青天 一話 GLASSY作 オリジナル小説
この小説はフィクションです。実際の人物、団体等一切関係ありません。
サイレンの後が聞こえる。それに集まってきた野次馬どもの汚い声。
カメラを向けられる。いつもなら睨みつけるか、怒鳴る。
どこに投稿するのか?拡散されるのか?そんな冷静な考え事はできない。
額から汗と混ざり滴る血が目に入り、『うっ・・・』声が出る。
右足の感覚が無い。どうなっているか確かめる余裕もない。
シートベルトを外し、運転席のドアをほぼ気合いとも呼べる力で開ける。
自分の車の前では無惨に大破した車がある。この瞬間まで生きていたであろう乗っている人らしき人物に、口から反射的に声が出る。
『大丈夫ですか?』、応答はない、周りは、騒がしく誰が何をいっているのか聞き取ることすらできない。顔を見れば、その顔の前には、いろんな形、色をした携帯の数々。
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637字
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