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基山瑣末の短編小説

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短編小説をまとめたよ。
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#オオカミ

【短編小説】黒狼の話

【短編小説】黒狼の話

 全てへ納得する最善の方法は、今もまだ白昼夢か何かの中であると思い込むことである。
 もぬけの殻になった部屋を見ても、私は驚かなかった。予想していたことがとうとう起きたのだ、それだけである。その内李緒は出て行くだろうなと分かっていた。端から噛み合っていないことなど明白であった。出会いからして恋愛とは呼べない代物であった。バーで飲んでいた所へ、恋人と喧嘩した李緒が半ばヤケクソ、酩酊も甚だしい状態で声

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