。
この一連の動きについて、ユダヤ系の学者も含む多くの識者から、これは金(権力)にものを言わせた過去の「マッカーシズム(赤狩り)」を連想させるような「学問の自由」の侵害ではないかとの批判が出ています。
Academic freedom is the loser when big donors hound US university presidents | Robert Reich
次回開催の「英語で学ぶ大人の社会科」では、以下のPolitics記事を教材として用い、「言論の自由」「学問の自由」と大学、国家、資本主義の関係性について英語で議論します。ご関心のある皆様のご参加をお待ちしています。このワークショップの詳細は以下のとおりです。
日時: 2023年12月27日(水)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~
【教材】
Former Obama adviser: Don’t let politicians take over Harvard
チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。
【チケット】
国際紛争から考える「学問の自由」と国家【英語で学ぶ大人の社会科】第65回 12/27(水)20時@オンライン
【銀行振込での申し込み】
振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。
このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
【解説】
米国の大学キャンパスから遠く離れた中東での戦争が、大学内での「言論の自由」を奪う、という事態に発展しています。超名門大学の学長3名が、政府の公聴会で糾弾されるという状況は、かなり異様です。
「反ユダヤ主義」への証言で批判 ペンシルベニア大の学長辞任 | NHK
今回の騒動は、米国特有の政治的状況や大学、特に運営資金をめぐるガバナンスの問題があります。一方、この話題に限らず、近年、先進国では、大学や言論界における分断が著しく、マイノリティへの配慮や公正さの観点から生まれた、political correctness (PC)のような自制を求める動きから、個人の言動を「(人権などへの)意識が高い」と揶揄するwokeに発展し、遂には、特定の個人やグループの言動を別のグループが「不公正だ」と、集団で非難する「cancel culture (キャンセル・カルチャー)」の隆盛にまで発展してしまいました。
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