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『宮廷の諍い女』
『宮廷の諍い女』
原題:甄嬛传〈2012年〉
日本に入ってきてからも、10年くらいでしょうか…根強い人気のある作品ですよね。今見ると、ちょっとばかし映像は古い、かな? だけど、内容は面白い。派手なアクションのない、ただただ宮廷内での女の争い。そう、女の世界の格付け争い(笑) 今のような中国ドラマ沼に入っていなかった頃に見かけたテレビ放送では、ラストに格付けランキング表みたいのが出て、たまに変動して煽っていませんでしたっけ? だけど、単なる女の争いだけでない、皇帝に人生をめちゃくちゃにされた女の愛憎劇、でもあるのかな、と思います。
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主人公の、孫儷(スン・リー)が演じる甄嬛は、家庭の事情もあってお后選びに参加して、そのまま入宮するけど行って早々に後宮内のゴタゴタを目にしたことで、「病気」と称して表に出ず引きこもりになります。なのに雍正帝と知らずに皇帝と恋におちて瞬く間に寵姫になり、トントン拍子に格付けを上げていったかと思いきや、皇后の罠にハマって廃妃になってお寺へ。この時点でもう、雍正帝はワガママで短気でメンドクサイ認定でしたね。自分勝手に盛り上がっといて、亡くなった前皇后の衣装を着ていた、その理由もちゃんと調べず廃妃ってね、アンタ、そんなんでよく皇帝やっていられるな、と思ってしまいました。だから、色々あって再び後宮に戻った甄嬛が、皇帝の機嫌をとりつつも強かに心は許さず、挙句、ラストは皇后たち同様に皇帝も復讐の対象にしたのは、そりゃ仕方がない。だってね、甄嬛にしてみれば、勝手な皇帝に人生振り回されているようなものだもんね、長年の恨みは切々と溜まっていったろうよ…。いえね、甄嬛もちゃっかり皇帝がまだ自分に気がある、ってのを利用してはいたけど、当時の女性として使える武器それだけだなと思えば仕方がないのかな、と。
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途中に挟まってくる各妃たちも、皇帝のワガママに振り回されている部分が大きいよね。皇后も華妃も安陵容も、自分勝手に振舞ってはいるけど、結局のところ皇帝に本当のところは愛されていないから、自分の立場を守るために、もしくは愛憎の果てにあくどい事していたって部分が大きい。
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まぁね。こういった後宮ものは、朕は自分勝手だったりワガママだったりで、そのとばっちりで妃たちのバトルになるからドラマになる、というものなのでしょうけど(笑) その過程が面白いから、今も人気作品なんだろうなぁと思います。長いのに飽きさせない巧みな話の作り方が、秀逸です。