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ソーシャル・ディスタンスの単位は「松岡修造」で

ソーシャル・ディスタンスとかソーシャル・ディスタンシングという言葉が日本でも使われるようになってきた。しかし、はたして多くの人がどこまでそれを理解できているのだろう?と側から見ていると結構疑問だったりする。

筆者が住むNYではソーシャル・ディスタンスは6フィート以上と言われているが、それをメートル法に置き換えると厳密には1.8288m。なので、NYの日本語記事では1.8mと書かれたり、キリのいいところで2mとなっている。

先日SNS上である人が書いていたのが、「ソーシャルディスタンスを保って1.5m人との間を開け、、、云々」。すでにここで大きく勝手な解釈がされている。まず、1.5mってどこから出てきてしまったのか?それに、6フィート(1.8m)以上と言われているのだから2mとなるのは理解ができるが、勝手に短くしたら意味がない。このように易きに流れたら予防にもなるわけがない。

ただ、ソーシャル・ディスタンスをきちんと体感として分かっていないとこうなってしまうのも理解はできる。そこで、筆者がソーシャルディスタンをAh Ha!という感じで理解できた、とある物を日本バージョンにしたアイディアや、こんな風にしたらソーシャル・ディスタンスって保てるという、ふざけているようで本人大真面目、外出禁止4週間の間に頭に浮かんだアイディアを、備忘録としてまとめてみた。

おっと、その前に一つお断りを。「ソーシャル・ディスタンスなんて関係ない、そんなことしなくたって自分は絶対に感染しないし、人にも絶対にうつさない」という強者は、どうかお読みにならないように。そういう方にとってはバカバカしい以外の何物でもないはずなので。

それでは一つ目からいってみよう。

1. ソーシャルディスタンスの単位は、「松岡修造」で

NYでは外出禁止令が出る前から言われていたソーシャル・ディスタンシング。6フィートと言われても、具体的に何かに置き換えられない限りイメージがしにくいものだ。そんな時にFBでこのようなものをポストしていらした方がいて、笑える上に「なーるほど」と思えた。それがこちら。

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「あなたと他者の間に6フィートの距離を保つことが推奨されています。ジョーイ・ラモーンの身長は6.6フィート(2m)。なので、他者から「1ラモーン」離れましょう」というもの。

これを見て以来、必要な買い物に出て、スーパーマーケットに入る列に並ぶ際や、道を歩く時も、「おっと、いけない、1ラモーン距離を開けよう」と、大きめの男性一人分という感覚値と、1ラモーンと思いながらニンマリできることに、義務ではなく自分で理解してちょっと面白がりながら継続してやれる行動に落とし込めたなと思った。

しかし、ジョーイ・ラモーンを知る日本に住む日本人は決して多くない。日本の多くの人が知る、国民的に有名で、単位にして面白い人は誰?と思ったところ名前が上がってきたのが「松岡修造さん」。彼の身長は188cm、6フィート以上。


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*写真は「コナカ」のサイトよりお借りしました。

皆さん、自分の周囲半径「1 修造」とイメージしてみて欲しい、寝転がった松岡修造氏があなたの周りにいる、笑える。その上、安全が保てる。彼がいく先は暑くなるなどと言われるが、コロナウイルスも焼ききってくれたらいいなという希望もかけて。
ソーシャル・ディスタンスの単位は、「1 修造」。距離がそれより縮まると、修造が苦しいっていうかもとイメージしながら、ちゃんと距離はとろう。

「密です!」というゲームが流行ってしまったとのことだが、是非ともリアルの世界では「1 修造!」と心の中で呟き、ちょっとクスッと笑いながら自分と他者の安全を保てたら、様々な規制がされストレスの多い状況下でも、明るい気持ちでいられそう。

奇しくも4/16に「松岡修造さん、あなたならどうします? 新型コロナ禍でも前向きになる方法」という記事で登場していらっしゃった修造さん。

勝手にお名前を単位として使わせていただきましたが、前向きにこの状況を乗り切るための1アイディア(妄想)です。是非ともご協力お願いいたします。

2. 人間もエリザベス・カラーをつけてみよう

先日友人が送ってくれたイラストをみて「納得」と思い、その出どころを調べていたら行き着いた。それが、小樽総合デザイン事務局のTweet。していた「ネコ様から人類へのメッセージ」

愚かな
ニンゲンよ
・・・・・・・・・
無意識のうちに
顔を触ることを防ぐ
良い方法が
あるではないか

とある。

人間がネコ様やイヌ様につける、傷口を舐めてしまうのを防ぐために装着させる通称エリザベス・カラー。そうだ、エリザベス・カラーの半径が大きめになれば、人間も手が顔に届かなくなる。
それに、ソーシャルディスタンスを確実に取りたい場合は、エリザベス・カラーの半径を「1 修造」の1.8mにすれば、誰もあなたの半径1.8以内に近づくことはできない。ウイルスがついているかもしれない自分の手で自分の顔を触ることも当然できないので、一石二鳥ではないか。そうとうバランスは悪いし、首はもげそうになるかもしれないけれど(苦笑)

エリザベス・カラー 4

外出時に全ての人にこれの装着が義務付けられるのであれば、半径は0.9〜1.0m位にもでできるだろう。相手の0.9mと自分の0.9mで1.8mのソーシャル・ディスタンスが保てる。このサイズであれば、比較的現実的ではあるかな。

エリザベス・カラー 3

*身長の違いがあれば、1.8mのソーシャルディスタンスよりも近寄ってしまうという点に関しては、ここでは言及しないように(笑)。

3. オリンピックの「かぶる傘」もそうとう役に立つのでは?

半径が長いエリザベスカラー、軽い素材だったとしても首の周りにグイッと食い込むのが容易に想像できる。
そこでふと思いついた。昨年5月に報道されていた、オリンピックの観戦時、真夏の日差しを避けるためにと試作されていた、あの「かぶる傘」。(昨年6月めどに完成を目指すと記事には書いてあるが、実際完成したのかは疑問)

あの「かぶる傘」の直径を1.8m(半径を0.9m)にして、傘の端から下に向かって、人間の胸の下辺りまでの丈の透明ビニールが垂れ下がるようになっていたら、ソーシャルディスタンスも保てるし、フェイスシールドにもなる。仮にこれを「かぶる傘α」としよう。

エリザベス・カラー 5

「これならビニース傘で、吹きかける雨よけがついているものでいいではないか?」と言われそう。しかし、「かぶる傘α」であるべきポイントが2つある。1点目は、外出自粛期間に外出するということは、多くの場合買い物が目的になる。片手が塞がってしまう一般的な傘は邪魔なだけ。両手をしっかり開け、ソーシャルディスタンスを保ち、顔もガードすることができるのは「かぶる傘α」。2点目は、せっかくオリンピックに向けて試作していたのであれば、マスク2枚のついでに国のお金でこれを作り、一世帯に1つずつ送ってしまえばいい。そして外出時はこれの装着を義務付ける。一度の買い物には一人しか出てはいけないことをこれで制限するのだ。

また、この元々の「かぶる傘」、着用するとそうとう邪魔とのこと。
それを実験した記事がこちら。

オリンピック競技観戦という目的には全く適していない。なぜなら観戦席は密集・密接だから。でも、ソーシャル・ディスタンスをとり密集・密接を避けるには最適ということが逆説的に証明されている。

「そんなの着けたらカッコ悪くて外出できない」とか、「固定する頭が痛くて長い時間装着できない」という方がいるのであれば、これは願ってもない反応。外出の重要性よりかっこ悪さや辛さが勝るのであれば、それは不要不急の外出という明らかな証拠。そして、一世帯1つというのが重要。出かける人はそれを装着している人「1人」だけ。そうすれば、不要な人が外に出ることもなく、買い物に出た先を混み合わせることを回避できる。

「コロナウイルスは危険、舐めてはいけない」と言っても効果がないのであれば、外に出たくないと思わせる理由を作る。これも多くの人を自らの意思で外出しないように導く方法だと思う。北風と太陽の太陽作戦。無理やり強風で服を吹き飛ばして脱がせようとしたら、人は必死に脱げないようにするけれど、太陽が照って暑くなれば、自ら服を脱ぐわけだ。

4. 2019年ランウェイから、ソーシャル・ディスタンシングなドレス!

「かぶる傘α」が嫌なのであれば、最高にクールでファッショナブル、まさにソーシャル・ディスタンシングなドレスがある。2019年に見たファッション・ショーのランウェイからご紹介しよう。

このショーを見た当時は、コロナウイルス で世界中がこのような事態になるとは想像さえもしなかった。このお篭り期間に入り、いわゆるファッションの消費は下がる一方。しかしこんな時だからこそ、現実的かどうかは別として、クリエイティブでファッショナブルなソーシャル・ディスタンシングの方法ってないだろうか?と考えた時に思い出したのがこれだ。

ロンドンのCentral Saint Martinsというアートの大学の卒業制作作品によるファッション・ショーだ。

これであれば、完全にソーシャル・ディスタンスを保てる上に、自分の顔だけでなく、全身を保護することができる。ランウェイから発祥のファッショナブル防護服。これで歩いていたら、なんだか楽しいかも。その上、自宅に入る前にシュルシュルっとドレスになる。

このドレス、きっと出かける時に空気を入れるのが大変なはず。そして、実際に商品になっているかどうか別として、実際の商品だとしても決してリーズナブルな価格ではない。かぶる傘以外はこれを身につけなくてはいけないとなった時、それでも出かけたいかどうか?という判断基準ができるのも良さそうである。

などなど、外出禁止中のNYお篭り生活の中で思いついたソーシャル・ディスタンシングについて思いついてしまったアイディアを備忘録としてまとめてみた。

アメリカが世界一のコロナウイルス感染国となり、中でもNYは最も状況のひどい地域となり、そこで冷や冷やしながら暮らす状況下で、こんなバカバカしいことを想像(妄想)できている自分自身に笑える。しかし、この状況で面白そうなことを探せていることは、かなり元気で冷静であることも改めて気づく。

最後に真面目にまとめようと思うので、ソーシャル・ディスタンシングの定義を改めて記載しよう。CDC (Centers for Disease Control and Prevention)のウェブサイトにも記載されている内容も参考に、分かりやすく日本語で要約した。

ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離をとる)とは何か?

ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)は、「身体的距離」とも呼ばれ、自宅の外での、あなたとあなた以外の人の間に保つスペースのことであり、それを行うことをソーシャル・ディスタンシングと言う。
ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離をとる)とは、伝染性の高い病気の蔓延を阻止または遅らせるために行われる一連の行動だ。
社会的距離をとる目的は、対面での接触を制限し、地域社会の人々の間で病気が広がるのを減らすことだ。

社会的/身体的距離を実践するには:
・他の人と6フィート(2メートル)以上離れる
・グループで集まらない
・混雑した場所に近づかず、大人数の集まりを避ける

COVID-19を防ぐための日常的な手順に加えて、あなたと他者との間のスペースを確保することは、このウイルスにさらされることを避け、地域、国、世界への拡散を遅らせる最高のツールの1つだ。

*日常的な手順とは
・頻繁に手をきれいにする
・密な接触を避ける
・咳とくしゃみは覆って行う
・清潔に消毒する など

COVID-19が住んでいる地域に広がっている場合、全ての人が屋内と屋外のスペースで、家族以外の人との密な接触を制限する必要がある。 人は病気になる以前にもウイルスをまき散らしているので、たとえあなたに症状がなくても、可能である場合は、他の人に近づかないようにすることが重要。 特に、非常に病気になるリスクが高い人々にとって、社会的距離は重要。

参考:CDC(Centers for Disease Control and Prevention)

お分かり頂けただろうか?

1.8mは最低限のめやす

ソーシャル・ディスタンシングで、決して忘れてはならないことがある。それは、6フィート(1.8m)他者と距離をとればいい、ではない。1.8m「以上」距離をとる ことが大事だ。従って、1.8m以上ということは、2mでもあり、10mでもあり、100mでもあり、1kmでも、もっともっとでもある。要するに「他者と接触できない状況を作り、それぞれがそこに身を置く」ことだ。故に、ソーシャル・ディスタンシングの、最もシンプルかつ適切な行為が「家にいる」なのだ。

どうか皆さん、ソーシャル・ディスタンスを保ち、STAY HOMEで安全にお過ごし下さい。


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