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『孤城閉~仁宗、その愛と大義~』

『孤城閉~仁宗、その愛と大義~』
原題:清平乐〈2020年〉

王凱(ワン・カイ)が演じる仁宗がババーン!とひとりで写っている画像に惹かれて見始めました。主要キャストさんは皆さん、初めまして、なドラマです。


派手にアクションがある訳でもなく、淡々と仁宗の生涯が描かれていくので、ドラマとしてはハラハラドキドキの少ない、落ち着いた雰囲気で最後まで進みます。かと言ってつまらなくもない。だけど、最後まで見ると、「陛下、そりゃないわー。ダメだわー。結局、妻子みんな幸せにできていないじゃん」と、主役の支持率ダダ下がりでラストを迎える物語でした。最後まで見たら、なぜ目立つポスター画像で仁宗がポツンとひとりで座っているのかが分かります。きっと、皇帝とは精神的には孤独な人、ってことなのよね。


2人目の皇后として輿入れすることになった、江疏影(ジャン・シューイン)演じる丹姝は、元から皇帝に憧れがあり、愛情をもって夫婦となることを望んで嫁いできたのに、結婚初日から仁宗の言動から「皇帝の臣下である皇后」となることを望んでいるように感じてしまって。ならばと丹姝は淡々と皇后の勤めに熱心になり、他の側室さん達とも良い関係となるように振る舞う。なのにある時突然、仁宗が丹姝は「夫として見てくれていない」というような愚痴めいた発言をするのです。いやいやいや、先に皇帝と皇后というビジネスライクな関係をほのめかしたのは仁宗のほうだから!とツッコミ入れたくなりましたね。幼なじみから側室となった心禾も、幼なじみの情もあって大事にされている自覚はあるも、明らかに仁宗の初めての子となった娘・徽柔の方に仁宗の愛情や思い入れがあると感じて複雑な思いを抱えているし。



そんな仁宗はよりによって、ワガママ全開な側室の妼晗を寵愛し、しかもかなりマズイ騒動を起こしても妼晗を許してしまうという、ダメダメっぷり。そうして最も罪深いのは、最愛の子だろう徽柔の気持ちを微塵も考慮せずに決行した、ある意味仁宗の亡き母親孝行を兼ねた輿入れとその後の騒動を前に愚かでしかないやり方。何故そこで思いとどまらん?気づかない?本当にもう、内心、丹姝も心禾も実は呆れていないか?と感じつつ、でも皇帝だから仕方がないのかも…と半分許しているのがもう、もどかしい。やること全て、裏目に出てしまっていて、可愛そうではあるけど、全部仁宗が招いてしまった事だしなぁと思うと、居た堪れない。


ラストまで、ズドーン…と重苦しい雰囲気で終わりを迎えるドラマではありましたが、全体的には満足で見終えることができました。たまにはこういう暗い、重いドラマもアリかなぁ。

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