FPS視点のアルコール【日記:2023/10/08】
昨日は久しぶりに家でアルコールを飲んだ。こだわり酒場のレモンサワー 9% 500ml。ストロング系ということもあり、まあまあ酔えてよく眠れた。お酒は好きでも嫌いでもないが、浅い睡眠を繰り返す憂鬱な週間の時には、この手っ取り早さが楽で良い。余計なことを考えなくて済む。
「世界が近づいた感じ」この感覚はそのような言葉で表現できるだろうか。普段、頭蓋を支配している俯瞰的な自分が消滅し、全てが主観的になった状態。この世は案外狭そうに思え、いつか訪れる死のことも、宇宙の果てや幻想世界のプロトコルのことも思慮の外になる。全ては私と天井と布団だけで完結する幸福な世界。動物的な世界。何故だか全てが楽しく思える。
朝起きたら、すっかりアルコールは抜けきっていた。アセトアルデヒドの痕跡すらない、爽やかな目覚めだ。机の上に置きっぱなしになっていたつまみの皿を洗いながら、客観的な自分がそう評する。大脳辺縁系の熱狂は既に過ぎ去ってしまっていた。一抹の寂しさと酒で時間を無駄にしてしまったという後悔が身体を貫く。果たしてどちらが不純物なのだろうか。
昔は居酒屋で騒ぐ大人を嫌悪すらしていたけど、この歳に至って段々と理由が分かるようになってきた。ケニー・アッカーマンが言うように、皆何かに酔っていないとやっていけなかったんだろう。数千年続くアルコールの歴史もそれを象徴しているような気がする。
人類が精神の痛覚を進化させて幾万年。不安に駆られた我々は、おかげで豊かな文明を築くようになったけれど、代わりに-OH基とズッ友であることを余儀なくされてしまった。指にかけても嬉しい、飲んでも嬉しいアルコール。コロナ以後は特にね。
今日も世界中で皆がお酒に金を払う。月曜日の憂鬱とやらを忘れるために。……結局、理性は人を幸せにはしないということなんだろうか。分からないが、少なくとも私は理性の力を信じたいと思う。
だって、創作世界のキャラクターたちは、いつでも自分たちの意志の力で絶望を吹き飛ばして生きているから。一人のオタクとしては、それを見習わないわけにはいきませんよ。
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