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積ん棚【日記:2023/10/16】

 ちょっと用事があって、ここ3日ほど図書館に通い詰めていた。図書館は良い。絶妙に家からも駅からも遠くて、静かで集中できる。しかも無料ってんだから、金欠の奴にはたまらない。
 漫画喫茶などと比べると、”遊ぶ”という感じでもないのが作業にはぴったりだ。大抵の本は難しくて頭を使うので、つい読んでしまって時間が過ぎるということがないのが素晴らしい。それでいて、気晴らしに歩いて「へー」と思う程度には興味深いタイトルだったりするしね。

 この辺りの棚なんて最高だ。手に取るとゴマみたいな細かさの文字に圧倒されるものの、タイトルと背表紙のワクワク感は週刊少年ジャンプにも匹敵する。こういう場所は大手の新刊書店には中々ない。
 試しに『存在の耐えられない軽さ』という本を手に取ってみた。見た目通り、めちゃくちゃに重厚で哲学的な内容そうだったので、2~3ページ捲ってそっと棚に戻した。どう考えても、ちょっと小休止で読むようなものじゃない。初老の大学教授がたまの休日に消化する奴だった。なまじタイトルがカッコいい分、家に一冊置きたくなるが買ったが最後、積みタワーの基礎になるのは必定だろう。

 というか、この辺の本、ほとんど全部そうだな……もしかしたら、ここは図書館全体の”格”を担保するための見せ棚なのかもしれない。そう思わせられるぐらいには、一々タイトルがカッコいい。
 読まれていないであろう哲学全集が大抵の図書館で充実しているのも、これと同じ理由なのかな? 確かに0類の棚からは知的なイオンが出ているような気がするもんな……
 誰か理由を知っていたら教えて下さい。

 
 


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