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硝子日和

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ガラスと共に暮らすステンドグラス職人が、日常で感じたことを素直に書きました。
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#ガラス

「硝子日和」のこと

「硝子日和」のこと

私はガラス作家で本を書く人ではないので、文章を書かなくても生きていけるのですが…最近文字離れの生活のせいか(歳のせいか?)物忘れがひどく、言葉での表現がおぼつかない時があり、背筋の凍る思いをすることが多くなりました。

あれほど慣れ親しんでいたはずの言葉たちが、赤の他人のようになっていくのは寂しいです。つい最近も大好きだったビートルズの曲名がすぐに思い出せなくて…悲しかった。
  
友人のK氏は、

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光の魔法

光の魔法

生まれて初めて色ガラスに触れたのはいつのことでしょう?

ラムネの瓶の淡い緑、金魚鉢の縁の青、色とりどりのビー玉やおはじき、風鈴やビードロ、お父さんのウィスキーの瓶…子供の頃に出会った色ガラスの美しさに心奪われた経験はありませんか?

私は7歳まで祖父母に預けられて育ちました。幼いころを過ごした静岡県の大井川河口近くの川尻という町には、東芝の大井川工場がありました。当時は(昭和30年代)高い塀もな

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