【感想】逆転裁判シリーズ大ファンの私が大逆転裁判1をプレイしてみた
逆転裁判シリーズの大ファンの私。
中学生の頃に初めてプレイして以来、そのストーリー性やゲームシステムの高さ、テンポ、キャラクターの魅力全てに惚れ込んで、何度も何度も繰り返しアツい法廷バトルを繰り広げてきた。そのせいで台詞も事件のあらましも犯人も証拠品ももうすっかり覚えてしまった。
とにかくそんな逆転裁判大好きな私が、(なぜかずっと)温めていた「大逆転裁判」を満を持してプレイし、昨日の明け方ついに1をクリアしたので、その感想を書いていこうと思う。
ここからは、「大逆転裁判1」の大幅なネタバレを含むので注意。
始めてみてすぐに、私の逆転アンテナが気づく。
「これは、今までの逆転シリーズとは根本的に違うぞ」。
逆転シリーズファンとしては、最初は正直物足りないような気がしていた。
証人を、犯人を追いつめていくあのスピード感、ハラハラドキドキ、駆り立てられるようなアツい想い、そして気づけば叫んでいる、「異議あり」。
最初に言っておくと、本作はそういうものをメインに描いているわけではない、と私は感じる。
趣のあるしっとりとした音楽と、作りこまれた世界観の元で、ゆったりと、それでも底知れぬ黒い大きな何かに近づいていくように進んでいくストーリー。それを上質な小説や映画を味わうかのように楽しむのが私なりの大逆転裁判の正解だ。
唯一、第一章のジェゼール・ブレッドの事件だけが、今までの逆転シリーズらしい、法廷バトルの楽しさ、真髄が味わえたような気がする。反対に言えばこのストーリーはこの先味わうことになる「大逆転裁判」の色とは少し違う、異色のプレイ感覚だった。純粋に法廷バトルを楽しむ要素も取り入れてくれているところはさすがといったところ。
そこから、新しく生まれた本作の大劇場が始まっていく。ロンドンの文化文明に基づいた事件の数々、そして個性的な登場人物たちの様々な想い(これは逆転シリーズの十八番。本作でもしっかり健在だ)。特に第四章のストリートでの事件は、それが色濃く表現されていた。思わずぎゅーっと胸が締めつけられるようなストーリーは必見。
最終章までプレイして今作に秘められたある仕掛けに気がつく。
今回は「法のゆがみ」がテーマの一つとなっている。
正しくないものを正しく粛正し、いつでも平等に、厳然と存在する、法。
ここ倫敦はそれが、正常に機能しない世界だったのだ。
犯人の悪意、仕組まれた証言、捏造された証拠。
今までの逆転裁判でもそういった描写はあったが、それらが実際に使われ、事件に直接影響したのは初めてではないか。衝撃的である。
これこそが違和感の正体で、そもそも逆転シリーズにおける大前提、法が正しくない世界を描いていたために、裁判も法廷も今までとは異質なものに感じていたのであった。
もちろん、法廷バトルが濃厚なストーリー性に塗り替えられた代わりに、新要素もプラスされている。タイトル通りの「大逆転」が味わえる、陪審バトルはなかなかの爽快感。愉快な探偵ホームズと共に行う共同推理は作りこまれた演出に思わず唸る。全体的な難易度は易しめに感じたので、次回作にも期待。(もっと難しくてもいいよ)。個人的に楽しかったのは、より詳しく証拠を調べることで、真実が明らかになっていくというシステム。新しい証拠が提出されたら、すみずみまで調べてあれこれ推理するのが醍醐味。
ラストで明らかになる次回作への伏線も見事。これは2をプレイせずにはいられない。みんな大好きやたら顔面の良い「あの男」は一体何者…?