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経営者は違和感を大切にする
「何か違う」
そう感じることがある。
マネジメントの仕事とはやっかいなものだなと常に思う。
「何か」違うと感じても、「これだ」と明言できないのだ。
理由は「何となく」とあまりに頼りないのだが、「これは上手くいかないだろうな」という認識だけは明確な自信をもって言えるのだ。
ただ、働く部下には理解がしづらい。
自信を持っている言えることと、論理的であることはまた別の次元だからだ。
僕はマネジメントをしていて出来るだけ論理的でありたいと思っている。そして、ほとんどのことは論理的なアプローチで解決できると思っている。
一方で論理的に解決できることだけかというとそんなこともない。例えば戦略には正解があるわけではない。仮に成功確率があるものが正解だとして、それは常に複数存在している。
これも正解だし、これもありえるし、こっちも捨てがたい。リソースは有限であるために戦略は絞る必要があるが、こんな風に中々決められないことがある。論理的にどれも正解だからだ。
この場合、最終的にどう決めるか?
1つは自分が一番やりたいのはどれか?の軸で選ぶというのがある。所詮ビジネスは最後の踏ん張りが効くがどうかで勝敗が決まる。その踏ん張りを生み出すのは「これがやりたい」という熱意に他ならない。
ただ、この自分がやりたい軸が残っている場合は大抵悩まない場合が多い。
もう1つは組織に一番合っている戦略はどれか?の軸です。
社員が一番テンションの上がるものはどれか、組織風土にあったものはどれかなど、定性的な要素満載な軸で決めることが多い。
何故、テンションが上がるのか?
何故、組織風土に合っているといえるのか?
根拠なんてありません。
「何となく」です。
何かをやる、やめる。
言ってみれば全て「何となく」なのかもしれません。
田坂広志氏の名著「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得」の中で、マネジメントとは矛盾の両極の中でバランスをとる力であると言っている。
熟練のマネジャーが極めて難しい決断が求められる時に、「善悪」の判断よりも、「美醜」の感覚を大切にする。
言語知では決して伝えられぬ暗黙知が存在するという冷徹な認識であり、深い暗黙知は体験を通じてしか伝えられない。
果たしてマネジメントとは何だろうか?
「相矛盾するものを違和感なく共存させる力」こそマネジメントの真骨頂だと思っている。
ゆえに「違和感」がないものに、強烈な違和感を感じるのだと思う。
「ん?」
「何かがおかしい。」
こんな風にセンサーが敏感になっていくのだろう。
センサーは場数で決まる。
場数の少ない部下に論理の先の「違和感」を伝えたところで分かり合えるはずがない。
しかし、経営者の右腕や参謀、経営チームに名を連ねるメンバーはそれでは困る。
同じようにセンサーが発動しなければならない。
「何か違うな・・・」(経営者)
「…… 同感です。言葉には上手く出来ないですが・・・」
これ位のシンクロが無いと経営参謀は務まらないと思う。
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![工藤太一/印刷会社二代目/glassy株式会社代表取締役](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44742636/profile_ac6597efc63baba53b201120153989a8.jpg?width=600&crop=1:1,smart)