Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ
2017. 11. 04記事
Ivanka Trump氏のピンクの服が一部で物議を醸している模様。なので、備忘録として。
まず、到着時の水色の服も併せ、話題のピンクを見るにつけ、「なるほど、彼らは日本をこういう風に見てるということね」と、はっきりわかります。
「日本及び日本人は、ファッション(と言うよりトレンド)にとても興味がある、だけど政治・社会・経済やビジネス感覚が薄い(故にそれに必要=appropriateなアピアランスを理解していない)、成熟していない(甘めで幼稚なものを好みがち)」
これが彼らの中の日本のイメージであり、分析した結果でしょう。
従来の彼女の装いを見ていたら、今回がどれだけ甘ったるい(と言うより、ロリータスタイルど真ん中)かが分かります。そして、このような外観及び服というものを向こうがコミュニケーションツールとして選んできたのに対し、良しとした日本側の反応の多いこと。。。
ある意味向こうの読みは大成功(悔しいですが、まぎれもない事実)。
Photo from The New York Times
Pool photo by Eugene Hoshiko
スカートの丈が短すぎるのではないか?に関して。私はミニスカートは賛成派。年齢を重ねた大人の女性でも、ミニを穿いてスッと歩けばいいじゃないかと思っています。しかし、立場と場所・場面、状況と役割をきちんと把握して使い分けると言う条件付き。従って、こういう場では違います、それも、この超ミニはなしです。
もちろん世界を基準としての話。
また、こういう高い壇上で椅子に座ることが想定されるのであれば、尚更NG。これは登壇する機会のある人であれば当然のお約束。
上の写真をみれば、なんと危なっかしい膝元かがわかるでしょう。聴衆は下からスカートの下を覗く角度になるのです。
(余談ですが、以前、膝くらいの高さの段のある講演会があった際、膝下の三角ゾーンが覗かれては危険ということで、トラッドな装いなのにレギンスを組み合わせた、きちんとた顔月の登壇者がいらっしゃり、この人、何のメッセージは何?と話よりもレギンスの方が気になって、実際の話を覚えていない・・・聞かせたくない話だったのであれば、作戦は大成功です。でも私の中の彼女の名は「変なレギンスさん」で、残念ながら名前も覚えていません。)
あのデザイン(形)・あのピンク・あの超ミニ丈、どれを取っても、”可愛いけれど国を背負って外交する人のそれではない”です。しかし、大事なのは、その格好で来られた日本は、それが自国の「評価」であると認識しないとまずい、これが何よりも大事。
例えて言えば、赤ちゃん言葉でしゃべられているような感じ、もしくは、小さいお子さんのいるお母さんや幼稚園の先生が、子供に分かりやすい(子供が好みやすい)格好をするのと同じです。
ちなみにこの服はmiu miuだそう。CNNのリポーターがtweetしているのを発見。
そして以下リンクの記事を読んで、Ivanka氏が登壇した会に出席していた日本の女性たちからの声が書いてあり、「おーい、しっかり〜!」と思った次第です(苦笑)
まとめとして、私自身、別にIvanka氏は嫌いではありません。ただ、日本のIvanka賛美にはとても違和感を覚えるのです。一つ確実なのは、日本人が好む感じに、見事はまっているということでしょうね。
日本でのこのピンク・スーツ着用に対しての「ダサい」「それはない」というご意見に関しては、今回放置。それは個人軸での「似合う・似合わない」であり、社会を動かす戦略におけるプライオリティとは何ら関係ありませんので。でも「ひどい」「馬鹿にしている」と感じた方は、「こういうものを着た方が、日本に受け入れてもらいやすい」と分析したIvanka(及び彼女のブレイン)の読みの正しさを評価するべき。そして、これをしてやられたと思うべからず。だって、彼女は騙したわけでもなく、日本が気持ちよく受け入れてしまったのですから。言ってみれば、彼女の相手の気持ちを読む力「おもてなし精神」の方が、「おもてなし」を看板のように掲げている日本人よりはるかに勝っていたということ。天晴れです。
それでも悔しいのであれば、Ivanka同様に相手国・そして世界の日本への見方とその原因をしっかり分析し、変えていくだけの行動を起こさなくてはならないのです。それも、国の上層部だけではなく、誰か力を持った人がとかではなく、あなた自身含めた個人個人が。
今回のIvankaピンクに「何なの!」と感じた人が、全ては他人事ではなく、自分も関係していると意識を変えるきっかけになったらいいなぁと切に望むばかりです。