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【初詣】明治神宮参拝〜どうなる2025年〜
ヨルピザ後援会、昨年に発足し、メンバーも徐々に増えてきました。
会員の皆様におかれましては、そして会員にならずとも読んでくださる皆様におかれましても、昨年は大変お世話になりました。
今年もより一層励んでいきたい所存です。
今回のエッセイはそんな来年の抱負の話だ。
明治神宮への御恩編
二〇二二年二月だったと思う。
私は友人のユンちゃんとシャカちゃんと明治神宮にいた。
当時の職場は百貨店で、冗談にならない霊障が私の身に降りかかっていた。
何とかして助かりたかったので、以前おみくじでドンピシャに運勢を当てられた明治神宮に御祈祷に行くことにしたのだ。
二人はオマケだ。ついてきてくれた。
明治神宮に祀られているのは明治天皇その人で、要は日本国民の象徴。
片や私は在日韓国人。
どれだけ守ってくれるのかわからなかったので、私は「私にはいかに守る価値があるか、日本の文学会に如何に貢献できるか」を御祈祷中俯いて震えながら胸の内でプレゼンしていた。
私たちは三人とも、病気のチワワみたいに震えていた。
多分ちゃんと除霊されていたのだ。
私は芥川賞、直木賞、本屋大賞、ノーベル文学賞、全てを総なめにするつもりでいる。
祭めぐるの名を知らない奴はモグリであるという世の中を作るつもりでいる。
母校には凱旋講演会をしに行くつもりだし、母校の壁には『卒業生祭めぐるさん ノーベル文学賞受賞おめでとう』の垂れ幕が下がるべきだと思ってる。
地元千葉でも「千葉出身の有名人といえば祭めぐる」になりたいし、私が育った田舎町の小さなマンションは史跡として保護されるべきだ。
……みたいなことを常々私は思ってるし、これを胸の内でぶちまけ、誓い、ちゃんと悪霊とえんがちょされた。信じられない速度で仕事の契約を切られたのだ。
当時は一瞬戸惑ったが、神様は多少無理にでもこういう願いの叶え方をしてくださるものだという話。
納得してからお礼参りにも訪れた。
頼むよ明治神宮編
さては時は本日、二〇二五年一月二日に飛ぶ。
私は友人Iちゃんと朝八時の原宿駅に待ち合わせていた。
地獄の果てみたいな汚さの喫煙所で死ぬほど煙草を吸って向かうのは明治神宮だ。
Iちゃんとは昨年も明治神宮に行っていたので、恒例行事になりつつあった。
「仕事辞めろ〜」
「辞めて〜」
これは挨拶だ。彼女は私が父のもとで働きながら精神を病んでいることを知っている。
私は次の働き先も決まっているので、うだうだダラダラ話しながらふたりで参道を歩いた。
明治神宮周りの鎮守の森は美しい。
静謐で、しかし恐れ多く怖い感じはなく、穏やかだ。
Iちゃんはその森に大はしゃぎしながら──彼女は自然が好きなのだ──私は「夏は絶対来たくない。蝉が怖い」とか言っていた。
私がどのくらい蝉が嫌いって、夏場は蝉によく効く殺虫剤を持ち歩いているほどだ。ハチノックという業務用の蜂用殺虫剤がよく効くのだ。
「神社の中で殺生とかできないじゃん」
「殺す前提なんだ」
「今年の夏は自分の家の階段で七キルした。それにアブも一匹」
「数えてるんだ」
くだらないことを話しながら本殿に行き、私たちは五円玉を投げ込んで柏手を打ち、お祈りする。
千葉県に住む祭めぐるです。
私は胸の内で神様に話しかけた。
以前お世話になったことがあります。今度また御祈祷にも伺います。
私は先日のお約束通り、文学賞を総なめにするつもりでおります。
今年はまず文學界新人賞。ここで受賞し、そのまま芥川賞を狙うつもりでおります。
そのためにもまず文學界新人賞を取らねばいけません。
精一杯努力します。どうかお力添えください。
そんなことをお祈りしてから、御神籤を引きに行った。
さて御神籤はお守りの列の陰にあり、並ばなかった。
私はやり方を尋ねるIちゃんの目の前で百円玉を入れて「文学賞取れますか!?」とか心中で尋ねながらガラガラを振り、出た番号の棚を開けて紙を一枚引っ張り出す。
以下がその内容だ。
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